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2009-02-22

疑似科学批判批判は「お前の態度が気に入らない」の言い換えに過ぎない

この辺りのいわゆる「疑似科学批判批判」の話。

この種のエントリの主な主張は以下のようなもの。

  1. 自分自身は批判対象(例えば水伝など)自体には何の興味もないか、もしくは信じていない
  2. 人が何を信じて何を主張しようと自由
  3. その批判行為に意味・効果があるとは思えない
  4. 批判する行動自体が気に入らない(目に余る)

「批判」に繋がっているのは2から4で、それらのいずれか、もしくは複合した内容がエントリになっていることが多い。本題である疑似科学自体に言及することはまずなく、「興味がない」「よく知らない」「自分は信じてないけど」という言説・態度を取るのが一般的。つまり「疑似科学批判批判」自体は「疑似科学」という単語はついているものの、実際は何の関係もないただの(議論の)空中戦だといえる。

「お前の態度が気に入らないので、態度を改めるかやめちまえ」

前述の通り、「疑似科学批判批判」は「疑似科学」とは直接的に関係はない。内容としては「お前らの態度(行動)が気に入らない」*1と主張しているだけなので、疑似科学批判者が疑似科学の危険性云々を説いても意味がないし、そもそも話がかみ合わない。多くの人は疑似科学の方面からこの問題に反論するのだが()、疑似科学自体は話のダシに過ぎずそもそも何の興味もないのだから、話の進展に繋がることはほとんど無い。*2

ただ面白いことに、この辺りは本人も区別がついていないのか、もしくは意図的に混同させているのか「態度が気に入らない」→「疑似科学批判は間違ってる(無意味)」にスライドする事が多い。確かに直接批判されたわけでもない第三者が唐突に「お前の態度が気に入らない。目についてうぜぇ消えろ」なんて主張した日には、「頭脳が残念な人ですね」「幼稚園児ですか?」「期待の若手!今後も目が離せない!!」などと書かれて残念な注目のしかたをしてしまう。批判の手段としては対象を「態度」ではなく「行動」にした方が確かにスマートだろう。

「今時w水ww伝wwwワロスwwww」

疑似科学批判」という看板は比較的「叩かれづらい」という特徴がある。例えば水伝の「水に綺麗な言葉をかけると美しい結晶になる」などという主張はシンパでもなければおよそ肯定できない。まともに考えれば叩き一辺倒になるのは当たり前だし、実際問題として教育現場で使われたりしてるわけだから「むしろ積極的に叩くべきだ」という流れも自然だろう。*3

ただ結果として、「叩かれにくい看板を盾にして好き放題放言する*4」という行動も可能であって、実際に散見される。個人的には「疑似科学批判批判」はこの辺りの行為のカウンターとして生まれていると考えている。言い方を変えれば「叩かれすぎてる方を擁護する(したくなる)逆張り行為」といったところ。*5

もちろんそのまま反論すると「(信じてもいないのに)ただの水伝シンパ」になってしまうので、直接的に疑似科学自体には触れない「他人の意見を尊重しろ」「お前らの行為は無意味」「魔女狩りですか?」辺りに着陸する。*6例えそれが疑似科学シンパの利益になったとしても、そもそも自分は疑似科学自体には無関係・興味なしなのでどうでもいいという考えもあるだろう。要は「俺は頭がいいので周りでアホがいくら騙されても構わない」ということ。

態度の変更要求に理屈で返答しても意味はない

疑似科学批判批判は「疑似科学自体に興味はないが、お前の態度が気に入らない」という以上の主張は無いと見ていい。(繰り返しになるが)多くは「疑似科学の危険性」という観点から反論されるが、論点はそこじゃないので話がループするだけ。

ニセ科学批判批判(大体どいつも似たようなことしか言わん。態度問題と印象批判しかできない)

ニセ科学批判批判は、行動がアホだと思う - 火薬と鋼

というのは

  • 元から態度の問題である
  • 疑似科学自体には興味も知識もないので印象でしか語れない

という点から当然の結果といえる。

*1:理由としては「科学万能主義」や「科学原理主義」、「他人の自由にケチを付けているだけ」などが良く挙がる。

*2:従って「何必死になってるの?ww」みたいな反応が返ってくる。元から「必死になってること」の方を問題にしているから。

*3:ビジネス的な観点で詐欺云々の問題もある。

*4:主に人格攻撃など。

*5:もっと単純に「罵倒されてるのを見るのがムカツク」「いい気になってる奴に冷や水を浴びせたい」「罵倒してる奴を罵倒し返したい」などかもしれないが。

*6:そもそも対象となっている疑似科学自体を全然知らないので、触れようがないというのもある。