2009年5月23日 20時1分更新
犯罪の被害者や遺族が、加害者に慰謝料などを請求する際に新たに訴訟を起こさなくても請求できる新しい制度が県内で初めて利用され岡山地方裁判所は刑事裁判で有罪判決を受けた男に対して120万円を支払うよう命じました。
去年12月に始まった「損害賠償命令制度」は、殺人や傷害致死などの事件の被害者や遺族が、刑事裁判の被告に対してこれまでよりも簡単な手続きで慰謝料などの賠償を請求できるようにするための制度です。
裁判官が被告に有罪判決を言い渡したあと最大4回の審理を行ったうえ、賠償額を決めて命じます。
22日、県内で初めてこの制度による賠償命令が出され、岡山地方裁判所はことし3月に強制わいせつの罪で有罪判決を言い渡された男に対し慰謝料として120万円を被害者に支払うよう命じました。
これまで被害者などが加害者に賠償を請求するためには自分で新たに民事裁判を起こす必要がありましたが、この制度が導入されたことで被害者側の負担が大幅に軽減されます。
審理に携わった宮本敦弁護士は「民事裁判では長い時間と費用がかかるうえ、精神的にも大きな負担になっていた。被害者にとって良い制度であり多くの人に活用してほしい。」と話していました。