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【愛知】

児童虐待、8歳がピーク 名古屋市が06年度分析 

2009年5月20日

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 名古屋市は、2006年度に市児童相談所(昭和区)で対応した虐待の実態を分析し、結果をまとめた。虐待を受けた子どもを年齢別でみると、8歳の学齢期にピークがあることが浮かび上がった。市子ども福祉課は「乳幼児期の虐待が多いのは把握していたが、学齢期に受ける虐待が多かったのは予想外だった」としている。

 対象は、06年度に児相にあった相談749件のうち、児童虐待ではないと判断した件を除く511件。対応後の経過も含めて調べた。

 虐待された子どもの年齢は8歳が最多で51人。就学前の3歳の43人から徐々に減少するが、8歳で急増している。

 同課は「小学校入学後になると、親などは違う面で育児の大変さを感じるのではないか。学校側も、2−3年生で個々の児童のことを把握できるようになり、虐待を発見するケースも多い」と分析する。

 実際に虐待があってから相談までの期間は、1カ月未満が151件(30%)で最多。しかし1年以上経過していたケースも99件(19%)あった。虐待児の年齢が高いほど相談までの期間は長く、中学生の場合、1年以上が3割、高校生では5割に上る。

 虐待をする側は実母が全体の60%で、次いで実父で24%。年代では30代が47%と最も多い。

 虐待した保護者の42%は虐待を認めておらず、児相が一時保護したケースのうち、35%は保護者の同意を得ずに実施した。一方で虐待を受けた子どもの6割が、虐待者との同居を希望しており対応に難しさがある。

 07年度の虐待の通報は851件で過去最多だった。

 (石屋法道)

 

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