林良平さんの遺言 <2004年度入試>
みなさん、こんにちは、早稲田大学第一文学部1年の林良平と言います。僕は、高校3年の春から本格的に受験勉強を始め、しかも、早稲田を本格的に意識し始めたのが9月だったので、自分でも「なんで受かったんだ?」と考え込んでしまったほどです。まあそれでも受かったので、どんな勉強をしたのか、思い出しつつ記してみます。皆さんの受験勉強のお役に立てれば幸いです。
其の一、日々の勉強について
僕は、石黒先生の授業をテープに録音し、家に帰ってからその日のノートを目で追いつつ、MDを編集していました。こうすれば、劣化しにくいし、聞きたい部分だけを頭出しできます。ただし、この方法は最初からやってたわけではありません。石黒先生から教わった方法で、佐藤邦彦さん(名前勝手に出してすいません)がやってたものです。マネさせてもらったわけです。このMDを高校の授業中とか、自宅での復習の時に聞いていました。勿論ノートを目で追いながらです。ただし、この方法だと時間がかかってしまいます。そこで、僕はノートを見ながら声に出して、授業の再現をしてみました。先生の口調をマネしつつ(これも佐藤さんのパクリです、ハイ)、ひとり講義の実況中継状態でした。今思うとぞっとしますが、これなら耳にも残りますんで、多少効果はあったと思います。
これも最初は1ページにつき1時間かかってしまいましたが、何度も復習するうちに、2学期後半には1時間3,4ページにまで、スピードアップできました。ノートを書いて復元するとか、チェックペンを使うなんてことをやらなかった僕ですが、これは真面目にやってました。語呂合わせも作りましたし(新井白石の著作とか)、替え歌も作りました(21ページの農書とか、明治の自然科学とか)。披露出来ないのが残念です。マイナーな古い曲ですので。
其の二、参考書について
僕が使った日本史参考書です。
・日本史でるとこ攻略法 石黒拡親 文英堂
4月に購入。ノートを頭の中で復元する時、なにかと便利。11、13、36ページなんかとくに。まぎらわしい用語もすっきり整理できます。語呂合わせ万歳!な僕でした。
・読むだけ日本史@A 石黒拡親 学研
論述の時便利、講義での説明が活字になったような印象。学校の授業中、教科書を立たせればスッポリ隠れるサイズ。
・受験生が本当にほしかった問題集 日本近現代史 石黒拡親 文英堂
タイトル長えなあ、近現代の復習ならこいつとノートで十分かも。古代〜近世バージョンは無い。でもあってほしかった。
・大学受験シリーズ日本史 河合出版
こんな感じの書名だったかな? 古代〜現代までの通史の問題集、一部誤植があるので探してみては? 夏休みに復習用として使ってた。可もなく不可もなく。
・攻める日本史 文化史 野沢保 増進会出版社
文化史のちょっと骨のある問題集。論述もあり。結構使える。
早稲田予備校の人は日本史演習編も忘れずに。
其の三、夏の勉強について
夏です。勝負の夏、なんて言われますね。僕は石黒先生の講座を全種類受講しました。なにより大変だったのが「早慶難関大の日本史」です。問題がむちゃくちゃハード(とくに史料問題)で、泣きそうになりましたよ。生半可な気持ちで受けるのはやめましょう。でも本気で早慶狙うなら、チャレンジしましょう。MARCHレベルで日本史を得点源にしたい人も。これら夏期講習のほか、1学期の復習を1日1ページずつでもやりましょう。勿論、史料や文化史も忘れずに。問題集も平行してやっていきましょう。
其の四、模試について
これまた早稲田予備校の人は、アチーブメントテストを欠かさず(月謝の中にはテスト代も入ってるってば)、もったいないんで受けましょう。受験のペースメーカーにしましょう。それ以外の模試も積極的に受けましょう。この際日本史に関しては、せっかく石黒ノートがあるんです、高得点狙いましょう。偏差値70狙ってもいいですよ、とくに夏場に行われる模試は。判定は気にせず、僕も早稲田D判定が最高でした。夏場は自習室をフル活用するのも手です。
其の五、赤本について
僕の当初の第一志望は学習院でした。そこで夏休み序盤に少し解いてみました。そしたら英語ができないのなんのって、半分いくかいかないか。おかげで受験に対する危機意識が多少なりとも生まれました。早稲田の過去問をとき始めたのはなんと10月からでした。遅すぎです。受かったからいいものを。もっとも早稲田一文の日本史過去問は1年分しかなかったんですが…。そのぶん日本史は、英、国では手を伸ばさなかった社学のも解いてみました。これら赤本による日本史対策は1月半ば頃までで終わらせました。あとはひたすらノートの復習でした。
其の六、受験への心構えについて
偉そうなことを書こうとしてますが、そんな堅苦しいものじゃありません。まずは高校の授業は捨てましょう!! そもそも高校の先生(とくに公立)というのは、受験対策のスキルは持ち合わせてない人が多いです。彼らは、あくまで皆さんを卒業させることで飯を食ってます。僕の高校には、受験の問題形式は嫌いだ、と言ってた国語教師までいました。だったら3年の担任持つなよなあ。僕の友達には、高校の授業を捨てきれない人(女の子に多かったなあ)が結構いました。みなさんドライになりましょう。僕は2学期中間の英語が30点、古文は41点でしたよ。
次に、オープンキャンパスには積極的に行きましょう。MARCH以上の大学のオープンキャンパスに行くと「大学っていいなあ」と実感できるでしょう。とにかくモチベーションを下げないようにしましょう。
其の七、直前期、本番について
センター試験では東洋大学さえ引っかからなかった僕は、「俺の目標は早稲田だ、早稲田に受かればそれでよし!」と開き直ってノートの復習を毎日続けてました。この時期になると1日40面の復習だけでなく、文化史プリント復習もいつのまにか可能になっていました。やはり何度も声に出して復習してたのが、功を奏したのかもしれません。そんでもって受験当日、のしかかる緊張感の中、本番では、受験した学部それぞれでニヤリが出ました。(とくに学習院!)そんで結果的には第一志望に受かったわけです。合格発表のときはドキドキものでしたが。どの会場でも暖房がかなりきいてますので、着脱しやすい服装で望みましょう。
ずらずらと書いてみましたが、一番言いたいのは、日本史に関しては、石黒先生を信じましょう、ということです。なんか、新興宗教「石黒教」みたいですが(黒住教の類か?)、皆さんの御健闘をお祈りしています。
●コメント
あちこち笑わせてもらいました。読むだけ日本史の良いところが「スッポリ隠れるサイズ」だなんて!
彼は「復元」はやらなかったと書いてますが、その一方で「ひとり講義」はしてたんですね。林君の遺言を読んでてふと思ったのですが、この「ひとり講義」はのちのち役立ったりするんじゃないだろうか…と。社会人になると、人の前で何かを説明しなきゃいけない時が出てくると思うのです。僕も先日、友人の会社の経営計画発表会で5分ほど話をしてきたのですが、前夜は布団の中でひとりぶつぶつ「予習」してました。頭の中で簡単な箇条書き台本を書いて、それをしゃべってたんです。この「ひとりぶつぶつ」をやっておくと、本番でスムーズに話せることがわかってたからなのですが、こういうことって、恥ずかしくてやらない人が多いように思うのですよ。
なーんてまた人生訓をたれてますが、要するに「ひとり講義」をやったことない人に、「もったいないなあ」と言いたいわけです。だって、「1時間3,4ページ」できるってすごいことですよ。しかも、受験直前には、「1日40面の復習だけでなく、文化史プリント復習」が可能って! 一体どういうことなんですか!?
「石黒教」は冗談としても、ここにある偉人のみなさんのアドバイスは、本当に参考になるものばかりだと思います。「偉人教」は十分信仰するに値すると思います。
それにしても「(黒住教の類か?)」ってマニアすぎだよ、林君。
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