ジントニックの論理的アプローチ
テーマ:カクテルスタンダードなカクテルに向き合う。
伝統や慣習に縛られず、カクテルを造る目的と意味を考え、論理的にアプローチ。
自分自身、今一度原点に帰るべくゼロから構築するスタンダードカクテル理論。
あくまでワタクシが現時点で考え、実行するスタイルで勿論絶対的なものではありません(笑)
大切なのはその手法でなく、論理的なアプローチ。
第一弾は
「ジントニック」
多くのBarに於いて今も尚オーダーの上位に位置するカクテル。
そのシンプルさゆえそれぞれのBarごとのアレンジがありBarの顔とも言われるカクテル。
マティーニも「カクテルの王様」として君臨していますが飲み易さでジントニックに軍配。
そんなシンプルカクテル“ジントニック”を構成している要素は5つ。
“グラス”、“氷”、“ジン”、“トニックウォーター”、“ライム”
「グラス」
10~12ozタンブラー(ジンの容量を45mlと仮定して)
トニックウォーター注ぎ入れることを考えて氷を入れても隙間ができるくらいの幅があるもの。
立ち上る泡を綺麗に見せる為の背の高さも必要。
「氷」
透明で溶けにくい硬く締まった氷。
トニックウォーターを注ぎ入れる為の隙間を確保して2つ。
グラスの2/3位に収まるのが見た目にも飲み心地的にもグッド。
尖った部分とかがグラスから突き出してるのは飲みづらいですしね。
冷凍庫から出したばかりの氷に液体を注ぐと氷にヒビが入るのでNG。
これは氷の輝きや透明度にも関わってくるので室温に馴染ませる作業が必要。
グラスに入れてステアする事によってグラスも冷やせると同時に氷の霜も取れます。
(霜は匂いやほこりなどを吸着します)
「ライム」
ライムを入れる順序と大きさ。
最初に入れます。
最後に入れた方が香りが立ちますが、流石に飲むのに邪魔になります。
大きさは1/8位が適当でしょうか。
大き過ぎると何より酸っぱ過ぎるし、小さすぎると浮かんで来てこれも心地が悪い(笑)
鼻で押えながら飲むのはね。。。
氷で冷やしたグラスの上で絞ってグラスの中に落とす。
真ん中に切れ目を入れたライムをバースプーンを力点に絞ると綺麗に絞れます。
ライムの果汁を優しく絞り出して皮から出る香りと若干の渋みも引き出します。
予め絞ったライムジュースを使用して、ピールで香りを補う方法も合理的。
ウチではライムの皮の渋みも欲しいのでライムを入れる方法を採用。
「ジン」
ウチでは“ゴードン”を使用。
勿論指定があればお気に入りの銘柄でお造り致します♪
銘柄の選択は好みに依るところが大きいので「○○が一番」的な議論は不毛。
ただ最低でも冷蔵保存は必須。
スペースがあれば冷凍保存が尚良いのだけれど。。。。。
「トニックウォーター」
十分に冷えていることが必須条件。
炭酸飲料は“ガス”が命。
十分に冷やしたトニックウォーターを極力振動を与えずに開栓。
そして氷に当てずにグラスを伝うようにジンに直接注ぐ。
ゆっくりと丁寧に。
銘柄については先に挙げた理由で、特に指定せず。
(ウチではシュエップスを使用してます)
甘味を抑える為に適量の“ソーダ”を使用するスタイルもありますがあくまで派生スタイル。
巷では”ジン・ソニック”(ソーダ&トニックウォーターの略)として広く親しまれています。
ジントニックにこだわるならトニックウォーターのみの使用に留めたいところ。
「造り方の手順」
①グラスに氷を入れてステア。
氷を室温に馴染ませ、霜を取るとともにグラスを冷やす。
②氷を一旦取り出したグラスにライムを絞ってグラスに落とす。
③よく冷えたジンを注ぎステアしてライムと混ぜ合わせる。
④氷をグラスに戻してトニックウォーターを静かに注ぐ。
氷に当てずに丁寧にゆっくりとグラスを伝うようにジンに直接注ぐ。
そして決してステアをしないこと。
「炭酸飲料はガスが命」
ジンとトニックウォーターの比重を考えると混ぜる必要はありません。
確かにステアしないと何か仕事をしていない不安に襲われますが。。。(笑)
必要ないんです。
混ざってます。
既に混ざっているとしたらステアすることの目的は・・・・・?
必要以上に混ぜることはガスを失うことに他なりません。
こんな感じで論理的にアプローチしてみたジントニック。
ここで書いた手法はあくまで主観的なレシピで絶対的なものではありません。
大切なのは考えて造るという「論理的アプローチ」
今夜はジントニックのオーダーが増えること間違いなし(?)
1 ■奇遇ですね
ほとんど同じアプローチでジントニックを作る大阪のバーテンダーさんがいます。