2009年4月25日0時0分
「中小企業」という言葉が広く使われるようになったのは、戦後のことである。戦前には主に中小工業、中小商業、中小サービス業などと言われていた。これが中小企業と呼ばれるようになったのは、1948年の中小企業庁の発足のころからである。同庁発足の背景には、中小企業が戦後の混乱期から脱出し、日本経済を発展させる基盤であるとの認識があった。
今日、全国の企業倒産は急増している。この3月には、6年ぶりに1500件台を超えた。とりわけ中小企業の経営環境は悪化しており、単なる対策の掛け声では済まされない状況だ。今回の不況乗り切りのため、政府が決めた経済危機対策の中でも、中小企業資金繰り支援などの施策が盛り込まれている。
しかし、今回の不況は主要産業の構造変化に伴い、中小企業への影響が大きく、症状は悪い。いうまでもなく、わが国の経済力の強さは、中小企業の活動に負うところが大きい。現在は、そうした基盤がゆるぎかねない、厳しい局面ではないか。
中小企業には、元気のあるオンリーワン企業などの先進国型中小企業から、後進的企業までが混在しており、多様である。中小規模であるため企業努力ではカバーできない金融、人材確保、取引関係の不利などの問題を抱えている。これら幅広い問題に適切に対応しなければ、将来の日本経済の基盤を崩壊させかねない。
わが国の中小企業対策は世界の模範となっている。しかし、今中小企業経営者の多くは、政策当局や金融機関への不信感を根強く持っている。この際、決められた諸施策を十分浸透させ、政策効果をみながら弾力的運用をはかる真の対策を期待したい。(共生)