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シャープ携帯、2010年にもブラジルで販売

 シャープの片山幹雄社長は、2010年にもブラジルで携帯電話端末の販売を検討していることを明らかにした。読売新聞のインタビューに答えた。ブラジルでは日本方式の地上デジタル放送(地デジ)が採用されており、携帯電話向け放送「ワンセグ」が視聴できる端末を販売する方針だ。日本メーカーが南米市場で携帯電話を販売するのは初めてとなる。

 片山社長は「ブラジルで販売すべく準備を進めている」と述べた。ブラジル進出は、海外市場強化の一環で、端末の生産は現地企業などに委託する方向だ。成長力のある新興国として注目されるブラジルの携帯端末の販売台数は、08年に4896万台(調査会社ガートナー調べ)で、さらに市場拡大が見込まれている。

 シャープは、携帯端末の09年度の海外での販売台数を前期比2・5倍の400万台とする目標を掲げている。欧米市場でも、10年には液晶画面を指やペンで触れて操作するスマートフォンの発売を予定する。

シャープ液晶、中国を照準…片山社長インタビュー

写真

 シャープの片山幹雄社長は、読売新聞のインタビュー=写真=で、主力事業である携帯電話と液晶テレビの再建策を示した。液晶テレビについては、家電製品の購入代金の13%を補助する中国政府の「家電下郷」政策の対象商品に、シャープ製の液晶テレビが日本メーカーとして初めて認められたことを明らかにした。世界中に液晶パネルを供給したい考えだ。

(聞き手 船木七月)

現地補助対象に

 ――赤字の液晶テレビ事業の見通しは。

 「中国向けに開発した32型の液晶テレビ『アクオス』が、家電下郷に認証された。2009年度の中国での販売台数は前年度比15%増の120万台を見込んでいるが、かなり上振れするだろう。エコポイント制度が導入された日本市場も伸びる。ただ、欧米は引き続き低調だとみて、09年度の販売台数目標は前年度と同じ1000万台に据え置いた」

 ――10月に堺市の液晶テレビ工場を前倒しで稼働させる。三重・亀山工場とのすみ分けは。

 「日本の市場規模は1、2年後に現在の1・2倍の1200万台になる。亀山工場の生産能力は1000万台で、日本市場分は亀山産で賄う。堺は60型や65型の大画面の生産に適している。世界中のメーカーに堺産パネルを供給したい」

 ――液晶テレビを海外生産する方針を打ち出した。

 「これまで日本から輸出する事業モデルを展開してきた。海外とのコスト差を最先端の技術で吸収してきたが、とんでもない為替の変動でカバーできなくなった。現地の企業と資本提携して工場を造り、技術指導料や配当を受け取る」

 ――携帯電話事業は。

 「ブラジルに先立ち、08年に世界最大の中国市場に高級機種を大量投入したが、6月以降、ほぼ半額の2000元(約2万7750円)程度の製品も投入して品ぞろえを拡充したい」

2009年5月22日  読売新聞)

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