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家に防護服隊員・廊下を何往復も… 隔離高校生の3日間(2/2ページ)

2009年5月23日3時2分

 食事は部屋に運ばれた。朝食はパンと牛乳など。昼食はボリューム満点で、ある日はラーメン、おにぎり、焼き魚とみそ汁もついた。

 日中は時間を持て余した。中間テストを控えて数学の問題集に向かったり、唯一移動を許された15メートルほどの廊下を何往復もしたり。同級生と顔を合わせると「もう症状ないのになあ」とこぼし合った。同じフロアには他にも同年代の4人の姿があった。

 「最初はいい経験やな、くらいに思ったけど、だんだん精神的にしんどくなった」

 慰めになったのは、部活動の仲間や級友ら約20人と交わした200件以上の携帯メール。中学時代の友人は「まさか(新型インフルに)なってないよね」と送ってきた。「実はなってる」と返信。「なんで?」「大丈夫?」と心配してくれた。やりとりは未明まで続いた。

 入院3日目の19日昼、迎えに来た母親と帰宅した。16日から39度の熱でつらそうだった妹(14)も感染が確認され、自宅で療養していた。ゼリーやイチゴしか口にできず、自室で寝て過ごし、20日に熱が下がったという。

 ゴールデンウイーク中に部活動の試合があったが、相手校に感染者は出ていない。自分は学校内で感染したのだろうが、そのウイルスがどこから入り込んできたのか、見当もつかない。

 新型と言われたら仕方ないと思ったが、症状は軽かった。「入院までする必要あったのかな」。複雑な思いだ。(多知川節子)

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