43億円の偵察機めぐり、韓米の立ち場逆転
米国防総省がこのほど、長距離高高度無人偵察機(UAV)「グローバルホーク」を韓国に販売する意向を再度伝えてきたことが22日、分かった。
グローバルホークは最大3500-4000キロ離れた所まで飛び、36時間空中にとどまることが可能で、地上20キロという高い高度から30センチ大の物体を識別できる戦略偵察機だ。1機当たりの価格は4500万ドル(約43億円)で、総事業費は4機で約2000億ウォン(約152億円)を上回る。米国は昨年行われた韓米安保政策構想(SPI)会議でも、同機を韓国に販売する方針を表明していた。これにより、米国が韓国に「販売する」という発言を繰り返している背景に関心が集まっている。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権は戦時作戦統制権の移管を推進したが、その際、韓米連合司令部解散後に北朝鮮に対する情報収集能力が不足すると問題になったため、最優先事業としてグローバルホーク導入を進めた。しかし、米国側は「ロシアなどミサイル関連技術輸出規制(MTCR)の加入国が“グローバルホークは輸出禁止品目だ”と主張、輸出に反対している」として難色を示した。だが、米国側は李明博(イ・ミョンバク)政権スタート後の昨夏、「販売を認める」方針に転換した。ところが一転、今度は韓国側のほうが購入に消極的になっている。
韓国政府が挙げる表向きの理由は、予算やウォン安などだが、その内実は、「韓米同盟が強まっているため、戦時作戦統制権の移管後も、米軍が収集するグローバルホークからの情報を提供してもらえばいいのではないか」という判断が働いているためとみられている。消息筋は「韓国側が昨年7月、米国側の販売許可通知に対し消極的な姿勢を示したことに、米国防総省の韓国担当部署は当惑し、動揺したと聞いている」と話す。
しかし、米国側は今回のワシントン会議で、「グローバルホークを販売することに決めた。これは韓米同盟の信頼を示す証し」と強調したといわれている。「自主国防」をスローガンに掲げた盧前政権は「グローバルホークを買わせてほしい」と米国に頼み込んだが、現政権は「韓米同盟が強固なため、あえて購入する必要はない」と主張、米国は米国で「韓米同盟の証し」として購入を迫るという状況になっているというわけだ。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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