症例報告のシステムづくりで議論―都の周産期医療協議会
東京都は5月21日、2009年度の東京都周産期医療協議会の第1回会合を開催した。昨年度に引き続き会長となった岡井崇・昭和大医学部教授は、都の周産期医療体制を長期的な視点から整備していく必要性を強調した。【関連記事】
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同協議会は、東京都の周産期医療体制の整備と充実を図るために都が設置しているもので、周産期母子医療センター整備基準や搬送体制など周産期医療体制の整備、周産期医療関係者の研修などに関して、検討や協議を行う。
同協議会の委員は、▽学識経験者▽保険医療機関・団体▽周産期医療施設▽行政機関―で構成されていたが、今年度からは新たに「医療を受ける側からの委員」が加わった。
岡井会長はあいさつで、「場当たり的な対策ではなく、長期的な視点に立って制度を方向付けていきたい」と抱負を語った。同協議会は、年に2、3回の開催を予定している。
第1回会合では、都の周産期医療体制の課題についての認識を委員間で共有するため、母体救命搬送システムや周産期連携病院の状況などが報告され、委員が意見交換した。
岡井会長は、母体救命搬送システムにかかわる症例があった場合、都が一括して情報を収集できるようなシステムをつくりたいと提案した。
これに対し、都立府中病院産婦人科部長の桑江千鶴子委員は、症例の報告は現場にとってかなりの負担になるとし、「必ず(搬送に)救急車を使うのであれば、消防庁の方でやった方が効率が良いし、やってもらいたい」と要望した。
また、杏林大医学部准教授の杉浦正俊委員は、「システムの有用性を検証するためにも、都が搬送の状況を把握し、どこにひずみがあるのかを常時確認できるようなシステムをつくる必要があるのでは」と述べた。
岡井会長は症例報告のシステムづくりについて、都が周産期医療協議会の下部組織として設ける予定の、重症の疾患で緊急に母体救命処置が必要な妊産婦を必ず受け入れる、いわゆる「スーパー総合周産期センター」についての会合で議論した上で、協議会に案を提出してほしいと事務局に求めた。
更新:2009/05/22 22:26 キャリアブレイン
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