午後、日本テレビ(株)の本社役員を党本部に呼び、自民党幹事長名で同社社長あて譴責(けんせき=叱る)文書を手渡し、その後記者会見を行った。
ロシアのプーチン首相が来日した折りちょっとした事件があった。日本テレビのモスクワ支局が北方領土の現地取材と称してエトロフ島に渡った。彼はロシア国内にいるので当然ビザを持っているが、ビザを持ったまヽ北方領土に渡ることは出来ない、というわが国の規範(閣議決定)をこのテレビ局は違反したことになる。
わが国は北方4島を当然わが国の領土としており、日本人がそこに行くには(自国なのだから)ビザなど持つのはおかしいことになる。もしビザを持つならそこは外国(ロシア)の領土と認めることになる。4島の島民(ロシア人)が日本に来るにはビザは要らないし、日本は決してビザを発給しない。一方ロシア側は全く逆の立場で、4島に日本人が来るのならビザを出すというし、島民が日本に行く時は当然ビザを申請する。この国際政治の利害衝突を回避するために考えられた知恵こそがいわゆる「ビザなし交流」という暫定的制度である。
日テレの報道はこれに反した。ビザを持ったまヽ入島することは「ビザ無し交流」違反であり、これは領土問題を抱える国際関係の中では国益を害する重い違反行為と見なされる。自民党役員会で多くの役員から厳しく処分すべしとの声があり、私がその担当になった。私は十分に考慮、関係者との調整をした上で政治、政党の立場から厳正な処断をしたつもりだ。
最近のコメント一覧