新型インフルエンザの感染が広がる中、マスクだけでなく、高機能の防護服やゴーグルのセットの売り上げも伸びている。企業の購入が主だが、個人でも「万一の備えに」と確保しているケースもあるという。
ネット通販「防護服・COM」を運営するトクラ商事(大阪市都島区)は、防護服セットを3000円前後で販売。超高密度の繊維構造でウイルス侵入を阻止する米デュポンの素材「タイベック」を使った製品で、10日までに約2000セットが売れた。半数以上は企業だが、問い合わせの約8割は個人という。土蔵康司社長は「注文に追いつかない。できれば普段から備えをしていただければ」と対応に追われている。
一方、生活雑貨大手の東急ハンズ(東京都渋谷区)でも、三宮店(神戸市中央区)、心斎橋店(大阪市中央区)、江坂店(大阪府吹田市)の関西3店舗で防護服セットが品切れとなった。関東地区では売り上げが伸びているものの、21日現在で在庫はあり、「関心は高まっているがマスクほどではない。企業の総務担当者が購入していくケースが多く個人客は冷静だ」と話す。
タイベックを提供しているデュポン日本法人によると、販売店からの注文が増えているが、冷静に対応している。【植田憲尚】
毎日新聞 2009年5月22日 23時20分(最終更新 5月22日 23時26分)