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マドレーヌさんの体験談

7月末から8月にかけての10日間、母、娘、私の3人でお世話になりました。お世話になったのは10日間だけではありません。 2月から出発前まで、けいこさんとスタッフのNさんには何度もしつこくメールを送り、その度、丁寧なお返事をいただきました。本当にありがとうございます。

前々からR-Trainさんのトップに載せてある"カナダ親子ステイ"という文字に心ときめかせつつ、まだまだうちにはもったいない、と思っていました。娘の英語はスロースタートな上、私が病気療養期間が長かったため、とぎれとぎれに家庭で教材を3年ほど使っただけの状態です。英会話教室へ通った経験もなく、英語だけの環境にいきなり入るのは無理があるだろうな・・・。でもある日ふと、思い立ちました。私もいつ体調が転ぶかわからないし仕事も再開するかもしれない、親もいつまで元気かわからない、行けるのは今しかないかも? 夫におそるおそる切りだすと、そこまで考えてるなら行ってきたら、との返事で、早速けいこさんにメールを書きました。

申し込んでしばらくしてから、いろいろなことが気になり始めました。一人旅の経験はあるけど、今回は母と娘を連れていくんだよなあ・・・。個人旅行が初めての母の細々した不安に応えることもできず、娘は娘で「デイキャンプなんて日本語通じひんところに一人で一日中いるなんてムリ!」となどと言い出し、うぬぬ・・・。でも、けいこ&Nさんとメールのやりとりをしているうちに気持ちが落ち着いてきて、まあ行ってみて考えるしかないし、デイキャンプも行けないようなら仕方ないと覚悟ができてきました。

覚悟が決まると、家で英会話&折り紙&風呂敷の使い方の練習。ステイ先へは、小さい貝合せ、和紙で折ったコマや箸置き、千代紙、寿司のキャンドル、だるま落とし、日本の硬貨などを風呂敷でラップして、おみやげにしました。以下、うまくまとめることができず冗長で関西弁混じりの変な旅行日記になってしまいましたが、適当に情報を拾っていただけると幸いです。

7月31日(月)『ドライバーは・・・ 』
夕方関空発の便で、約10時間。昼前にバンクーバーに到着した。空港内で両替した後、ドライバーらしき人を探すも見当たらず・・・。無意識に中年のごっついおじさんを探していたが、送迎会社の名前を書いた看板を持っているのは、華奢な10代の男の子。まさかこの子が運転を・・・???聞いてみると出迎えアルバイトの男の子だった。 やっぱりドライバーはおじさんよね、と思って車まで行くと、運転席で待っていたのは母ぐらいの年代のエネルギーあふれる女性。ドライバーは、おじさんではなかった。ハッロー!と満面のスマイルで全員をハグしてくださり、途端に緊張がほぐれ、これがバンクーバーの第一印象となった。

ステイ先へ到着しドアを開けると、ホストマザーと可愛い男の子がにっこり。なんともいえず、ほっとした気持ちになる。このお宅では玄関先で靴をぬぐようだ。外観では平屋に見えるが実は3階建てのテラスハウスで、地階部分の1室+居間を使わせていただくこととなる。荷をほどいている間に子どもたちはすっかり打ち解け、お昼寝から起きた1才の女の子も合流して、きゃーきゃー走り回っている。そうこうするうちに、けいこさんとNさんが来てくださる。もうろうとした頭でバスの乗り方や経路をお聞きし、デイキャンプに提出する書類(予防接種歴などを書き込む)を作っていただく。デイキャンプまで徒歩30分程かかることがわかる。家からバス停までは10分ぐらいありバスの本数も少ないので、これはウォーキングと割り切って歩くしかないだろう。

ホストマザーは家の中そして冷蔵庫の中まで洗いざらい案内してくださる。少し休憩すると、もう18時。ディナータイム。ハンサムなホストファーザーが会社から帰ってこられていた。おとうさんが毎日夕飯までに帰られて、あれこれ家の仕事と子どもの世話をされている姿を見たら、ため息の出るのは私ひとりではないだろう。4人家族に加えてホストマザーの姪御さんが、夏休みの間アイススケートの練習のために下宿している。20才を超えた雄猫もいる。目も見えず音も聞こえないらしいが、風格あるきれいな猫である。

8月1日(火)『多量の小銭 』
とにかく涼しくて長袖を2枚着込む。 娘のデイキャンプ初日。早起きして弁当作り。と言ってもパックのごはんを持参したので、チンしておにぎりを作り、おかずは昨夜の残り物+αを詰めるだけなのだが。キッチンの棚には小皿と呼べるようなものはなく、マグカップも日本の倍ぐらいの大きさで、何かと面食らう。デイキャンプは森の中のCentreの一室を拠点に、いろいろ出かけて行ったりもするらしい。(そこは公民館+運動施設のような地域の公共施設で、体育館やジム、プールなどがある。)のりこさんが来られて前日記入済みの書類を提出してくださり、手続きは非常にとどこおりなく終わる。カナダは子どもの夏休みが長いので、こういうデイキャンプが充実しているらしい。

Nさんは私達をダウンタウンの語学学校まで案内するためにわざわざバスで来てくださったのだが、通勤時間帯だけバスがステイ先のバス停をそれて運転することがわかった。明日からがんばって歩かねば。バスをどこで降りるかは、日本のように"次○○"の表示が出ないので、景色を見て窓に垂れ下がっているヒモを引っ張って知らせねばならない。語学学校まで案内してもらって、Nさんと別れた途端、時差ボケ・睡眠不足・寒さ・緊張による疲労がどわ??っと身に押し寄せてきた。とても歩ける状態でないので帰ることにしたが、昨日渡してもらっていたバスの回数券を家に置いてきていた。小銭がなくバスに乗車拒否され、仕方なくカフェに入りお金を崩してバスで帰る。この経験から以降、後生大事に多量の小銭を持ち歩くこととなる。帰って爆睡。夕方、デイキャンプまで歩いて迎えに行く。「森の中でお弁当食べたよ!日本人、私だけやし友達でけへんかった。でもおもしろかったから明日も来たい。」と言ってくれ、ほっとする。

ディナーは野菜たっぷりスパゲティ。なんと厚揚げが入っている。このお宅、しょうゆや胡麻油、みそ、豆腐などの日本・中国系の食材がそろっていて、カリフォルニア米10キロの袋も置いてあった。鍋で簡単に炊けるのよ!と言っておられ、事実2日に1回は、ごはんだった。20年前の万博以降アジアからの移民が増え、それに伴ってこのような食材も多く出回るようになったのだとか。もうすぐ4才になる男の子の一番好きな食べ物はお寿司で、次の誕生日にはお寿司を食べに行く予定らしい。持参したおにぎり用ののりを娘と2人でパリパリおいしそうに食べていた。

8月2日(水)『白い黒クマ 』
涼しい。頭のもやは若干晴れてきた様子。朝徒歩で娘をデイキャンプに送った後、バスでダウンタウンへ。バスの"下車お知らせヒモ"を引くタイミングが難しく、かなり緊張する。語学学校は街の中心部の地下。初級クラスは母と私+韓国人中年女性。ヨン様の話をとっかかりにつたないながらも楽しく話をする。生まれ変わったら何になりたい?の質問で、母が「フラ!ダンサ?!」と踊りつきで答えたのに先生は大爆笑。帰りにドラッグストアや本屋へ入ったが、ツアー旅行しか知らなかった母は普通のお店自体が新鮮な様子。娘を迎えに行って、ギョッ。顔におそろしいペイント。ヘビつかいがやって来て、ヘビを首にかけたりさせてもらい(ひょえ??)、スタッフが皆の顔にヘビを描いてくれたらしい。「カナダ人の女の子と友達になった。」おお、よかったね。

精神年齢の低いわが娘は日本でも毎日何かになりきって、ごっこ遊びをしているが、 ここのお宅には、おもちゃコーナーに着ぐるみやドレスがたくさん置いてある。それを見るや娘の目がキラキラ。男の子と2人、毎日なにかに変身して遊んでいた。同じ年頃のお子さんのいるお宅がいいと思っていたが、幼い娘にはちょうどよかったかもしれない。ディナーの後、Deep Coveへ車で連れていってもらう。美しく入り組んだ湾にカヌーやカヤックが浮かんでいる。とにかく静かな水面。子どもたちは冷たい水に足をつけ満足気。

バンクーバーの街のあちこちには大きいクマのアートが置いてあり、Deep Coveにもあったのでホストマザーに尋ねると、「スピリットベアーよ。」スピリット・・・?聞いたら難しい話になりそうで聞けないまま日本に帰ってから調べると、『幻の白い黒クマ』のことのようだ。白い?黒クマ??黒クマ同士の交配で稀に白いクマが生まれることがあり、不思議なクマとして先住民族の言い伝えもあるらしい。このクマアートたちはチャリティーイベントの一環で、去年はキラーホエールがテーマだったとか。

8月3日(木)『危険な遊び 』
この日のデイキャンプの予定表にはMovie Matineeと書いてあった。前日「一日中映画を観てるんですか?外へ出ないで?」と確認したらやはりそうらしいので、デイキャンプは休ませて吊り橋に行くことにした。吊り橋と言っても有名なCapilanoではなく、近いLynn Canyonの方。母と娘の手前、このバスでいいんですよね?とドライバーに確認するくせがついていたが、この日のドライバーには"Are you serious? You must be joking! "と返され、一瞬唖然。すぐに大笑いされ冗談とわかったが、本気で冷汗が流れた。

さて吊り橋、母と娘は難なくクリア。高所恐怖症の私はなんとか3回目にクリア。森の中を歩いて川沿いをのぼっていくと、澄んだ水のたまっているプールのようなところに出た。高い岩場から若者たちがどんどん飛び込んでいる。おもしろがって見ていたが後からホストマザーに聞くととても危険な遊びなんだそうで、翌日の新聞にも、やっちゃいかんよという記事が載っていた。冷たい水にも関わらず、みなさん水着姿でビーチの雰囲気。・・・さむっ。体感温度が違うんだ、とつくづく感じる。

夕食の後、食器の片づけをしているハンサムなホストファーザー(しつこい?)と話をする。街はずれでホームレスの人をよく見かけたので、うちの街と同じですねと言うと、カナダは失業率が高く、バンクーバーは港湾都市なので麻薬の密輸が後を絶たず、若者にも拡がっていて社会問題になっていることを話してくれた。その後、今日は会社で上司へのプレゼンが多くて疲れた、小さい子どもは病気が多くて大変、などという話になり、どこの国のパパも同じだな?と思う。

8月4日(金)『顔がアライグマやったから』
この日から3泊、ホストファミリーは100人ぐらい!の親戚の集まりのためウィスラーへ。留守宅を預かる責任重大?な私達。今日の語学学校では、まだ20才ぐらいの韓国人の女子学生が今日のクラスメイト。なぜか幼児虐待の話題になり、敬虔なカトリック信者らしい女の子は涙ぐんだりもしていた。初級クラスでなんでこんなシリアスなテーマになるんだ?! 母は先生から年を聞かれ「ふ?む。僕の母より年齢は上なのに外国語を勉強しようという心意気が素晴らしい!」とほめていただく。

母だけ先に家に戻り、私は娘の迎えに。戻って家のドアを開けるなり、母が血相を変えて「アライグマが出た!!」・・・は?? 「帰ってほっとして座ってたら、猫の水飲み場あたりでバシャバシャッとすごい音がしてな。えっ?!と思ってガタンと椅子を引いたら、横を何者かが逃げていって、それがぱっと振り返ったら、アライグマやねん!顔がアライグマやったからアライグマやと思うで!もうびっくりしてびっくりして!!」まあ、よくあることなんちゃう?びっくりしたやろけど、ラスカルみたいで可愛いやん?と、私は呑気にしていた。

夜Nさんから、猫ちゃん帰ってますか??との電話があった。ホストファミリーが出発される時、猫が外出から帰っていなかったので、テラスのドアを少し開けたままで出発されたとのことだった。事情を話すと、アライグマが来ることはよくあるが、家の中まで来ることは、よくあることではないらしい。それに顔に似合わず凶暴らしい。・・・わわわ。

8月5日(土)『一生の思い出』
今日は念願のベリーピッキングの日。前から絵本などで見て憧れていたのだ。Nさん親子が迎えに来てくださる。こちらは長袖をしっかり2枚も着込んでいるのに、NさんはTシャツ、娘さんはタンクトップ。出発前の大阪は35度を超える酷暑だったから、私達が寒く感じるのは仕方ないかも。ファームにはクリスマスツリー畑もあってビックリ。北海道のように広大なファームで、スプリンクラーがひゅんひゅん水を撒いている。バケツを持って、いざ出陣。娘は気合い十分で首にタオルまでかけている。

日本の畑だと虫がぷんぷん飛び回っているが、気候のせいか虫はほとんど見かけない。蚊にもかまれない快適な環境でブルーベリー摘みに熱中する。娘たちはすぐに仲よくなりブルーベリーの後はラズベリー畑へ出かけていく。(Nさんの娘さん、ほんとにかわいい素敵な娘さんでした。)昼に近づくにつれ暑くなり、摘み摘み終了。摘んだベリーとコーン、白玉ねぎを購入。コーンはその日のおやつに、ベリーは冷やしたり凍らせたりして存分に食べた。ほんっと、一生の思い出になりました!

                     

夕食の用意をしていると娘が騒ぎだす。テラスの下にラクーンがまた来ているらしい。よく見ると4匹もこどもを連れている。いくら凶暴と聞いてはいても可愛い。娘ははしゃぎまわって写真を撮っている。「赤ちゃん達、おなかすいてるのかなあ・・・」というので、公園で見た看板に『野生動物にエサをやることは動物を殺すことと同じです。彼らの野性を尊重しましょう。』と書いてあったのを思い出し、娘に説明する。でもこのあたり、元々はあなた達のすみかだったはずなのに勝手に人間がやってきた訳で、エサも減ってるんだろうな、大丈夫かな?と思ったりもする。

8月6日(日)『3人寄れば・・・ 』
娘の一番希望だったシーバスに乗るため、Lonsdale Quayまでバスで行く。マーケットの中は海鮮や果物がカラフルに並び、おなかが減ってくる。対岸まで15分足らずの船旅。娘は、うっわ??都会やね?!と騒いでいる。そういえばこの子は、こちらへ来てからずっと森の中で過ごしてきたんだったな。それなら、と、目抜き通りであるRobson St.をしばらく歩き、スタンレーパークへ。今日はけっこう暑く、日差しが強い。入り口のLost Lagoonではたくさんの鳥達が近くまで寄って来て娘は興奮していた。しかしそこで道に迷い、人に聞いてようやく案内所までたどりつくが、みんなバテバテ。これ以上歩けそうにない。よし!馬車に乗ることにしよう!

馬車は公園の森の中に入っていき、途端に涼しくなる。心地よい振動に母は居眠りを始め、娘は水を飲んでほっとした顔をしている。途中、馬のために何度か休憩をとり、ガイドの女性と乗客との間で質疑応答が始まる。質問は途切れることなく、対するガイドもマシンガンのようにしゃべりつづけて答えている。日本では絶対お目にかからない光景だな、と思った。森の中でブランコに乗ったり、ミニチュア鉄道に乗ったり(これ、大人でも楽しめます。)しているうちに時間が過ぎ、バスに乗ってダウンタウンへ帰る。またシーバスに乗り、Lonsdale Quayで食事をしたところまではよかった。

まだ夕方の明るさだが、 気がつくともう20時をまわっている。「タクシーはあそこで待ってたら2、3分で来ますよ」というお店の人の言葉を信じて待つが・・・来ない。じゃあバスにしようか、とバス停に行くが、今日は日曜日。本数がかなり少ない。なんとか待って乗ったのが21時。Phibbs Exchangeでの乗り換えには間に合うだろうと思っていた。しかしこのバス、途中でエンジントラブルかなにかで乗り換えなくてはならなくなり、Phibbs Exchangeに着いた時には、乗るべきバスはすでに出た後。あたりはすっかり暮れている。次のバスは1時間後。がら?んとした、くら?いバス乗り換え所。せまりくる不安。・・・どうする?

「歩こっか?」と言ったのは娘だった。でも、道わかれへんよ。全然見当もつかへんし。「でもこんなとこで1時間も待つのはこわい!!3人で!力を合わせて!がんばってみようよ!!」と、なんだか青春ドラマで聞くようなセリフ。3人でかたく手をつなぎ、それと思わしき方向へ進む。おもしろいことに3人とも覚えている道が違い、なんとか進んでいける。3人寄れば文殊の知恵っていうけど本当ね?などと余裕がでてきた時、いよいよ道がわからなくなった。しばらく途方に暮れていたが、そこへ闇から浮かび上がるように若い女性が。「え?徒歩で行くんですか?すっごく遠いですよ?」といぶかしげにされながらも道を教えてもらい、そこからは、もうたんたんと歩くのみ。母は横で「あの女性は神の使い・・・」などとつぶやいている。1時間近くかかった夜道。たどりついて倒れ込むように寝た。土日祝は帰りのバスに御注意を!

8月7日(月)『BCデイにBCロール 』
今日はBC DayというBC州の祝日らしい。朝はゆっくり眠る。昨日のことがあったので、帰りのバスの乗り継ぎまで調べてから出発。バンクーバー美術館のショップで買い物をした後、スタンレーパーク内の水族館で長い時間過ごす。暑い日だったが、水面下が見える地下部分はソファーもあり、涼しくゆっくりくつろげた。ベルーガ・ショーの最後に大きな水しぶきをかぶって3人ともびしょぬれ。帰りはダウンタウンでお寿司を食べる。せっかくなので、BCロールなど巻物系を中心に頼む。ネタがよく、日本で食べるよりおいしい。昨日の教訓が生きて、バスの乗り継ぎはバッチリで予定の20時に帰れる。

ホストファミリーはお昼の間に帰宅されていた。ラクーンの話をすると仰天され、「本当にごめんなさい。ラクーンは可愛いけど爪が長くて怖いのよ。私だったら即ケイコに電話してるわ。私もこれまで開けっ放しで掃除したりしてたけど、気がついてなかっただけかも。気をつけなくっちゃ・・・。」などと話され、母のうろたえは大げさじゃなかったんだと思った。ホストマザーのお兄さん一家もウィスラー帰りに来られていた。ホストマザーもファーザーもビクトリア出身で、お兄さん一家はビクトリアにお住まいのようだ。折り紙をしたり、みんなのトランプの仲間に入れてもらったりして、娘は楽しい夜の時間を過ごす。姪御さんのスケート競技会用の美しい衣装も見せてもらったが、これはおばあちゃんの手作り。スパンコールつけはママの担当らしく、日本の金メダリストのお母さんと同じですね?などと話が盛り上がった。

8月8日(火)『レターの理由 』
お兄さん一家は、奥さん以外はシアトルに旅行に行かれた。イチローの試合も観る予定だとか。私達は明日にはもう帰国しなければいけない。娘はデイキャンプ、大人は語学学校へ。明日帰国するということで、けいこ&Nさんが語学学校に来てくださり、レッスン前にしばし歓談する。今日のクラスで一緒になったのは私達よりずっと上手な韓国人の男子学生2人。楽しい先生だったが、なぜ下駄には歯があるか?舞妓サンの"こっぽり"の話からフェミニズムにまで話が飛び、私のつたない英語力ではお手上げである。が、韓国の社会事情や若い男性の感覚を知ることができて興味深かった。デイキャンプに早めに迎えに行く。今日はバスで科学館のようなところへ行ったらしい。「今日で最後やから友達にあいさつしてきて」と言うと、何人かにBye! See you! などとやっている。なにはともあれ最後まで通えてよかった。

夕食前になんとか荷造りが済み、ホストマザーとお義姉さんと話をして、料理のレシピなどを教えてもらう。途中お兄さんから電話が入り、シアトルではショッピングを楽しんでおられる様子だったが、お義姉さんはレターを渡しておけばよかったどうこうと言っておられる。離婚した後、片方の親がもうひとりの親に無断で子どもを連れて国境を越え(て逃げ)るというようなことが増えているらしい。シアトルは近いと言えどアメリカなので、単親で子どもを連れて旅行する場合は、片方の親からの手紙を持っていた方がいいとのことだった。

8月9日(水)『マザー』
帰国の日。ホストファーザーの出社時間はいつも早いが、皆で写真を撮れるよう今日は少しゆっくりめに出てくださるという。「会社は少しぐらい遅れてもいいからね。」ホストファミリーの開放的で温かい人柄にステイ中どれだけ救われたことだろう。出発までみんなで話をして過ごす。お義姉さんは、「ビクトリアは本当に美しい街だから、今度は是非うちの家に泊まりに来てちょうだい。家は広いから大丈夫。島の観光には2?3日はいるわね・・・・」などと話してくださる。姪御さんはミサンガを娘の手首に巻いて、"For our friendship!" 娘は感激のあまり固まっていた。最後にホストマザーとハグし合う。ゆったりした気持ちになれ、私より年下だけど"マザー"だなと思う。

帰りも行きと同じタフな女性ドライバーで、空港内のチェックインまでつきあってくださる。2階のガラス窓から1階の荷物受け取りのレーンが回っているのを見下ろしながら、あそこで荷物を待っていたのが1日前のことのようにも1年前のことのようにも思えた。
         
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日本に帰国してから母は「人生観変わった。本当にいい旅をさせてもらった。」が口癖で、次またいつか行きたい、と細々英語の勉強をしています。娘は、話すことは十分でないもののデイキャンプでの先生や友達の言うことはほとんど理解でき楽しく過ごせたことに自信を持ったようです。快く送りだしてくれた夫に感謝、お金を貯めて今度は夫も一緒に行けたらいいな、と私は夢をふくらませています。

2006年7月末から10日間、ママとグランマと8歳のお嬢さんが、カナダ人宅でホームステイを体験されました。   

この体験談は、本来なら昨年中に掲載する予定でしたが、パソコンが壊れ、もう取り出せない状態から、最近専門家の方が取り出してくれた貴重な体験談です。マドレーヌさん、本当にお時間がかかってしまってすみませんでした。フロム・ウエストにとって、この時初めて親子3代のステイ。本当にありがとうございました。けいこママより


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