カナダの西の玄関バンクーバーは、海あり山ありと、世界中の観光客を大満足させてくれる風光明媚なcity。日帰りで、山肌の凄みから水平線の美しさまでを堪能したいという方に、特にお薦めなのが、この蒸気機関車「ロイヤル・ハドソン」号で行く鉄道の旅。

午前１０時ノースバンクーバーのBC鉄道駅を出発１２時スコーミッシュ着。同地に２時間滞在後、再び乗車し帰路へ。午後４時ノースバンクーバーに戻るという所要時間６時間の旅。ただし、運行は１日１本なので、帰りはくれぐれも乗り遅れないように気をつけて。

[左側に座ろう] 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

出発は午前１０時ちょうどだが、駅へは早めに到着したい。 係員に カメラを見せると、笑顔で機関車の先頭を教えてくれる。列車の脇を歩くと、想像以上に高さがあり、枕木の間隔が広いことに気づくだろう。凛々しいという言葉がぴったりのfaceは、見る者の心に何ともいえない郷愁を感じさせ、胸を熱くする・・。いつまでも離れたくない心境だが、ぼやぼやしていてはいけない。パーラークラス以外は自由席のため、乗車する際、入り口で並ばなければならないからだ。目指すは、進行方向左の座席。というのは、右側は山で、こちらだとハウ海峡に浮かぶ島々が間近に見えない。
汽笛が鳴る。さあ、出発だ。

[名付け親はエリザベス女王]

１９３９年キング・ジョージとエリザベス女王が蒸気機関車ハドソン号に乗って、カナダを旅行した時に「ロイヤル・ハドソン」という称号を与えたという由緒ある機関車なのだ。１９７４年に再び走るようになってから今日まで２６周年を迎えた。

[お食事付きはパーラークラス]

車窓からハウ海峡を眺めながら、ゆっくりグラスを傾けたい・・そんな映画のようなシーンを実現するなら、パーラークラスがお薦め。電話予約する際に、海側を指定するのを忘れずに。１つのテーブルは４人掛けなので、グループに最適。座席指定なので、出発前に余裕で機関車の写真撮影ができるのも、このパーラークラスの利点だ。列車が動き出したと同時に、料理が次々と運ばれてくる。なんとなく、気忙しいが、目的地までの２時間以内に食事を済ませるのだから、そう考えると納得。サーモン、チキンなどメニューの選択があり、ドリンクはアルコール以外おかわり自由。料理の味はまあまあだが、パンが素晴らしくおいしい。食後は続きの車両で、のんびり景色を眺めながら過ごそう。このパーラークラスを予約すると帰りも座席指定になり、アフタヌーンティーとマフィンなどのデザートが準備されている。

[スコーミッシュ]

今回の旅の目的地、スコーミッシュ。ノースバンクーバーから４０マイル離れた小さな町だが、素晴らしい自然の宝庫だ。スキー・釣り・マウンテンバイク・ロッククライミング・ゴルフなどを楽しむことができ、「レクリエーション天国」とか「アウトドアアドベンチャーのメッカ」という別名をもつのも頷ける。滞在時間はわずか２時間。さあ、どこに行こうか。
見所はシャノン滝や鉄道博物館など。滝へは、送迎バスが駅前より運行されている（別料金）。滝は急流で想像以上に迫力がある。スコーミッシュについては、線路際のビジター・インフォセンター（37950 Cleveland Ave.）で、スタッフに質問したり、パンフレットを入手できる。町をぐるっと廻りたい人は、駅前に停まっているタクシーを利用するのがよいかも。日本レストランも１店ある。帰りの出発時刻は２時。
同じ列車に乗って帰るので、やはり早めに駅に戻ろう。

BC鉄道に関する情報は　
(604)984-5618(英語）

(photo by k.nakagomi)