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鳩山由紀夫 リベラルの証明 。

09年05月14日

No.1164

私はいま非常に忙しくて、テレビを見ている暇がない。株価は上昇しているようだが、実体経済の落ち込みは酷いのではないか。タクシーに乗った時、私は必ず「(タクシーの景気は)どうせすか」と訊く。答えは決まっている。「お客さん、話にもなりませんよ」だ。白川勝彦法律事務所が忙しいのは、債務整理の案件の増加である。給料は下がり、リストラされ、どうにもならなくなったとの悲鳴である。そんな人には、自公“合体”政権が得意げに喧伝している史上最大の14兆円の補正予算など何らの助けにもならないのだ

全国各地で違法な職務質問が行われている。私のサイトは、職務質問の相談が引きも切らない。私自身が渋谷で受けた職務質問の実態を書いた「忍び寄る警察国家の影」は、職務質問を受けて憤懣やるかたない人々にとって、ひとつのバイブル(?)になっているようだ(笑)。メールでも多くの相談を受ける。警察国家だけではなく検察国家たることを如実に示したのが、今回の小沢事件であった。

最近の裁判所は、検察の言いなりだ。裁判所として警察や検察の横暴をチェックする機能をまったく果たしていないといってよい。警察や検察の行為にお墨付きを与える機関に堕しているというのが実情である。この半年間、私はある刑事事件の控訴審を担当している。一審は懲役3年の実刑判決であった。控訴審から弁護に入った私たちは、全面無罪を主張している。来週の月曜日(5月18日)午後2時30分から東京高等裁判所622号法廷で、最終弁論が行われる。この裁判を見ていただければ、現在の裁判の実態が分かっていただける筈である。関心と時間のある人から傍聴して頂ければ幸いである。

以上を要約すれば、いまわが国に求められるのは“リベラル”ということに尽きる。リベラルはひとつの理念である。私は一人のリベラリストとして、国会議員だった時いろいろな活動・行動をした。その中で最も困難な闘いだったのが、“スパイ防止法案”に対する反対であった。私は法律家の力を借りてスパイ防止法案に対する反対意見書(後記 参考に添付)を作成し、仲間12名と共に党の内外に発表した。当選したばかりの田中派所属議員だった鳩山由紀夫氏もその一人であった。鳩山氏は筋金入りのリベラルとの信頼感が私にはある

リベラリストたる鳩山氏にとって、小沢一郎氏に対して自公“合体”政権が仕掛けた卑劣な行為は許すことができなかったと思う。だから黙々と小沢氏を支えてのだろう。前原氏などは“検察批判は如何なものか”といった。検察によって党首が抹殺されようとしているのに、それはないだろう。鳩山氏の専門はは物理である。口では上手く言えず、かつ党全体として検察の卑劣な攻撃と闘う雰囲気がなかったので、悶々としていたと思う。察するにあまりある。以上が、私が鳩山由紀夫氏を“新”民主党代表に推薦する第一の理由である

それでは、また。


参考 : スパイ防止法案について 

白川勝彦著 『戦うリベラル』からの引用]

「スパイ防止法」問題というのは本当につらい戦いでした。

「日本にはスパイがいっぱいいる。おまえ、スパイがいていいのか?」「あなた、自民党員なのになぜスパイを取り締まらないの?」こういう言い方をされるので、非常につらいのです。スパイがいいなんていう人はいません。だからスパイ防止法が必要だ、スパイ防止法を制定しようと話をたたみこんでくるわけですが、事はそんなに簡単な話ではないのです。

昭和六十年六月に、自民党から「国家秘密に係わるスパイ行為等の防止に関する法律案」が通常国会に提出されました。しかし、この法案については、国民やマスコミ、野党から強い反対が出され、結局、昭和六十年十二月の臨時国会で廃案になりました。

自民党としては、国民の理解と協力が得られるような法案にしなければ、とうていこの法案を国会で通過させることができないということで、これを全面的に見直すために、新たにスパイ防止法制定特別委員会をつくり、松永光代議士が委員長に就任したわけです。松永委員会は昭和六十一年秋から活動をはじめたのですが、私も、この委員会にも何度か出席しました。

委員会に出席しているみなさん方は、スパイ防止法を何としても制定しなければならない、こういう立場の方々がほとんどです。そういう雰囲気のところで、一条ずつ問題にしても仕方がないですから、まず、「皆さんまとめられたらどうですか。全体を見させていただいてから、それについて私は意見を申し上げさせていただきます」とあらかじめ言ったのです。それはそうだということで、松永委員長が中心になって一つの案をまとめることになりました。そして、昭和六十年十月ごろ、松永委員長が中心となって一つの案をまとめました。

私は正式なメンバーでもありますから、松永案に対しては全体にわたって意見を開陳しようとしました。そうしたら、「白川君、意見があったら文書で出してくれ」というのです。自民党では、反対意見があったら、自由に部会や委員会で発言できるというのが原則なのです。ですから意見があったら文書で出せというのは、ずいぶん乱暴な言い方です。 

しかし、ここで党の案として決まってしまうわけではないので、いずれは政策審議会でも議論されるだろうし、総務会でも議論されることになるのだから、私は、そのときの、そういう方々のために、どういう点が問題なのか意見書を出しておいたほうがいいと思ったので出すことにしました。どうせ意見書をだすのならば、一人でなく数人のほうが良いと思い、私が気心を許せる人に相談して、賛同を得て提出することにしました。五日間という、きわめて限られた時間で、とり急いで意見書をまとめました。

野党の議員のなかでさえ、スパイ防止法は必要だという人に私は何度も会ったことがあります。それだけに、自民党の国会議員がスパイ防止法に批判的であるということは、その政治家の政治的生命すら危うくなることがあります。しかし、この辺に、リベラリストであるか否かの分岐点があるのです。ちょっと専門的になりますが、大事なところですから、私たちが昭和六十年十一月十八日に提出した「意見書」の全文を掲げます。ただ、どうも法律は苦手だという人は、とばして読んでいただいても結構です。


「防衛秘密に係わるスパイ行為等の防止に関する法律案」に対する意見書

衆議院議員 大島 理森
衆議院議員 太田 誠一
衆議院議員 熊谷 弘
衆議院議員 熊川 次男
衆議院議員 白川 勝彦
衆議院議員 杉浦 正健
衆議院議員 谷垣 禎一
衆議院議員 鳩山 由紀夫
衆議院議員 村上 誠一郎
衆議院議員 谷津 義男
参議院議員 石井 一二
参議院議員 佐藤 栄佐久

Ⅰ はじめに(自由主義国家における防衛秘密)

我が国の独立と安全を守る為、防衛秘密が存在し、これを保護することの重要性を我々は深く認識するものである。

一方、自由主義国家においては、国民が主権者として国政に関する情報を集め、利用する権利は基本的に保障されていなければならず、国政の重要な要素たる防衛に関する情報も、その例外たりえない。この二つの基本的視点を踏まえるとき、「スパイ防止法」を制定する場合には何を守り何を処罰しようとするのかを明確に限定し、その目的に対し効果的な方策をたてるとともに、自由主義社会にとって弊害のないものをしなければならない。

Ⅱ 問題点の整理

我が国の防衛秘密に関する問題点を整理すると以下のとおりである。

1 有事の場合

スパイの処罰が最も問題となる有事の際(戦時)については刑法に外患援助罪(八十二条)がある。これは「外国の武力行使があった時これに軍事上の利益を与えた者を死刑無期、二年以上の懲役に処する」という規定があり、諸外国と比べても包括的であり処罰も重いものである。

2 平時の場合

(1) 情報収集活動

問題として指摘される一つは、スパイ問題であり、これは違法性の高い情報の探知、収集行為につき、なんらかの処罰が必要ではないかということである。

自由主義社会においては、国民が主権者として国政に関する情報(防衛に関する情報を含む)を集め、利用する行為は本来自由である。

従って、この例外として違法性の高い情報収集行為をスパイ行為として処罰する場合があっても、その行為の目的・行為の態様・情報の内容・通報の相手方を明確する必要がある。

(2) 秘密漏示行為

公務員については防衛に関する職務に従事する者が、職務上知りえた防衛秘密を漏示することについては、国家公務員法・地方公務員法および自衛隊法等により、守秘義務違反という観点から刑罰が科せられている。この規定は防衛秘密の保護の機能を十分果たしてきたと考える。

非公務員については、少なくとも職務上防衛秘密に従事する者の防衛秘密漏示行為につき、何らかの処罰が必要なのでないかということである。かかる場合については、国家公務員法、自衛隊法等との権衝を考慮して別途法規制を考えるべきである。

なお、公務員および非公務員を問わず、秘密漏示行為のうち違法性の高い行為については、スパイの共同正犯、共犯として処罰することができる。

Ⅲ 処罰するスパイ行為の属性

1 以上のように問題を整理するとき「スパイ防止法」によって対処すべきものは、国民が主権者として国政に関する情報を集め、利用する行為のうち違法性の高い行為(スパイ行為)であり、かつ、これに限定すべきである。

そこで、処罰の対処すべき、スパイ行為の概念を明確にする必要があるが、諸外国の法制を参考にし、我が国の国民意識を斟酌して考えるとき、処罰されるスパイ行為には少なくとも次のような属性がなければならないと思料する。

(1) 行為の目的

本法案では。「外国に通報する目的」と規定されており、外国に情報を提供することがすべて違法なものとなっている。スパイ行為というためには、「外国の利益をはかり、又は日本国の利益を害する目的」等の意図のあることが最低限必要であろう。

(2) 行為の態様

スパイ行為の態様は、やはり「違法」もしくは「不法」な方法による秘密の探知・収集に限られるべきものであろう。

本法案では「外国に通報する目的で防衛秘密を探知・収集する行為」は、その行為の態様を問わず、すべてスパイ行為とされている。

なお、本法案に「不当な方法」との文言があるが、これは、すべて外国に通報する目的のない防衛秘密の探知・収集行為(即ち、我々の見解によれば、スパイ行為とはいいえない行為)にかかる用件である。

(3) 情報の内容

スパイが探知、収集する情報の内容についても「我が国の安全を害するおそれのある防衛上の重大な秘密」等の限定が加えられるべきである。

本法案では「我が国の防衛上秘匿することを要し、かつ公になっていないもの」とされているが、どの程度に機密性の高いものを防衛秘密とするのか判断基準が不明確である。

(4) 通報の相手先

スパイ行為の通報の相手方としての「外国」は、外国政府およびこれに準ずるものと解されるが、本法案では「外国のために行動する者を含む」とされており、その範囲が不明確である。

2 「スパイ天国」といわれる我が国の現状を憂慮し、スパイ行為を防止することが本法案の目的であるならば、本法案は以上のスパイ行為の属性を踏まえ、スパイ防止法として、より純化すべきものである。

このような立場から本法案を検討すると次のような問題点がある。

(1) 「不当な方法で防衛秘密を探知・収集する行為」(六条一号)などは、前述した行為の目的を欠いている点において他の要件を検討するまでもなく、本来スパイ行為といえない行為もが処罰の対象となってしまう。

また「外国に通報する目的をもって、防衛秘密を探知・収集し、これを外国に通報する行為」(四条一号)などは、外国の外交官やジャーナリストが正当な方法で行う情報収集活動をも処罰の対象とするものであり検討しなければならない。

(2) 「防衛秘密を取り扱うことを業務とし、又は、業務としていた者で、その業務により知徳し、又は、領有した防衛秘密を他人に漏らす行為」(六条二号)および「それ以外の業務により知徳し、又は、領有した防衛秘密を他人に漏らす行為」(七条)は、本来のスパイ行為を処罰しようというものではなく、漏示行為を処罰しようというものである。

(3) 本法案九条は、「防衛秘密を取り扱うことを業務とし、又は業務としていた者で、その業務より知徳し、又は領有した防衛秘密を過失により他人に漏らす行為」を処罰しているが、主体を限定してはいるものの過失による漏示を処罰の対象とするもので、故意犯を本旨とするスパイ行為とは全く異質のものである。

Ⅳ 構成要件の明確化

違法性の高い情報収集行為―スパイ行為を処罰の対象とする場合であっても、その構成要件は明確なものでなければならない。またその範囲も必要最小限度のものにしなければならない。

本来自由である国民が主権者として国政に関する情報を集め、利用する行為の例外としてこれを制限するものである以上、スパイ行為の構成要件は特に厳格に定めなければならず、いやしくも、国民が主権者として国政に関する情報を集め、利用する権利が不当に干渉されるものであってはならない。スパイ行為の構成要件を定めるにあたっては、前項で述べたように、目的・行為の態様・情報の内容・相手方について、明確な限定が必要である。前述したとおり、その点において本法案の限定は不明確な点があるが、この外にも次のような問題もある。

(1) 本法案三条は防衛秘密の指定について縷々規定を設けている。

「秘密指定制度」は、本来、秘密の過剰乱用を防止する意味をもつものであるが、本法案の「秘密指定制度」は、二条一項の定義規定とどう関連するかが不明であり、そのために、秘密を限定する役割を必ずしも果たしていない。のみならず、三条によれば、その指定主体が広範であり、かつその指定・解除の基準、手続きが何も示されておらず、国の行政機関の長に対する訓示規定としてしか機能していない点でも、防衛秘密を限定し、構成要素を明確化するものとはいえない。

(2) 「不当な方法で防衛秘密を探知・収集する行為」(四条一号未遂、五条一号)は前述のとおり、これは本来のスパイ行為とは範疇を異にするが、この点を除いても「不当な方法」の概念は「法令に違反し、対価を供与し、偽計を用い、又は秘匿状態にある文書・図画をみだりに開披する等」と例示されてはいるものの、結局は「社会通念上是認することのできない方法」という不明確なものである。

しかも「不当な方法」の概念は、「違法な方法」ないし「不法な方法」の概念と異なり、その当否の判断には常に主観的な価値判断を伴い、宿命的な恣意性を排除できない性格を持っている。これを構成要件の要素として取り込むことは問題が多いといわなければならない。

また「不当な方法で探知・収集し、または業務上知得、領有した防衛秘密を外国に通報する行為」(四条)が、スパイ行為と同等に処罰されているが、少なくとも、その通報行為には「外国の利益をはかり、又は日本国の利益を害する」程度の目的がある場合のみに限定する必要があると思料する。

さらに「外国への通報」が、我が国における「公表」は通報にふくまれないとするならば、本法案十三条二号出版・報道機関の防衛秘密の公表に関する免責条項そのものが、その存在理由を失う。

(3)本法案十条では、以上述べてきたようにその構成要件に問題の多い四条ないし七条の罪の陰謀・せん動・独立の教唆が処罰の対象とされているため、本法案による処罰の範囲は著しく拡大されている。またかかる行為の構成要件も明確とはいいがたい。

Ⅴ 政府提出法案が妥当

本法案は、自由主義国家の基本に関わる法案である。そしてここで扱われる防衛秘密は政府の創出、保持するものである。また秘密の保持は本来政府の責任において行うべきものである。さらにこのような我が国の基本にかかわる重要な法案については、我が党と政府との従前の慣行からして、政府提出法案とするのが妥当であると思料する。

Ⅵ おわりに

わが国の独立と安全を守り、国際社会への義務を果たすため、本法案の作成に携われた諸先輩の努力に対し、我々は心から敬意を表するものである。しかし、本法案には、以上述べたような問題があり、これらの点にさらに慎重な検討を加え、本法案がより我が国の独立と安全および国民の利益に資する法案となることを願うものである。

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