西日本新聞

夜間の救急診療所 開設50日 宮崎・日向市 開業医が輪番、設備整備も進むが 患者少なく認知度課題

2009年5月22日 00:58 カテゴリー:九州・山口 > 宮崎
平日夜間の救急診療を担う宮崎県日向市初期救急診療所。19日には診療開始直後に、救急車で患者が運び込まれた

 医師不足に悩む地域の夜間救急医療を担おうと、宮崎県の日向市・東臼杵郡医師会(甲斐文明会長)などが同市北町で運営する初期救急診療所が20日で開設50日を迎えた。新型インフルエンザ用の薬や防護服も届き、設備は整いつつあるが、訪れる患者は1日当たり1、2人。認知度アップが課題になっている。

 19日、午後7時半。診療所に救急車が駆け込んだ。患者は市内の男子高校生。バスケットボールの練習中に倒れた。当番医の甲斐会長らが慌ただしく動き回る。診断結果は過呼吸。まもなく回復し、待合室の両親が安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 同市と周辺4町村の夜間救急はこれまで、規模の大きい民間3病院が担ってきた。医師不足の中、3病院の負担を減らそうと、医師会と市が協議を重ね、4月、診療所開設にこぎつけた。設置を決めた医師会総会は、全員が賛成だった。

 診療は平日午後7時半から同9時半。医師約50人が月1回ほどの当番をこなしており、自分の病院の診療を終えてから駆け付けている。

   ■   ■

 だが、スタート直後の4月4日、平日ではなかったが、日向市内で心肺停止状態になった門川町の男性(65)=当時=が、7医療機関から受け入れを断られる問題が起きた。「遺族に申し訳ない気持ちと、なぜという悔しさがこみ上げた」。甲斐会長は話す。

 日向市は今後、回覧板などでPRを強化、同市消防本部も当番医の専門分野と患者の症状が合えば、診療所への搬送を増やす方針。地元の高齢者施設からは「必ず診てもらえる診療所があると、安心できる」との声も寄せられている。

 同医師会は6月の総会で診療所の運用向上策を協議する。甲斐会長は「診療所はこれからが勝負。取り組みを充実させたい」と話している。

=2009/05/22付 西日本新聞朝刊=

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