今年3月、アジア最大規模をうたい華麗にオープンした釜山の新世界百貨店センタムシティー店で最近、
アイスリンクの氷が溶け、映画館の天井が崩れるなど、手抜き工事の問題が起きています。
同店の4階にあるアイスリンクは、海雲台の沖合いの眺めを満喫できるよう全面ガラスで設計されまし
たが、これが問題でした。開場直後から、暖かい日差しがガラス窓からそのまま室内に注ぎ、氷が溶け始
めたのです。これに加え、リンク周辺に設けられたレストラン街で調理の際に発生する熱も、氷を溶かす
原因の一つになりました。
アイスリンクの利用客からは「転ぶと服がぬれる」といった不満の声が上がり始めました。結局、新世
界百貨店は先月21日から1週間、アイスリンクを閉鎖し、緊急の補修作業を行いました。もちろんこの期間
中、会員らはスケートの講習を受けることができませんでした。いったん補修作業は終了したものの、会員
たちは真夏の暑さを無事に乗り切ることができるのか心配しています。
さらに「11.1チャンネル」を誇る8階の映画館でも事故が起こりました。11.1チャンネルとは、スピーカ
ーが11個設置され、立体的な音響を楽しめるというものです。一般の映画館は大半が5.1チャンネル・シス
テムを採用しています。
この11.1チャンネル映画館で先月25日午前11時40分ごろ、天井から「バキバキ」という音と共に長さ10メー
トル、幅1メートルほどの石こうボードが70センチほど落下し、資材くずが座席に散乱しました。幸いけが人
はいませんでしたが、その日の午後、映画を見に来た予約客は引き返すことを余儀なくされました。
新世界百貨店の関係者は、「アイスリンクは熱を遮断するガラスに取り換えた。映画館は映画館側が工事
した部分だが、11.1チャンネルに合った仕上げ材を使用、再処理したため、これ以上問題は起きないだろう」
と説明しました。
しかし業界では、「新世界百貨店が外見の見た目に力を入れすぎて、基本にいい加減だったのではないか」
という指摘が出ています。「中身が充実してこそ外見が光る」という平凡な真理を、新世界百貨店はしばし忘
れていたのではないでしょうか。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2009/05/21 13:38:54
http://www.chosunonline.com/news/20090521000057