2009年4月21日0時5分
15.4兆円の財政支出を伴う追加経済対策案が政府から発表された。雇用、金融対策から、未来に向けた投資、税制改革まで、あらゆる政策を総動員して景気の底割れを防ぎ、来年後半には再び経済を成長軌道に乗せようというものである。
一部には総花的との批判もある。だが中には、環境負荷の少ない自動車や家電製品への買い替えを促すための補助制度など、低炭素化社会の実現と消費拡大の一石二鳥を狙ったものも含まれている。
とくに、省エネ性能の高い家電製品の購入者への補助制度は、これまでにない目新しい仕組みである。
使用電力量などにおいて一定の基準を満たす冷蔵庫やエアコン、テレビなどを購入した消費者に、購入価格の5%をエコポイントとして還元。他の製品購入時に使用できるようにするものだ。家電量販店と同じ仕組みを国全体で実施するというわけだ。
単純に購入価格の一部を補助金で値引きするのではなく、さらに別の消費に回してもらおうという考えに、政府としての工夫のあとが見られる。
一方で、実施にあたっては、還元されたポイントの管理の仕組みやポイントの使い方、対象となる商品の選定など、解決しなければならない課題も多い。政府は、これから業界と連携して具体的な仕組みを検討する方針である。
いずれにしても、こうした目新しい仕組みも含む過去最大の追加予算案を、一刻も早く承認し、実行することが不可欠だ。
政府・与党は月末にも国会に提出する方針のようだが、衆議院の解散もうわさされる微妙な時期だけに、妙な政争によって実施が遅れることがないことを願いたい。(H)