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大田暴力デモ:「竹やり」対応訓練に励む警察官(下)

顔に向けて突き刺せば鉄網も意味なし

 隊員たちはほこりを立てながら数十回にわたり、芝の広場を行き来した。実戦のように竹やりで鎮圧組を突き刺すようなことは、もちろんなかった。訓練中に不祥事を起こさないためだ。鎮圧組の義務警察官らは顔面を守るための鉄網を着用していた。竹やりで顔面を突き刺す攻撃には、鉄網もそれほど意味がない。

 警察は鉄網ではなく、特殊な材質の透明なプラスチックを装着した新型の防護帽を2007年から使用しているが、予算の関係上、2000個ほどしか現場に配られていない。義務警察官は現在3万人ほどいるため、全体には到底行き渡らない状況だ。

 キム・ジンピョ団長は「竹やりが登場したため、それに備えるための訓練をしないわけにはいかない。しかし今、この時代になって竹やり攻撃を防ぐための訓練を受ける隊員の姿をみると、それだけで何だか悲しく、また別世界の出来事のようにも感じる」と語った。

 貨物連隊による集会で右腕を骨折した義務警察官のチョン・ジュファンさん(22)は、仲間が訓練を受けている間、バスの中で待機していた。チョンさんは「(デモのときは)後退する途中、すぐ横にいたデモ隊から竹の棒で殴られた。正直言うと、とても恐ろしかった」と語る。デモ隊役のソン・インファンさん(22)は「とてもじゃないが、力いっぱい叩くことはできない。今日鎮圧組に竹の棒を振り下ろしながら、“本当のデモ隊たちは、何を思ってわたしたちに殴りかかったのだろうか”と考えた」と話した。

 朝9時から始まった訓練は夕方5時まで続いた。チャン・ジョンベ本部長は「22日にはソウル市内中心部で金属労組の集会が予定されている。ここでもデモ隊が警察を相手に竹やりを振りかざすなら、絶対に許すことはできない」と述べた。

20日午後、京畿道高陽市のソウル警察修練場で竹棒対応訓練に臨んだ義務警察官たちが、水を飲んだり地面に横になって休んでいる。この日義務警察官たちは、昼間の最高気温が27度まで上がる暑さの中で、分厚い鎮圧服姿で7時間にわたり、訓練に参加した。/写真=チェ・スンウ記者

パク・スンチャン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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