韓国政府は20日、「集会及び示威（デモ）に関する法律」（集示法）に基づき、違法な暴力デモに発展することが予想される都心での大規模な集会は原則として許可しない方針を打ち出した。また、全国運輸産業労働組合貨物連帯（貨物連帯）による運送業務のボイコットに参加したトラック運転手に対しては、運転免許の停止や取り消し、運送事業許可の取り消しなど、厳しい制裁措置を講じる意向だ。

　政府はこの日、ソウル・世宗路の政府中央庁舎で、韓昇洙（ハン・スンス）首相の主宰による関係省庁閣僚会議を開き、このような方針を決めた。法務部と警察庁は会議の席上、「今月16日に大田市の中心部で行われた“竹やりデモ”に関与した者は全員検挙し、刑事手続きを取る一方、デモに伴う警察官らの被害については、民事上の損害賠償を請求する方針だ」と述べた。また、「違法なデモに参加した者は現場で検挙するよう努め、検挙できなかった場合は徹底的な証拠の収集を通じて必ず刑事訴追する」とした。

　韓首相は「組織的な運送業務のボイコットに参加したトラック運転手に対しては、軽油価格に対する補助金など、政府による各種の支援を中止することを含め、厳しい制裁措置を講じざるを得ない」と述べた。

　一方、大田地方警察庁は、今月16日に大田市の中心部で行われた「竹やりデモ」に関連し、貨物連帯の事務所に対する家宅捜索を行ったのに続き、全国民主労働組合総連盟（民主労総）の執行部に対する事情聴取を行う方針を固めるなど、捜査の範囲を拡大している。

　警察は20日、暴力デモを主導した疑いで、イム・ソンギュ委員長など民主労総の幹部6人に対し出頭を求めた、と発表した。警察は民主労総の執行部が3回以上出頭要請に応じない場合、逮捕状を請求することを検討している。

　また警察は、暴力デモに加担し、竹やりなどを使って警察官たちに暴行を加えた疑いで、ユン容疑者（47）ら20人を逮捕するとともに、逮捕状の請求を棄却された12人についてはいったん書類送検した。このほか、警察は暴力デモを主導した運輸労組のキム・ジョンイン委員長、貨物連帯のキム・ダルシク本部長など民主労総の幹部7人について、逮捕状が発行され次第逮捕する方針だ。

安勇炫（アン・ヨンヒョン）記者