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新型インフルエンザ:感染、食い止めろ 1週間の休校/マスクで出勤/電話相談急増

 感染を防ぐ動きが本格的に始まった。首都圏で新型インフルエンザ感染が確認されてから一夜明けた21日朝、患者の高校2年生2人が通う洗足学園(川崎市)が、学園全体の休校を決めた。駅にはマスクを着けて職場や学校に向かう人たちの姿が目立ち、店には「売り切れ」の張り紙が出された。日常生活への影響を心配する人も多いが、「大丈夫だと思う」と冷静に受け止める声も聞かれた。

 ■洗足学園

 同学園は21日未明、同じ敷地内にある付属幼稚園や小学校、中学・高校、音楽大など(園児、児童、生徒、学生数計約5000人)すべての施設を27日まで1週間休校とすることを決めた。朝から報道陣が詰め掛けた正門前には「新型インフルエンザ発生により、臨時休講とします」との紙が張られた。

 21日午前、記者会見した前田隆芳校長は「感染は限りなくゼロに近いと思うが、混乱することがないよう時間を空けたい」と休校の理由を説明した。

 八王子市の女子生徒からは21日朝、母親を通じ「周りの人や先生方に本当に申し訳なかったと伝えてほしい」と伝言があったという。会見の中で前田校長が、涙をぬぐう場面もあった。

 生徒たちが参加した「模擬国連」が行われた米ニューヨークに、生徒たちはマスクと消毒液などを持参し、食事のとき以外の大半はマスクをしていたという。移動はタクシーを使っていた。帰国後、八王子以外の生徒5人は、東急田園都市線たまプラーザ駅(横浜市青葉区)までリムジンバスに同乗し、全員マスクをしていた。

 ■保健所など

 一方、感染した女子生徒が住む八王子市の市保健所には、午前5時ごろから、市民からの問い合わせの電話が相次いだ。1時間あたり30~40本の電話に対し、職員計約40人が対応に当たった。

 この女子生徒が成田空港から自宅に帰る途中に利用した京王多摩センター駅(多摩市)。八王子市に住む私立高1年の男子生徒(15)は「今日初めてマスクを着けて登校した」と話した。駅構内の売店では、マスクが20日から売り切れ状態。

 洗足学園に最寄りの田園都市線溝の口駅では、30代の女性会社員が「川崎に患者が出たことは、ちょっとショック」と話した。一方、マスクを着けず足早に改札口を出た男性会社員(26)は「騒ぎすぎだと思う」と話した。

 ■新宿駅

 JR、私鉄、地下鉄が乗り入れ、乗客の多い新宿駅。JRの西口改札では、スーツ姿の通勤客にマスク着用の姿が目立った。構内にあるドラッグストアでは「マスク売り切れました」の張り紙が掲示されていた。100個程度入荷しても、1時間ほどで売り切れる。

 ◇私立2校も休校

 市内在住者から感染者が出た川崎市、八王子市とも公立学校の休校措置は取らないことを決めた。しかし、川崎市内にある私立の中高一貫校1校は21日に限って休校とした。また、八王子市内にある私立の中高一貫校1校は21日から23日まで休校とすることを決めた。

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 ◇新型インフルエンザ相談窓口

 ▽厚生労働省 03・3501・9031(午前9時~午後9時)

 ※全国の保健所でも対応

 ▽外務省 03・3580・3311内線4101、4102(午前9時~午後5時、平日のみ)

 ▽文部科学省 03・6734・2957(午前9時~午後6時半)

毎日新聞 2009年5月21日 東京夕刊

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