08年度改定は負担軽減に影響なし―中医協
5月20日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)の総会では、2008年度診療報酬改定の結果の検証について、08年度に実施した「病院勤務医の負担軽減の実態調査」など5調査の報告書が、診療報酬改定結果検証部会から提出された。委員からは、病院勤務医の負担軽減を目指した08年度改定は医療の現場にほとんど影響を与えなかったとの意見が出た。
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4月22日の中医協
邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)は、5調査を見ると、「08年度改定は医療の現場にほとんど影響を与えなかったのではないか」と述べた。
竹嶋康弘委員(日医副会長)もこの意見に賛同。その上で、1年前と比較して医師個人の勤務状況が「改善した」「どちらかといえば改善した」と回答した割合が、医師責任者で13.2%、医師で14.3%だったのに対し、「悪化した」「どちらかといえば悪化した」と回答した割合が、医師責任者で37.8%、医師で34.8%だったという検証結果を挙げ、「『改善した』と考えられる方が14%いないということは、改善されていないというふうに認識するが、それでいいか」と述べた。
庄司洋子委員(立教大大学院教授)も、「この数字は最も深刻な数字だと思う」とし、「そういうこと(08年度改定で行った軽減策)では間に合わないような何かが、さらに起こっている」との認識を示した。
中川俊男委員(日医常任理事)は、「今回の改定ではほとんど変化がなかった。影響がなかったというのはまさにその通りだと思う」と語り、「わずかな財源で勤務医に手当てしても駄目だということが明確になったということが、今回の検証部会の結果」とした。さらに中川氏は、「しっかりとした引き上げ財源を持って次期改定に臨むという姿勢を総会の場で認識できたのではないか」と強調した。
更新:2009/05/20 20:59 キャリアブレイン
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