【経済】廃石こうボード再利用 ダイセキ、国内最大級施設建設2009年5月21日 朝刊
廃棄物処理業のダイセキ(名古屋市)は、住宅建材の石こうボードをリサイクルする事業をグループ会社で始めた。石こうボードは廃棄物の急増でその処理が課題となっている。このため国内最大級の処理施設を建設、新たなリサイクルビジネスの確立を目指す。 リサイクル事業は、ダイセキ子会社のダイセキ環境ソリューション(名古屋市)を筆頭株主に、廃棄物処理や建築業界が出資したグリーンアローズ中部(愛知県東海市)が今年3月末にスタートした。 工場跡地を買収して国内最大規模となる年間1万トンの処理能力を持つ選別・破砕ラインを設置した。 石こうボードの廃棄物は、圧縮して破砕する独自技術で石こう粉と紙に分離、石こうボードメーカーと製紙会社に売却する。2−3年後にもラインを増設、5年後に年間3万トンの処理を目指す。 石こうボードは低価格、軽量、燃えにくいという利点から高度経済成長期の1970年代に使用量が増大した。 その結果、90年代後半から解体による石こうボードの排出量が増加、2010年代半ばには年間200万トンに達する見通し。 水と反応して硫化水素が発生する恐れがあり、3年前から安定型処分場での埋め立てが禁止された。 加えて、処理コストの高さから不法処理が社会問題となっており、いずれリサイクルが義務化されるとの見方が出ている。 首都圏や関西でも業界主導でグループ会社が設立される見込みで、山本浩也社長(ダイセキ環境ソリューション常務)は「石こうボード処理の主流にしたい」と話している。
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