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『レッドクリフ』のジョン・ウーが語る、「成功に一番必要なこと」

nikkei TRENDYnet4月10日(金) 15時54分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合
『レッドクリフ』のジョン・ウーが語る、「成功に一番必要なこと」
昨年公開の『レッドクリフ PartI』は、興行収入50億円の大ヒットを記録し、2008年度の洋画興行収入で2位となった。監督のジョン・ウーは私財の10億円を含む、総額100億円の製作費を作品に費やしたが、日本と中国の興行収入だけで、ほぼそれ...
 昨年公開の『レッドクリフ PartI』は、興行収入50億円を超える大ヒットを記録し、2008年度の洋画興行収入で2位となった。監督のジョン・ウーは私財の10億円を含む、総額100億円の製作費を作品に費やしたが、『PartI』の日本と中国の興行収入だけで、ほぼそれを回収し、成功を収めた。

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 完結編となる『レッドクリフ PartII −未来への最終決戦−』の公開を前に、ジョン・ウー監督が日本と世界と成功の秘訣を語る。

『レッドクリフ』とは? 

 「三国志」の中でも最大の決戦と呼ばれる“赤壁の戦い”に及ぶまでの戦略やドラマが描かれている。80万の兵を率いる「魏」の曹操に対して、劉備・孔明率いる「蜀」と孫権・周瑜の収める「呉」が手を組み、長江の赤壁の地で「魏」と決戦を行う。わずか5万の兵しか持たない「蜀」と「呉」の連合軍が、80万の兵を持つ「魏」にどう立ち向かうのか?

衰退した香港映画界と成功した日本映画界の違いは…

 香港の監督でありながら、クエンティン・タランティーノやトム・クルーズなどの著名な映画人から尊敬される、巨匠監督のジョン・ウー。彼が10数年ぶりにハリウッドから香港に戻り、最初に手がけた作品が2部作の『レッドクリフ』だ。本作は監督が18年以上温めてきた企画であり、ようやく映像化にこぎ付けた大作でもある。彼曰く、ハリウッドでの経験なくして、今回の撮影はできなかったという。

 「私にとってハリウッドでの経験は非常に大きかったです。香港で映画を制作していた頃は、撮りながら脚本を書いていました。なので、予算がオーバーしたり、予想外のことが起こったりすることもひんぱんにありました。ですが、ハリウッドは厳密に構成された脚本に基づいて撮影するやり方であり、香港とは大きく異なるので、多くのことを学びました。VFXやCGに関しても、スケールの大きい映像を撮るノウハウを身に付けることができたので、本作の撮影には大いに役に立ちました」

 ハリウッドの第一線で活躍する監督が、香港に戻り、再び映画を撮る理由はなんなのか?

 「私が香港に帰って仕事をしたいと思った理由の一つに、今の香港や中国に才能を備えた新人が多くいることが挙げられます。『レッドクリフ』の撮影を通じて、彼らに新しい経験をさせたいと思いました。最新の機材を使い、大作を撮るうえでのポイントなどを学ばせることも狙いにありました。新人を養成する意味でも本作は重要な作品になっていると思います」

 ハリウッドでの経験を香港に還元して、若い才能を育てたいと語るが、現在の香港映画界で活躍している映画人は、ジョン・ウーを含め、トニー・レオン、チョウ・ユンファなど、20年前とさほど変わらない顔ぶれだ。次世代のスターが出てこない原因はどこにあるのか。

 「非常に難しい問題ですが、簡単に言えば、香港には新しいスターが生まれる環境がないんです。つまり、ヒット作が生まれないことが大きな要因です。チョウ・ユンファにしても『男たちの挽歌』で評価を得るまでは、テレビにしか出ていなかった俳優です。注目を浴びる作品があってこそ、役者は目立ち、スターになれる。今の香港を見渡すと、そのような環境がないのが要因の一つだと思います」

 「ヒット作が生まれない原因は、作品の多様性が少ないことが言えます。香港映画はアクション映画に特化したものが多いので、映画市場が小さくなってしまったのだと感じます。それに比べて日本は、映画産業があまり元気がなかった時期もあったものの、それでもさまざまなタイプの映画があった。時代劇もあれば、娯楽作もドラマもあった。『おくりびと』のような娯楽的な感動作なども作れる。つまり、世界に通じる作品を作る環境があるんです。それは本当にすばらしいことだと思います」

 「今の香港は多様性に欠けていますが、もちろん香港にも若い才能はたくさんいます。今は成功するチャンスを待ってるだけです。香港人は機転が利きますので、新しいモノは必ず作っていけると思います」

『PartII』で女性の活躍を描くのは現代社会を反映して

 今の日本の映画業界は、ハリウッドの大作であっても、ヒットするとは限らない。その中で『レッドクリフ』は50億円を超える大ヒットを収めた。ハリウッドを熟知するアジアの監督は、この成功とハリウッドの現状をどう考えているのだろうか。

 「ハリウッドのいわゆる大作はヒーロー映画が多く、パターンも決まっている。大げさに言えば、単に作品の名前が違うだけとも言える。なので、観客は何作か見たら新鮮味を感じなくなるような気がします。その点、アジアには非常に豊富な題材があり、面白いストーリーが多いです」

 「そこで、今回の『レッドクリフ』のようにハリウッドの技術を生かしながら、中国やアジアの特色ある題材を撮るならば、新境地を開けると思っていました。結果、ハリウッド映画しか見ないような観客たちにも受け入れられ、広い層に支持されました。新鮮味のある作品に感じてもらえたのだと思います」

 今回の『レッドクリフ PartII』では、女性の活躍が非常に目立つ。男の権力争いを描いた『三国誌』を題材にして、女性の活躍を強く印象付けている。これについて監督は、古い歴史大作であっても、現代の女性の姿を反映させたかったと語る。

 「確かに、今回の『PartII』では、女性が非常に活躍しています。作品の中で私が強調したかったのは、「団結の精神」と「チームワーク」です。それが分かるように、女性であってもキャラクターに活躍の場を与えました」

 「さらに、映画では現代社会に通ずる世界観を意識して描いています。例えば、現代の女性は非常に個性的で独立精神を持っています。物事に果敢に挑戦し、立ち向かう強さもあります。小喬(周瑜の妻)と尚香(孫権の妹)の2人には、そういった現代の女性を反映して、伝統美と現代美を融合させたキャラクターを演じてもらい、活躍の場面を増やしました。私は私生活においても妻と2人の可愛い娘がおり、女性は非常に大切な存在だと感じています」

ジョン・ウー監督が語る、成功に必要なものとは!! 

 『レッドクリフ』のような大きなプロジェクトを成功させるには、さまざまな困難があったはずだ。悪天候により撮影が延び、予算をオーバーしたのもその一つであろう。困難を乗り越えて、プロジェクトを成功に導くためには何が一番必要なのだろうか。

 「とにかく、自分を信じること。大作となるとハリウッドの有名監督であっても自分を見失ってしまうことがあります。自分自身のバランスを保つことは非常に難しいんです。ですから、自信を持つことが何よりも大事になってきます。それと、責任感を持って仕事することも重要です。どんなに大きな仕事でもやり遂げるという、強い決意と責任がないと成り立ちません」

 「あと、大きな物事を遂行するには、スタッフを信じて、敬意を払うことです。スタッフに対して不安や懐疑の目を決して持たないこと。どんなに大きな困難や挫折に遭遇しても協力して乗り越えるという、強い意志を持つことです。そういったことを常に意識しているので、私はあまりプレッシャーを感じないんです」

 ジョン・ウー作品といえば、必ず登場するのが「鳩」だ。鳩を食することもある香港人にあって、必ず登場させる意味とは何か。

 「確かに昔はたまに鳩を食べていましたよ(笑)。映画で言うと『男たちの挽歌』から鳩を使用していますが、そこに込めた意味は、“平和の象徴“と“愛の象徴”というシンプルなもので、鳩はそのメッセンジャーです。正直、今まで鳩を使いすぎたので、もう映画で使うのはやめようと思いました。しかし、ヨーロッパで行われた本作の制作発表会のときに、「今回も鳩は登場するのか?」と質問されたので「もちろん」と答えてしまいました。だから今回も皆さんのご要望に応えて使いましたよ(笑)」

 『レッドクリフ』のプロモーションで日本に来日した回数は7回。記者会見や舞台挨拶は2ケタを超え、誰よりも真摯にそして精力的に宣伝マンとしても励んできた。おそらく最後となる来日プロモーションで得た手ごたえと感想はどのようなものか。

 「もちろん、映画の宣伝で来日していますが、日本に来たら穏やかな気持ちになりますし、ピリピリすることもなく、本当に友人の皆さんに囲まれて仕事ができて楽しいです。『PartII』となる今回は、本当に見せ場が満載で、人間ドラマの部分やアクションの部分がしっかり描けているので、前作と同じように多くの人に支持されていると思っています」

(写真/尾島敦、文/永田哲也=日経トレンディネット)

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  • 最終更新:4月10日(金) 15時54分
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