景気は回復したのか、韓国経済四つの錯覚(下)
しかし、製造業(15万5000人減)、建設業(12万8000人減)、卸小売り・飲食宿泊業(12万6000人減)など主要民間セクターで、就業者がむしろ40万人以上減少した。政府は今後も追加補正予算を活用し、期間6カ月の「アルバイト雇用」を確保する計画で、単純に失業者と就業者の数だけで雇用環境を判断することはできなくなった。
自営業者は今年2月以降、毎月約25万人のペースで廃業しており、職場を失った後、求職をあきらめた人も昨年12月以降、毎月約15万人に上っている。サムスン経済研究所マクロ経済室のクォン・スンウ室長は「財政投入に伴う政策効果が雇用不安を防いでいるだけで、今後民間セクターで経営が苦しい企業が倒産すれば、本格的な失業状況が発生する可能性がある」と指摘した。
◆不渡り率低下の錯覚
4月の全国の手形不渡り発生率は0.03%だった。リーマン・ブラザーズが破たんした昨年9月以降で最高となった3月(0.05%)よりも低下した。1997年のアジア通貨危機直後の98年2月(0.62%)に比べてもはるかに低い数字だ。
今回の危機で不渡り発生率が低いのは、低金利政策と中小企業向け融資保証政策のおかげで経営難の企業が倒産せずに延命しているためだ。例えば、政府と金融機関は今年2月、中小企業と零細事業者が年内に返済を迫られる債務160兆ウォン(約12兆3000億円)の返済期限を1年延長した。また、輸出中小企業に対する融資保証金額もこれまでの95%から100%に引き上げられた。
この結果、中小企業の経営が悪化しているにもかかわらず、特に問題がないかのように見える錯覚現象が起きている。景気後退が続き、政府による支援効果が低下すれば、不渡り率が急上昇する可能性が残されている。不渡り率低下の錯覚を物語る数字がある。3月の中小企業の融資延滞率は2.32%で、前年同期(1.29%)の2倍になっているのが現状だ。
金栄慎(キム・ヨンジン)記者
羅志弘(ナ・ジホン)記者
方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者
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