Print this Post Article Lists Back

景気は回復したのか、韓国経済四つの錯覚(中)

◆輸出実績の錯覚

 世界的な景気低迷の中でサムスン電子、LG電子など主要輸出企業は1-3月期に前年同期を上回る売り上げを記録した。韓国の輸出は今年に入り20-30%も急減したが、輸出企業が好業績を達成できたのはウォン安でウォン建ての輸出実績が良好だったためだ。

 関税庁によると、1-3月期の輸出は747億ドルで、前年同期(994億ドル)に比べ25%も減少した。これをウォンに換算すると、前年同期(94兆ウォン)を11%上回る104兆ウォンとなる。前年同期に1ドル=1000-1100ウォンで推移していたウォン相場が今年は同1400ウォン台に急落し、ウォン安効果が輸出減少の衝撃をカバーする錯覚現象が起きたことになる。LG経済研究院の分析によると、韓国企業の増収率(ウォン建て)は2007年の13.2%から08年には24.3%に上昇した。しかし、為替効果を除き、ドル建てで計算した場合、増収率は07年の16.4%から5.1%へと低下する。

◆雇用の錯覚

 昨年12月から急減が続いた就業者数は今年4月から減少幅が縮小した。3月の減少幅は19万5000人だったが、4月には18万8000人へと7000人縮小した。失業者数も3月の95万2000人から4月には93万3000人へと減少した。

 しかし、こうした雇用状況の改善は実体経済が改善した結果ではない。政府が財政支出を拡大し、公共部門を中心にジョブシェアリングと臨時職員採用が進んだ結果だ。統計庁によると、4月には保健・社会福祉業で13万8000人の雇用が創出されたほか、専門・科学技術業(8万3000人増)、公共行政(7万2000人増)など公共分野での雇用が計29万人増えた。

金栄慎(キム・ヨンジン)記者

羅志弘(ナ・ジホン)記者

方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る