(CNN) 米国在住ヒスパニック系女性の53%が10代のうちに妊娠しており、全米平均の約2倍に達することが、少女や望まない妊娠の予防活動を続けるNPO団体の調査で明らかになった。貧困や低学歴といった問題と密接に結びつくものだとして、妊娠だけを取り上げて論じることはできないとしている。
米疾病対策センター(CDC)が今年3月に発表した統計によると、これまで低下し続けていた米国における10代少女の出産率が2007年には上昇に転じ、前年から1%増え、1000人あたりの出産件数は42.5件だった。
人種別に見た15─19歳人口1000人あたりの出産件数は、非ヒスパニック系白人が27.2件、非ヒスパニック系黒人が64.3件だったが、ヒスパニック系は81.7件に達している。
NPO団体はヒスパニック系少女759人を対象に、セックスや妊娠、出産に対する考え方を調査。セックスに関する考え方について一番影響を受けたのは両親だと回答した少女は49%と、ほぼ半数を占めた。一方、友人は14%、宗教指導者が3%、先生やメディアがそれぞれ2%と少なく、家庭内における影響が高いことが判明した。
また、4分の3は両親がセックスなどについて話してくれたことはあったが、避妊について議論したのは半数にとどまっていた。避妊しない理由として最多だったのは、避妊具が両親に見つかることを恐れることだった。
このほか、74%の少女が、親のセックスに関する話の内容が息子と娘に対しては違うと思うと回答。ラテン文化圏における男性優位の考え方(マチズモ)が関係していると見られる。
米国で生活するヒスパニック系成人のうち、高校を卒業した割合は10人に6人よりも少ない。また、ヒスパニック系の若者は非ヒスパニック系と比べて落第や留年率が高いほか、貧困層の子供のうち30%がヒスパニック系と見られている。特に、妊娠した10代少女の69%が、高校を中退している。
米国においてヒスパニック系人口は現在4500万人と、マイノリティの中で最大となっている。人口増加率は全米平均の2倍で、2025年までに米国人の4分1が、ヒスパニック系になると試算されている。