名前に「子」や「ヱ」のつく女性は要注意! 九州各県で3‐4月、未遂も含めて約160件も相次いでいる「ニセ警官詐欺事件」で、被害者は“古風”な名前の女性が多いことが25日、福岡県警への取材で分かった。県警は、犯行グループが電話帳に記載された名前から判断し、高齢と思われる女性をターゲットに電話をかけているとみている。
県警によると、手口は、地元署員を名乗る男が「逮捕した詐欺グループがあなたの通帳を持っている。口座を凍結する必要があり、通帳を預かる。暗証番号も教えてほしい」などと電話。しばらくして自宅を訪問し、だまし取った通帳で現金を引き出す。
相談件数(14日現在)は、福岡の62件を筆頭に九州全県で計156件。福岡、熊本、大分、宮崎各県では実際に現金をだまし取られる被害が計7件起きた。被害総額は約1250万円に上る。
犯行グループは効率的に詐欺を行うためか、特定地域に一時的に集中して電話をかけているのも特徴。地元の電話帳を入手し、一気に電話をかけては移動しているとみられる。
電話帳に載っている古風な名前の女性は「1人暮らしの高齢女性の可能性が高く、だましやすいとみているのではないか」(福岡県警幹部)という。
明治安田生命保険の名前ランキングによると、1920‐56年の女性の名前ベスト10は「和子」「幸子」などすべて「子」がつく名前だった。しかし、57年に「明美」が9位に入った後は減少、86年にはすべてランク外となった。その後90年代に「桃子」「菜々子」などで復活したが、2000年以降は再びほとんど10位内からは外れている。
=2009/04/25付 西日本新聞夕刊=