米TIが筑波のDSP開発拠点を閉鎖,米国とインドに集約
米Texas Instruments Inc.(TI)は,DSPの開発拠点である筑波テクノロジー・センターを2009年6月末にも閉鎖するとの日本経済新聞の報道に関し,「その予定で進めている」(日本テキサス・インスツルメンツ広報部門)とコメントした。
TI社は米国(ダラス),インド,日本(筑波)の3拠点でDSP開発を続けてきたが,「DSPの開発規模が大きくなってきたことに伴い,開発拠点を米国とインドに集約して効率化を図ることにした」(日本TI)と言う。筑波テクノロジー・センターは音声や画像処理に関するIPの開発力で定評がある。同センターが設立された1991年当初は,デジタル民生機器分野で先端を走る日本市場にフォーカスする狙いがあったものの,その後,デジタル民生機器分野のプレイヤーがグローバル化したことで,日本に研究開発拠点を置く意味が薄れていた。
同センターは敷地を含めて売却する方針であり,約90人の研究開発者に関しては,一部をインドや米国,国内(西新宿)の各拠点に配置転換する。またTI社は2009年1月の決算発表において全世界で3400人を削減する計画を打ち出しており,その一環で同センターでも早期退職を募集している。なお,アナログ半導体を開発する厚木テクノロジー・センターはこれまで通り継続する。