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マスク不足をお嘆きのあなたに…毒ガス用はいかが?

見栄えは悪いですが…

 新型インフルエンザが猛威を振るう関西圏だけでなく、首都圏の薬局やドラッグストアなどもマスクが売り切れ状態だ。何か代替になるものはないかと探してみたところ、防じん対策の工業用マスクの一部が医療用マスク以上の性能があることが分かった。これで一安心…と思っていたら、専門家からは「マスクに感染予防の効果はない」との指摘が。いったい、どうすりゃいいのか?

 マスク不足は深刻化している。ネットオークションでは50枚入りで1200円程度の不織布製マスクに1万4000円の値がつくほど。

 不織布製マスクが貴重なのは、代替できるものが意外に少ないからだ。厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議は昨年9月、「従来のガーゼマスクのフィルター性能は環境中の飛沫を捕捉するには十分な効果が得られない」という見解を示し、不織布製マスクを勧めている。つまり、タオルやハンカチなどは代替品にならない。

 それでは軍用マスクはどうか。イラク戦争や地下鉄サリン事件の時などに登場したガスマスクは、インターネット通販で簡単に入手できる。

 軍事ジャーナリストの村上和巳氏は「生物兵器対応のものならば、基本的に使えるはず。生物兵器といえばまず炭疽菌が使われるが、ベネズエラ馬脳炎ウイルスを生物兵器に開発しようという研究が進んだ経緯があり、ガスマスクもウイルスに対応している」と語る。だが、村上氏は「軍用マスクは顔全体を覆う。このところ暑いので実際に使用するには息苦しい。値段も高い」と利用には否定的。それ以前に、見栄えが悪すぎる。

 それでは、と各種マスクを製造する重松製作所に聞いてみた。担当者は「取り替え式の防じんマスクなら、インフルエンザを含む飛沫よりも小さい金属ヒューム(微小な固体粒子)を吸い込まないための規格で作られたものがある」と言う。

 同社によると、新型インフルで医療用マスクは品切れだが、工業用取り替え式防じんマスクは在庫があるという。ホームセンターなどで、安いものだと2000−3000円で手に入る。「ただし、このマスクには排気弁が付いている。感染した人が装着しても意味はないし、街中で着けるのには違和感があるでしょう」(担当者)。

 実際、東京・大手町を軍用マスクと防じんマスク姿で歩いてみたが、道行く人たちはみな、避けて通った。ただ、厚労省専門家会議が推奨する「症状のある人の2メートル以内に近づかない」という効果は威圧感で得ることができた。

 「マスクで感染が防げるという科学的データは出ていない。ウイルスは空気中をいつまでもフワフワ浮いているものではない。飛沫はマスク以外の髪や顔に付く。一番重要なのは手洗い。十分に洗えば6割は防げるでしょう」と話すのは、元小樽市保健所所長の外岡立人氏。「マスクは感染者が広めないためにするもので、非感染者がマスクをするのは日本人の習慣でしかない」という。

 指摘通り、世界保健機関(WHO)、欧州疾病対策センター(ECDC)、米疾病対策センター(CDC)のいずれも、健康な人のマスク着用を「不要」ないしは「効果がない」としている。感染しないうちからマスク獲得に頑張る必要はないようだ。

ZAKZAK 2009/05/21

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