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【国際】

休校求め親がデモ 新型インフル NY市、基準示さず

2009年5月21日 夕刊

 【ニューヨーク=阿部伸哉】新型インフルエンザ感染が急速に広がっている米ニューヨーク市で、学校の休校に慎重姿勢の市当局に対し、子どもの感染を恐れる保護者が反発。二十日には休校を求めて親がデモを起こすなど、日本とは対照的な理由で混乱に発展している。 

 同市内ではクイーンズ区を中心に二百人以上の感染が確認されており、二十日現在、二十六校が休校中。だが、欠席率が高いのに授業を続行している学校は多く、市が休校決定基準を示していないことが問題に。保護者が自主的に子どもを休ませ、欠席率がさらに高まる悪循環に陥っている。

 ブルームバーグ市長は二十日の記者会見で「子どもには教育を受ける権利がある」「デイケア(託児)費用が払えない親もいる」と強調。休校については「総合的な判断で決めている」と釈明に追われた。

 市は、季節性インフルエンザで毎年、市内で約千人が死亡していることを挙げ「新型での死者はこれまで一人だけ」と平静を呼びかけている。市立病院も「何も食べられない、自分で立てないぐらいの重症でなければ病院での治療はいらない」としている。

 

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