2009都議選
都議選告示が7月3日に迫った。予想される選挙戦の動きを逐一お伝えする
【社会】【関連】全国的な流行 確実に2009年5月21日 朝刊 <解説> 東京都内と川崎市での新型インフルエンザ感染確認は、関西での感染の広がり状況からみて、時間の問題と考えられていた。流行が全国的になることは確実で、もはや誰にも感染の恐れがある。 国内の感染状況は四月下旬の米国と酷似している。米当局は米国で既に十万人が感染しているとみており、日本も後を追いそうだ。季節性のインフルエンザでも、毎年五百万人から一千万人が感染する。新型の感染力は同等かそれ以上とされているから、もっと増えても不思議はない。 問題は重症者の出現だ。ほとんどの人は軽症ですむけれども、季節性インフルエンザとは異なった層が重症化するようだ。 押谷仁東北大教授は「高齢者ではなく、二十−五十歳代の基礎疾患のない人や幼児で、重症のウイルス性肺炎を起こすことがある」と話す。インフルエンザの後の細菌感染による肺炎ではなく、ウイルスそのものが悪さをするのだ。 ニューヨークでは、初感染から一カ月後に死亡者が出た。最初は健康な若者が感染。その後、合併症の危険を持つ人々にまで拡大し、重症者が出現。集中治療室に入って、手厚い治療を受ける。それでも亡くなる人が、ポツポツと現れているのが現状だ。 首都圏の医療事情は決して十分ではない。三千万人が住み、人と人との交流が頻繁なので、ウイルスが伝わるのは速い。一方で、重症者を受け入れる集中治療室は不足している。やはりリスクの高い妊婦を手当てする産科病棟も集約化され、少なくなっている。 感染防御は不可能なのだろうか。堀賢順天堂大准教授は「言い古されていることだが、こまめな手洗い、うがい、マスクでウイルスの拡大を抑えられる。一人一人の努力で、社会全体の感染リスクを下げることができる」としている。 (社会部・吉田薫)
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