Microsoft BootVis
Windows XPの起動高速化
2002-06-26 初出 : 2002-04-015の『つれずれだいありぃ』を再構成したものです。
2003-08-28 : BootVisのバージョンアップにて更新。
2003-09-01 : 旧バージョンへのリンク追加
2003-09-06 旧バージョンのリンク切れ確認
近日? BootVisのバージョンアップにて近いうちにまたします。
2003-09-26 : MicrosoftのBootVis提供終了の発表により更新
当ページではWindows XPの起動時間短縮ツール『BootVis』の紹介しています。しかし、残念ながらMicrosoftから『BootVis』の提供の取りやめを発表しています。
タイムテーブル
再配布が認められるのなら当サイトにアップロードをします。再配布を容認している情報がありましたら、お知らせ下さい。ネット上で探せば配布が打ち切りになっても依然としてダウンロードできるサイトは見付かります。 |
Microsoftが昨年末にリリースしたWindowsの最新版、Windows XP。Windows XPはWindows 2000と同じWindows NTという系統のWindowsです。
Windows XPはWindows 2000の改良版で、バージョンで言えばWindows 2000がWindows NT ver. 5.0、一方のWindows XPはNT ver. 5.1で、その差は0.1です。0.1ではそれほど大きな違いは無いと言っても過言ではないでしょう。 たかが0.1、されど0.1。数えれば違いは幾つもありますが、見た目が大きく違うのは誰もが分かるとして、起動の速さは2000をはるかに凌いでいます。 実際のところ、Windows 2000でたいていのコトはやり尽くしてしまって差別化で苦労しているのは確かでしょう。しかも起動の高速化はWindows MeでやってしまっているのでWindows XPでどれだけ向上するのか疑問が無きにしも在らずです。しかしハードウェアの性能が如実に影響するはずの、つまりハードウェア以外に影響する要素が少ないはずの休止からの再開であってもWindows 2000よりWindows XPの方がはるかに高速です。 そんなところで一般的なPCでのWindows XPの目標は、
となっています。では、私の目の前にあるWindows XPをインストールしたパソコンで実際に起動の所要時間を測ってみます。
です。 BIOSによるハードウェアの初期化はパソコンごとに大きく違うものなので、Windows XPが実際に起動し始めてから、つまりWindows XPの起動ロゴが出てからの時間を測ります。 起動終了は、スタートアップフォルダに『マイ ドキュメント』のショートカットを入れておき、『マイ ドキュメント』がデスクトップに表示された時点とします。 Windows XPはマルチユーザーOSですから、ログオンにパスワードを入力するのが普通です。入力の所要時間は不確定要素になるので、Windowsカスタマイズユーティリティ で自動ログオンするように設定しておきます。 さて、それでは再起動! ・ 結果は52秒でした。 ん〜イマイチ!! Windows XPをインストールした直後は、もっと速かったんです。具体的には30秒くらいです。けど、色々なデバイスドライバやユーティリティ、アプリケーションソフトを入れたので遅くなってしまいました。でも、このパソコンにWindows 2000をインストールした事がないので具体的な比較は出来ませんが、Windows 2000を使った経験から言えばもっと時間は掛かるはずです。 そしてWindows XPには、BootVisというWindows XPの起動プロセスの分析ツールがMicrosoftにより用意されています。BootVisは からダウンロードしてください。 ・ 2003年07月16、新バージョンが公開されました。公開ページは23日に更新されました。しかしその2日後のにBootVisに不具合があるとして現在(2003年08月)ダウンロードを休止しています。Hyper-Threading Technologyを有するPentium 4で使用すると不具合が起こることがあるそうです。それを知らずにやったところ問題なく再起動しました。でもその直後に別の用件でWindowsを再起動したところが起動しなくなったという致命的なトラブルが起きました。もしかしたらBootVisがその原因であるかもしれません。そうでないかもしれません。 旧バージョンはココ BootVisは自己解凍形式のZIPファイルで提供されています。解凍後のフォルダはドコでも構わないみたいです。私は今後も使うだろうと思うので、『C:\Program Files\』の下に専用のフォルダを作り、入れてあります。棒グラフのアイコンがBootVisの実行ファイルですので開いてください。 新バージョンのBootVisはMicrosoft Windows Installerを用いてインストールするように改められています。ファイル名はBootvis.msiです。このファイルを開くとWindows自身のインストーラ機能が働いてインストールが始まります。全てのバージョンのWindowsがMicrosoft Windows Installerに対応しているわけではありませんが、BootVisはMicrosoft Windows InstallerをサポートしているWindows XP専用のユーティリティですから全く問題ありません。 bootvis.msiを開くとMicrosoft Windows Installerが起動します。
BootVisを開くと上記のようなウィンドウが開かれます。 |
■ Bootvis |
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File View Tools Trace Help | ||||||||||||||||||||
□ 圕 □ |亖| ○ ○ ○ ○ | Display Time |
- |
Select Time |
- |
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Boot List |
▼ |
|||||||||||||||||||
Edit/Save | Delete | |||||||||||||||||||
□ | Boot Activity | |||||||||||||||||||
□ | Cpu Usage | |||||||||||||||||||
□ | Disk I/O | |||||||||||||||||||
□ | Disk Utilization | |||||||||||||||||||
□ | Driver Delay | |||||||||||||||||||
□ | Process Creates | |||||||||||||||||||
BootVisのメニューバーの、
Trace を選ぶと、以下のダイアログボックスが出ます。 |
Tracing Repetitions | |||||||
Number of repetitions: | 1 | ||||||
Initial number starting at: | 1 | ||||||
◎ Restart automatically after tracing | |||||||
○ Shutdown before tracing | |||||||
Eg Filename: TRACE BOOT+DRIVERS_1_2.BIN | |||||||
OK |
Cancel |
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OK をクリックするとBootVisはWindows XPを終了させて再起動しますが、早まって押さないようにして下さい。 この再起動では、BootVisはWindows XPの起動プロセスの処理内容をトレースします。起動が終わったと思ってもまだBootVisの処理は続いています。ここで変な操作やファイルやアプリケーションソフトを開くとその処理まで記録されてしまいます。 また、この再起動はけっこう時間がかかります。元々Windows XPの起動プロセスは優先順位の高い処理を先に行い、順位の低い処理は後回しにするようになっています。その為、起動が完全に終わらないうちにユーザーはWindows XPを使用することが可能になっています。後回しにした処理も記録する必要があるので、使える状態になってもしばらく辛抱してください。 この処理は、Celeron 1.0 GHzの場合で10分くらい、BootVisのウィンドウが表示されるまで待つつもりでいてください。 |
・ 何もしないで待ってる時間って、な、長いっ!! |
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途中、こんな白い横棒がデスクトップに表示されますが、これは一種のバグでしょう。実際には |
|
と表示されるようです。私の場合、ダイアログボックスが上に表示されたので、マウスでドラッグしてどかしてみたら偶然文字が表示されました。元々BootVisは日本語版Windows XPでの動作はサポートされていないようなので、致し方ないかもしれません。 待っていると以下のウィンドウが開きます。 |
■ Bootvis |
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■ File View Tools Trace Help | ||||||||||||||||||||
□ 圕 □ |亖| ○ ○ ○ ○ | Display Time | 0.00 |
- |
41.00 | Select Time |
- |
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Boot List |
▼ |
Boot Activity | ||||||||||||||||||
Edit/Save | Delete |
ココには、うんたらかんたら表示されてる! |
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□ | Boot Activity | |||||||||||||||||||
□ | Cpu Usage | |||||||||||||||||||
□ | Disk I/O | |||||||||||||||||||
□ | Disk Utilization | |||||||||||||||||||
□ | Driver Delay | |||||||||||||||||||
□ | Process Creates | |||||||||||||||||||
BootVisのウィンドウが表示さると、メインのフィールドには起動時の処理内容が表示されています。興味がある方は見てください。
次に、同時に出来る処理、先に行うべき処理の優先化など、処理順位の並べ替えを行わせます。メニューバーから、 Trace Optimize System と選ぶと再起動カウントダウンのダイアログボックスが出ます。 |
System Reboot | ||||
In 9 seconds (No. of times system will reboot: 1) | ||||
Reboot Now |
Cancel |
|||
待っていると再起動が始まりますが、急ぐ場合は、
Reboot Now を、取りやめる場合は、 Cancel をクリックします。 |
Bootvis: Optimizing... | |||||
V |
Optimizing the System for Boot performance | ||||
Please wait while the boot files are laid out on the disk for | |||||
faster system startup | |||||
This operation may take serveral minutes... | |||||
Cancel |
|||||
この処理は先程の起動よりも時間がかかります。ダイアログボックスの表示が、上記から下記に変わりるまで、気長に待っててください。 |
Bootvis: Optimizing... | |||||
|
Optimizing the System for Boot performance | ||||
V |
Please wait while the boot files are laid out on the disk for | ||||
faster system startup | |||||
This operation may take serveral minutes... | |||||
Cancel |
|||||
そのうちこの表示も消えます。これで作業は完了しました。
お疲れ様でした。 これで作業は完了しました。再起動でどの程度短縮できたのか確かめてみます。 ・ 結果は33秒でした。BootVisを使用する前は52秒でしたから、およそ半分にまで、Windows XPをインストールした直後に近い状態にまで改善しました。起動時のWindowsロゴの画面での動作を表わすプログレスバーの変化回数は、3回半だったのが1回半に減りました。 BootVisは処理タイミングによる最適化なので、システムの状態が変わるとタイミングがずれてきます。少しずつ最適な状態ではなくなってきます。なので、時々BootVisで最適化を行うべきだと思います。でも、時間短縮の為に無駄に時間を使うでは本末転倒でしょうから、暇なとき、思いついたときにでもやる程度で良いとおもいます。ドライバやソフトのインストールなどシステムに何か大きな変化を加えた時に実行すると効果的だと思います。 |
アンインストール 初期のバージョンはBootVisの場合は、実行ファイルだけ削除してください。元々そのファイルしかなかったわけですので、それ以外の削除は無要です。必要ならば同じフォルダに作られたログファイルも削除可能です。 現行版はインストールファイルBootvis.msiがアンインストーラも兼ねています。Microsoft Windows InstallerでインストールされたBootVisを見つけると、Repair(修復)とRemove(削除)が選択できます。つまり上書きインストールは出来ないということになります。 同一システムに両バージョンの共存は可能です。実行ファイル名は同じなので同一フォルダにインストールは出来ません。
後日追記: 最適化には非常に処理工数が多いようです。性能の低い機種ではさらに時間がかかります。 |