県は20日、諏訪市の諏訪赤十字病院(小口寿夫院長)を地域周産期母子医療センターに認定した。妊娠22週以降出生後7日まで、母子双方にとって注意を要する「周産期」の分娩に関し、総合周産期母子医療センターの県立こども病院(安曇野市)と連携を図り、高度な医療を提供する。認定は諏訪地方では初めて。
近年女性の晩婚化、少子化が進み、医療技術の進歩に伴って未熟児が増加していることなどを背景に、県は周産期医療システムを整備した。妊娠、出産から新生児にいたる高度専門的な医療を提供できる施設として、県立こども病院を「総合周産期母子医療センター」に指定した。総合センターと、各圏域の第一線で周産期医療に携わる医療機関との連携を強化することで、最適な医療の確保を目的としている。
地域周産期母子医療センターは、産科と小児科などを備え、周産期にかかわる比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設とした。例えば産科の場合、緊急帝王切開などの医療提供や、小児科は新生児病室があり、NICU(新生児集中治療管理室)を設けることなどが望ましいとされている。
諏訪日赤の2008年の分娩は、ハイリスク妊婦の分を含めて509件。帝王切開は16.5%だった。現在産科、小児科とも常勤医師は各4人で、病棟はいずれも患者7人に対し看護師1人を配置している。
認定に伴い、諏訪日赤は同日、大和眞史副院長、高木靖第一産婦人科部長、吉江春人第一小児科部長が出席して記者会見を行った。3人は「諏訪地方は、2人以上の子を同時にみごもる多胎妊娠が多い地域。子ども病院がパンクしないためにも、医療機器の充実を図り、地域の分娩施設と連携をとりながら、より安心してお産のできる施設を目指したい」と語った。