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世界の中心で左右をヲチするノケモノ 【絶対領域散華編】 RSSフィード

2005年8月25日(木)

一国二制度下の沖縄とは?〜あるいは民主党の真の恐ろしさ

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 リンク元を辿ったらすごい記事発見。俺が乗り遅れている可能性は高いが。

民主党が今月頭に公開した文書が話題になっている。『民主党沖縄ビジョン【改訂】』にある PDF ファイルが、それだ。これまた面倒ではあったのだが、勝手に HTML 化しておいた。メニューなんぞ付けたりしてある程度は見やすく加工しておいたので、興味のある方はお読み下さい。問題があればご指摘ください。

脳無しの呟き

 ご苦労様です(-人-)

 そのHTMLなのだが、こんな風になっている。とりあえず全体を読んでみて、一部抜粋。

 民主党は「自立・独立」「一国二制度」「東アジア」「歴史」「自然」の5 つのキーワードが、沖縄の真の自立と発展を実現するための道しるべになると考えている。つまり、沖縄において「自立・独立」型経済を作り上げるためには、「一国二制度」を取り入れ、「東アジア」の拠点の一つとなるように、沖縄の優位性や独自性のある「歴史」や「自然」を活用することである。そして、これらのキーワードを活用する沖縄を通じて、日本は目指すべき次なる姿を描けると考える。

 

 本土復帰後の沖縄においては三次に亘る「沖縄振興開発計画」に基づいて振興が図られ、社会資本整備など一定の成果をあげてきたが、一方で日本の他地域同様に中央集権的で画一的な制度が適用され、中央の発想による公共事業が行われてきたといえる。このため、補助金依存体質が助長され、また、経済活動が、本土、特に東京圏主導の構造になっている。この構造から抜け出るためには、まず、沖縄が独立の気概を持ち、その気概を中央政府がくじくことなく応援をし、自立型経済構造を築き上げることが重要である。ここで敢えて誤解を恐れずに「独立」という言葉を使ったのは、「日本からの独立」という意味ではないことは言うまでもない。

 この「自立・独立」を着実に進めるためには、地域主権のパイロットケースとしての「一国二制度」を全国に先駆けて導入する必要がある。既に行われているFTZ (フリー・トレード・ゾーン)*1などが他地域と比べて優位性が見られない中途半端なものと言わざるをえない現状下では、むしろ、競うべき対象、連携すべき対象は「東アジア」の他国・他地域であるという視点での取り組みが求められる。そのため、奄美諸島を含めた琉球弧として、そして、個性豊かな伝統文化を内包する「歴史」、美しい海やサンゴ礁を有する島の魅力に根ざした、やすらぎや健康・長寿をもたらす沖縄の「自然」を最大限活かすこと、そのためのシナリオとして地域間交流、国際交流を積極的に進めること、戦争体験に基づき沖縄が取り組んできた国際平和確立に向けての取り組みを更に具体化することを目指した政策こそが、沖縄の真の自立と発展に寄与すると考える。

民主党沖縄ビジョン【改訂】

 考えることが違うぜ、民主党(;´Д`)さすがは「国家主権の移譲」とか「主権の共有」とかアナーキズム満開の政策を提言するだけのことはある。

 いや正直、俺は道州制ってイイんじゃね? とか、地方分権とか好きな方だが、いくらなんでもこれはなぁ。

 ただの「ビジョン」ということで具体例が少ないのは目を瞑るとしても、なんかツッコミどころがたくさん。

 

 どーでもいいことだが、非常に「企画書くささ」を感じた。なんか電通あたりが作って提出しそうなドキュメントだなとw 言葉の使い方というか、文章の構成の仕方というか。政治臭がしない。ビジネス臭がぷんぷん。


「自立・独立」

 言葉を「あえて」使ってるのは分かるんだが、それは沖縄県民が望んでいることなのか?

 補助金依存体質というのは分からないでもないが、結局、地方交付税頼みなのはどこも一緒で、つまるところは国庫に期待するしかないのが地方自治体の現状では。それを是正するのは沖縄という単一地方の問題に矮小化すべきではないのではなかろうか。そうした面で問われるべきは日本国全体の地方自治のあり方、上意下達的な金の流れ方であって、沖縄という特定の地域だけの問題でもなかろう。

 ただし沖縄の場合、他県よりも流れ込む金の量が大きいという事情は分かっている。そうした現状を「不健全」と考え、財政をより「健全な」方向に持って行こうとするのなら印象は違ってくる。「テストケース」としての印象よりも、「沖縄」という印象ばかりが突出していて、他地域の役に立つ魁たりえるのかが疑問に思えてしまうのだ。

 こういう言葉の使い方が悪いのだな、民主党のビジョンとやらでは。

 経済的には「観光・リゾート産業」「情報通信産業」「独自性の高い農林水産業」といった辺りが柱になるような感じだが、情報通信、いわゆるITの分野に関しては期待薄じゃないか。コールセンターの集積くらいはあり得なくもない気がするが、それって「人件費が安い」という前提がないとな。経済的に発展していけば自然とその利点は消失するのだが……そもそもコールセンターって産業じゃねーし。そんな一過性のもの呼ぶな。最終的に出て行かれてまた空洞化するのがオチと見た。

 税制優遇措置でソフトウェア産業を誘致、くらい言ってくれればまだしもなぁ。それにしたって、いざというときに距離がデメリットになることは言うまでもないので、なんらかの方策は必要だろう。ただ、最先端産業は結局のところ、情報が集まる地域に拠点がないといけない気がする。その辺りのケアが最重点か。流れる情報を首都圏と共通化させるというか。

 ただ、沖縄の観光地としての魅力はその「異国性」にあると思う。それが、「情報の共通化」によって薄れてしまうことは懸念されるべきか。

「一国二制度」

「地域主権のパイロットケースとしての「一国二制度」を全国に先駆けて導入する必要がある」という言説が、全体的な施策方針とマッチしてないのでは。道州制を導入したら、各地に沖縄のような風土性を重視した「地域主権」とやらを確立させるのか? 一国二制度どころか、地方ごとに異なる制度が必要になってしまう。それじゃ連邦制にもならず、単に独立国がたくさん出来るということ?

「東アジア」

 沖縄と朝鮮半島って歴史的になんか交流あったのか(;´Д`)

 むしろ台湾以南の南、南洋アジアの方が歴史的にも未来的にも重要じゃないかと思うのだが。シャム貿易復活。

 原油輸入に関してもインドネシア辺りが非常に重要だというのはあるし、IT関連でも、市場としてあるいは連携していく先としてのアジアというのは、東よりも南じゃないだろうか。東、つまり中国や韓国はすでに日本としては「争うべきライバル」であり、協力してばっかりでは新たなパイを獲得することは出来ないような気が。安牌ではあるだろうけど。

 まぁ経済に明るいわけではないので、この辺はあんまり言うとボロが出るw

「歴史」

 『沖縄の地理的、歴史的、社会的特性を踏まえて徹底した英語教育を行うと共に、中国語などの学習も含め、沖縄の「マルチリンガル化」を促進する』ってだからなぜ中国語w 歴史的には、琉球と繋がりのあった台湾というのは、今の中国や中華民国とはちと違うのじゃないか。

 つーか「地理的、歴史的、社会的特性」をふまえたらどうして「徹底した英語教育」が必要になるのか。結局米軍基地前提なんじゃねーのか。せめて南アジア圏での英語普及に鑑み、くらいのこた言え。

 あるいはまったく逆転の発想で、南アジア圏から人を呼び、日本語教育でも施してはどうか。南アジアの目を日本に向けさせるためとかさ。「日本語の南洋アジア共通語構想」ってどうよw

「自然」

 『いつまでも豊かな自然環境を守り、共生環境を再生する』ということで『やんばる地区の国立公園指定を推進し、観光客の立ち入り許可区域と禁止区域の線引きを明確にし、沖縄の自然保護のため総量規制、入域規制等を検討をする』のはいいが、観光・リゾート産業育成との兼ね合いについても書いておいて欲しかった。観光客が見たがるのはそうしたところだからな。

 さらに、自然産業(農林、水産、リゾート)と自然保護は、たいていの場合真っ向からぶつかり合う概念だ。その辺をどうバランス取るつもりなのかは、このビジョンだけだと見えてこない。ついでに、自然保護には金がかかるものだが、その財源も見えてこない。

全体的に見て

 お題目と個別案の乖離があるような気がする。

 独立した経済を、みたいなことを掲げながら、コールセンターを呼ぶだのバックアップセンターを作るだの、長期的に見て地元に根ざさないものが具体例になってるし。だいたい、そういうのって本社は別地域にあるわけで、結局他地域依存の図式には変化ないよな。

 独立性の意味が、単に「補助金からの脱却」であるなら、それでダメなわけでもないんだが、施策方針としてある「産業の振興」からは、ちょっと違うような気がする。

 

 相変わらず「東アジア」「一国二制度」など、中国ひいきを感じさせるような言葉が並んでおり、さらに個々の案の中でも、民主党の言うアジアとはごく狭い地域なのだな、と感じさせるところも。

 例えば『アジアからの外国人を含む国際型観光地および長期滞在中心の観光地への転換を図』るとあるのだが、俺は一読して、アジア諸国に日本へ観光旅行出来るような富裕層はどれだけいるのか、というかそういう人が他国のリゾート地へ来るような理由はあるのか、と思ったわけだ。圏内にいくらでも、もっと素晴らしいリゾート地がうじゃうじゃあるだろうに、と。

 ここで俺が想定しているアジアというのは、東南アジア諸国のことである。シンガポールとかマレーシアとかベトナムとかインドネシアとか……まぁそういう辺り。

 こうした地域で海外旅行するのは富裕層が主体なわけだが、身近に良質なリゾートがいっぱいあるわけだし、海外リゾートへ行くのなら、ヨーロッパ方面に行くんじゃないかなぁとか思ったわけ。地中海とかアドリア海とかさ。沖縄ってのはちょっとねぇ。

 おかしいなぁ、と思っていたら、はたと気付いた。

 ああ、民主党の言うアジアとは、やっぱり中韓のことなのだ、と。

 それならば、沖縄は手頃なリゾート地になり得る。

 

 今までもよく「民主党の言うアジアは、中韓朝のこと」と言われていて、自分でも結構そう思っていたのだが……改めてこんな細かなところでまで、それを裏付けるような記述を発見してしまうとね……

 正直、背筋が寒くなった。

 民主党とは恐ろしい政党だ。こわい政党だ。小泉氏を評する「こわい」ではなく、[chill]

 アジア、という大陸的な言葉を、至極限定的な認識で使って悪びれない、というかそれが当然というように、こうしたビジョンの中に滑り込ませることができるのだ。

 この統制ぶりは、こわい。背筋が寒くなったのは本当だ。

 

 こわい。

郵政解散総選挙

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承前

 Tシャツじゃない話題でもちょっくら。今の話題といえばこれしかないか総選挙。

 とは言っても紹介だけで事足りそうな気がする。

[音極道茶室]

[ニヤリ]

 なじみの2ブログで、選挙ネタが連続掲載されているのだが、だいたいこれらに(参考リンクも含めて)目を通せば、通り一遍、最低限必要な情報には達せるのではないかと思われる。つーか最近はネットもろくに見て回ってないので、情報源をまた改めて探るのがめんどいから近場で済ますw

 それらの中から、一つずつピックアップ。

 

それは俺の小泉支持の理由の一つ

永年在職表彰を受けると、国会議員には2つの特典が与えられた。

ひとつは、国会が100万円出して画家に肖像画を描かせ、国会の委員会室に飾ること。

もう一つは毎月30万円の特別交通費支給だった。

しかし小泉は

「自分が国会議員をやってきた25年間のうちに国の財政も悪化してきた。その責任を担っている自分が表彰を受け、特典を得るのはおかしい」という理由で、本来堂々と受け取れるはずだった「名誉ある特典」を自ら拒否したのだった。

音極道茶室: 小泉純一郎の人となりを示す8年前の出来事

 マスコミであんまり報じられなかった、というのは確かだけど、わずかながらも話題にはなったのもまた確か。だから俺は、それまでわりと好きだった“総理の椅子を蹴った男”伊東正義(故人)と同様にこの特典を蹴飛ばした小泉氏に、少なからぬ好意を抱いたのだったりする。

 それで最初に手を付けたのが、そういった特典の廃止だったということで、「小泉はホンモノかも知れぬ」と感じたのである(当時)。

 

特定までは徒歩1分、本局まではもう2分

まず驚くべきはその特定郵便局の多さだろう。

全国の普通郵便局1310、簡易郵便局4470に対し特定郵便局はその数なんと18935。

分室を除いた合計24715から構成比を出すと

 

普通郵便局 5.3%

簡易郵便局 18%

特定郵便局 76.6%

 

と、予想に反して特定郵便局が桁外れに多い。

 

更に驚くのは特定郵便局の都市部への集中であろう。

グラフからも北海道、東京、大阪の数の多さは目に付くと思うが、特定郵便局の都道府県別分布数でソートしてみるとその傾向は顕著に現れる。

ニヤリ: 今の郵政ってどうなのよ

 東東京、いわゆる都市部住民である俺の自宅からは、特定郵便局まで歩いて一分で着ける。が、そこからさらに2分歩くと、もう普通局(いわゆる本局)があるのだ。なぜそんな近くに特定局を作らねばならなかったのか、ちょっと理由が見当付かない。「当時は本局はそこになかった」にしても、なぜ廃止になっていないのかも理由は見当付かない。そこにあれば便利は便利なのだが、なくても本局まで足を伸ばすのは苦痛ではないわけだし。

 特定郵便局というのは、制度発足当時(だから明治初頭)の制度を下支えした、各地の名士・名主たちの協力の名残であるとか。だから特定局の局長は世襲なのだな。たぶん、はてなキーワードがリンクされてると思うので参照してください。*1

 そうした地元密着による利点がないとは言わないが、少なくとも都市部での、非効率的なデメリットに対して、住民としては懐疑的にならざるを得ない。また、反対派がよく言う「過疎地の特定局がなくなる」にも懐疑的だ。つーか最初からそんなところに特定局(すなわち明治初頭に名主たちが作った局)があるのかどうかさえ疑わしい。そういうところこそ普通局なんじゃねーのか、とも思っている。だって特定局って集配しないじゃん。

 

泡沫政党がもごもご

 紹介だけだとアレなので、がんばって自分なりのことでも。

 

 いつかの新党ブームじゃないですが、今回、なんだか新党がいくつか。

国民新党(国民) 基本政策/基本方針

1.わが党は自由主義と民主主義に立脚した日本人のための政治を実現します。

1.わが党は議会制民主主義を守り、強権手法の恐怖政治を阻止するために戦います。

1.わが党は「改革」という名の弱肉強食の政治を阻止するために戦います。

1.わが党は中小・零細企業が活力を回復する政治を実現します。

1.わが党は破壊政治で疲弊した地方を活性化させる政治を実現します。

1.わが党は真面目に働く人が報われる政治を実現します。

1.わが党は利用者の声を聞き、利用者の「郵政改善」を実現します。

1.わが党はだれもが希望が持てる明るい日本を実現します。

1.わが党は斬新な改善を実現します。

1.わが党は「改革」という名の破壊政治を阻止するために戦います。

1.わが党は日本の文化と伝統を守る政治を実現します。

1.わが党は内政干渉に対し毅然と対応します。

1.わが党は国土の均衡ある発展を実現します。

国民新党(国民)ホームページ

 綿貫前議員率いる国民新党。いかにも「保守」っぽい感じのお題目かしらん。それにしても、「ニヤリ」の和尚さんも言ってるがなぜbizドメインなのかw 政治はオマエらにとってビズですかそうですか。

 

f:id:plummet:20050825132623g:image

新党日本

 画像でドン。日本新党を想起させる名前だな。つーかかつて「新党」と名を付けたグループはすべて吸収や合併、衰退で消滅したというのに未だに「新党」と名付けるセンスはどうですか。一度ブームが過ぎ去ってまだ日も浅く、レトロな新鮮味を出すには時期が早すぎますがな。今、「新党」と名付けるネーミングセンスは、逆に新鮮な発想が出来ないことを露呈しているに過ぎないのではないかという危惧もある。

 なんにせよ、現職県知事が、国政を担うべき党の代表に座るというのは個人的に話にならないのでシカト。地方行政と国政は根本が違います。

 

党の理念

 

一 大地に還り、大地に学ぶ

自然をうやまい、自然に感謝する気持ち

 

二 北海道から変わりましょう

今、必要なのは、意識改革です。これから、知恵の競争です。

そのためにもまず、意識改革です。

 

三 本当の改革とは、権力側からではなく、国民から。

北海道を変えます 新党 大地

 こんなのも。新党日本をシカトするのと同様の理由から、こちらも個人的にはスルー。国政は国益のために行われるべきであって地方行政とはわけが違うと思うんだがね。地方政党とやらが国政を壟断するつもりか? “北海道の利益”のために国益や他地方の利益は圧迫するつもりか? その辺を問うてみたい気はする。

 

 3新党を見渡すと、多少なりとも見る価値ありそうなのは国民新党のみか。それにしたって、結局は立党経緯からして「プチ自民党(旧)」みたいな。

 原理原則を大事にしたい俺からすると、上で書いたようなこと以外にも……

 新党日本は、すでに言われてるように「民主色の強い田中知事の下に自民抵抗勢力が結集」という感じで、単なる「反小泉」の集団でしかないことを最初からゲロっててダメすぎ。仮に政党として成り立っていっても、そのうち民主派と自民派での激突必至。彼らをつなぎ止めるのは「小泉」という名のかすがいであって、これが失われる来年(本人談)以降、この党は価値を無くす。そんな政党に数年の議席を与えることは出来ん。

 ムネオは、ドメインがmuneoである時点で政党というよりもムネオの私物だからダメ。それをやってしまうスタッフの感性がダメ。そんな政党を国政の場に送り出したくない。政党は「特定個人」を国政に送り出すシステムではない。*2

 

 残る国民新党にしても、「反小泉」という意味合いでは新党日本と変わりない。ただこちらは「自民党的」な集まりなので、新党日本が抱える構造的な問題とは無縁だ。その代わり、流れによっては「なんで分かれてんの?」となるだろう。「反小泉」によって一時的に離脱、というのが当人達と周辺の認識だろうが、俺個人の思いとしては……次の項にて。

 

国民新党は生き残れるか、そして小泉という政治家あるいは自民党首

 それは自民党次第なのだろう。

 先だって、読売新聞紙上でコラムニストだか編集委員だかの筆で、「小泉首相はまれに見るポピュリスト、ポピュリズム政治家だ」との言説があった。一読、「(゜Д゜)ハァ?」となった。

(1)民衆の利益の増進を目標とする政治思想。既存の体制を批判し,知性に重きを置く立場を否定する。民衆主義。人民主義。

(2)転じて,大衆迎合主義ともいう。

ポピュリズム 【populism】 - goo 辞書

 読売記事では、ネガティブな使い方だったので後者の意味だと思うのだが、だとするとそれは間違ってないだろうか。解散された国会が開会した直後、世論調査で「郵政問題は国民の主要な問題意識からは乖離している」と訴えかけていたのはマスコミ自身である。その段階で小泉氏をポピュリスト扱いできるのは、前者の意味でしかなかろう(そして明らかにそれは違うw)。

 大衆の言に迎合することで支持を得、その帰結として自らの政治生命の延命を図る、利益を得ようとするのがポピュリズム政治家なら、小泉氏はその真反対にいるとさえ言える。誰も国民は進んで郵政民営化をしろとは言っていないのだから。「やるというならまぁ止めない」くらいだろう。

 

 あくまで個人的な感慨なのだが、小泉氏というのは「こわい」政治家だと思う。今回の郵政解散も、衆院通過前から既にあれこれと動き出していたようだし(刺客選定とか)。ここ数年の小泉政権で起きたことを見続けていると、どのような「事件」であっても、最終的には、「小泉にとって不利ではない」ところに落ち着いてしまったような印象が続く。『運が強すぎる』と言われるゆえんだろうか。

 あれほど「自民的でない」存在でありながら、結局自民党は彼の思惑の中でしか動いていないような印象を強く持っている。今回も、造反した「抵抗勢力」議員はものの見事に党から追いやられた。自民党の「純化」が進んだわけだ。これは小泉氏の思惑にかなう流れだろう。

 「こわい」のは、こういった流れを見ても『運が強い』と言うしかないところだ。これほど怖いことはない。なぜなら『運が強い』としか表せないほど、「彼が生き残っている理由が分からない」のだから。こうした世界で、「理由が分からない」ことほど恐ろしいことはない。

 一国の元首としての評価は別として、自民党の党首としての小泉氏は、この上なく手腕を発揮し、自民党を作り替えていっていると思えるのだな。それはファッショ的手法で自分の政策を押し通すよりも「こわい」ことだ。なぜなら強引な手法はあくまでも一過性のものだが、政党をそうしてしまうことには一定の継続性があるからだ。この路線が定着し、「いずれは安倍が総理」という既定路線が出来上がるなら、それこそが小泉氏の、路線としての勝利なのだろう。綿貫、亀井といった面々は、小泉氏個人に負けたという以上に、その路線からはじき出されたのではなかろうか。彼らはもう、新しい自民党には「要らない子」になったのだ。

 路線という名のごとく、彼らは「特急・自民党号」に乗り遅れてしまった。小泉氏は、急行くらいだった「自民党号」を特急列車にしてしまったのだ。

 追いすがろうと「国民新党号」を走らせはしたものの、これが鈍行や快速程度では、特急と化した自民党に追いすがれるはずもない。今回の選挙で当選を果たしたとしても、再び自民党に乗り込んで元通りの急行に出来るのか。出来たとしても、自分たちが車掌を務めることは出来るのか。

 まず無理ではないか。旧来の自民党的な「数の論理」ベースの根回し手法が生き返るのだとしたら、彼らこそ「わがままを通して離反して帰ってきた」、数の上での弱者。戻ってきた彼らを担ぐほど、残っている議員達は単純であろうか。まして彼らは「旧来の」「元通りの」自民党を欲しているのだからなおさら。つまり、彼ら造反組は、彼らの欲するところが「旧来の自民党」であるがゆえに、既に敗北を決定づけられていると思えるのだ。

 ゆえに、国民新党は、党を割って出た時点で「負け」ている。そういう認識を持っているのである。一度、野に下ることを覚悟できなかったことが、その敗因だろうと思う。

 

勝つのは誰か

 首相が解散を言い出したころ、今総選挙を行っても勝てるか? という気はしていたのだが、蓋を開けてみると、世論調査でなんと内閣支持率が上昇に転じた。どういうことだ、と思うと同時に、勝てると見込んだからこそ解散させた首相の眼力のすごさというかなんというか、あらためて「こわさ」を感じたものだ。解散前、勝てると思っていたのは首相くらいだったと官邸周辺の話が報じられていたが、だとしたらこの人の眼力というか「見通す目」は、どこまで先を見ることが出来るのだろう。

 この人がポピュリスト呼ばわりされるのは、こういう「世論の流れを読み取る力」の突出ぶりがそう見せているのではないだろうかな。彼は既にある声に迎合しているのではなく、世論がどう流れるのかを明確に見通している、あるいは悪く取ると、そういう流れに持っていくための演出力に長けているのだ。「こわい」。真剣に俺は小泉氏を「こわい」政治家だと思う。

 やはり小泉氏はポピュリストなどではない。見えるのだとしたら、そう見せているのは国民自身なのだ。

 

 今の情勢では、本当に自民党が勝ちそうだ。

 正直、解散前は民主が勝つかもと思ったのだが、岡田代表の「政権交代できる、勝てる」という発言で一気にその気配がしぼんだ。今国会で自分たちはなにもしていないくせに「政権を取れる」などと軽々しく口にしたことで、勝ち運が逃げていったような感じ。あれで呆れた国民も少なからずいると思うな。政権泥棒かよ。せめて郵政の対案を法案という形まで持って行っておけば、「どちらの法案を実行すべき改革として選択するのか」という選挙にできたのに。現状では「民主党を選ぶ」というよりも「自民党は選ばない」票をもらうだけの話で、結局「自民党がなければ民主党もない」という図式になる。去年の参院選も、共産の議席減を引き受けただけの話だしな。批判票の受け皿が社共から民主に移っただけ。そんな図式がある以上政権は渡せないし渡してはならないし、もし取っても、まともな政権運営など出来るはずもない。

 想像以上に、マスコミの耳目が「造反組vs刺客候補」に集まっているのも自民にはいい流れだろう。これあるを予測しての刺客作戦だったのだろうか。あり得ない話ではない。

 公明党はまぁ組織票が固いから、ここ数年の流れに沿って現状維持。

 社民党は消滅路線まっしぐら。みずぽタン、辻本くらいしか残らないのでは。

 共産党は、実を言えば、冷静になって政策を眺め渡すに、野党では一番まっとうな、ある面では与党よりも立派な政策を掲げているのだが、やっぱ共産党だからなぁ。今回も退潮傾向は変わらないのでは? 候補者を絞ることで、自らそれを認めてしまっているし。上向きに転換する話題がないのにそれをやっては、ムードを持続させるだけだと思うのだが。

 「まともな野党が必要」というご自身の弁には賛成なのでw、現状維持か、社民の議席数を引き受けるくらいかな。議案提出権を保持出来るくらいの議席数ってところが順当か。

 

 自民に党籍を置いたまま無所属出馬を決めた造反議員たちは、当選は危ういんだろうな。ここ、極端な話だが、小泉氏は最悪、自民党が野党に転落しても構わない、つまり造反議員は刺客候補と共倒れになっても構わないくらいのつもりがあったのではなかろうかという気がする(さすがに小池とか有力議員の落下傘は別だし、一部が離党したことでそこまで悪い事態は起きなさそうだが)。

 なにしろ民主党に政権担当能力がないのはあきらかで*3、与党になってもいずれは自社さ政権のような混迷を招き、次回総選挙で再びの与野党逆転という目が十分考えられる。そうなると、むやみやたらと「二大政党」が進んだことによって、「やはり自民党しかないのか」という印象が国民に植え付けられることだろう。再び民主党が政権を握ることはなく、それどころか再びの分裂、何度目か分からんが政界再編が行われることにもなろう。二大政党から少数分立への逆戻りなのだが、日本的にはその方があるべき姿なのかもしれない。

 その時、勝利する自民党が、よもや旧来からの「古き悪しき」自民党であるはずもなし(それで勝てるなら最初から小泉党首は選んどらんだろ)、より小泉改革路線が進んだ政党になっているはず。そうなってもまた、小泉路線は最終的に勝利することになる。

 

 実際にはこんなニュースもあり、

[Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <衆院選>岐阜市長、佐藤ゆかり氏との握手を拒否]

 刺客候補の側にやはり分があるような。この一件は、田中康夫長野県知事が当選した折、挨拶を受けた県庁幹部が、知事の名刺を「折りたたんだ」ことで大批判を浴びたのと同様の効果を生む。「ねじれ」た選挙区ではこうした効果が幾度か生まれる可能性もあるし、そうでないところでは最初から党県連などの支援を受ける刺客が有利。

 あと、読めない要素があるとしたら……

 こういう、ブロガーによる勝手な政局分析記事だろうかねw

 

 

 そういうわけで(長期的)結果予想。

 

小泉一人勝ち。

 あくまでも小泉純一郎一人勝ち。どの政党も勝利しない。

 

*1:最初に登場した一語にだけリンクされます

*2:そういうシステム、機構が、NGOのような感じで存在してもおもしろいような気はする。政党ではなく、個人を立候補させるためのオーディションシステム、みたいな。

*3:あまりにも野合的過ぎるから。今回も社民副党首を迎えるなど、その印象を強くした。

BaatarismBaatarism 2005/08/25 15:56 郵政関係については、bewaadさん、finalventさん、馬車馬さんの3人のブログが参考になりますね。この3人の話は鼎談になりつつあるので、その成り行きも興味深いです。
http://bewaad.com/
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/
http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/

BaatarismBaatarism 2005/08/25 17:13 民主党沖縄ビジョンに明らかな間違い発見。w

>25)本土との間に時差を設定
>本土からの観光客の活動時間を長くできるなど観光産業にメリットをもたらすため、本土との間に時差を設けることを、企業経営の負担等も勘案しつつ検討する。

沖縄に時差を儲けると、今よりも日の入りの時間が早くなるので、サマータイムとは逆の効果が出て、観光客の活動時間は短くなると思うんですが。

善 2005/08/25 17:43  「経済の自立・独立」っていうのは、お題目としてはまぁ分からなくもないとは思うんですけど、民主党の政策ってのは恐らく「主権の委譲・共有」が前提になっているからなぁ・・・。ところどころに胡散臭さが目立つ訳で。一国二制度とか地域通貨とか時差とか、・・・おまいら沖縄を外国にする気か!!とw。
 しかも、沖縄の政策を掲げている割には、沖縄の選挙区からは民主党候補者を一人しか出していないんですよね。結局のところ、沖縄政策の是非の判断は本土の有権者が行う、と。我々も馬鹿にされたもんです。

>Baatarism さん

>沖縄に時差を儲けると、今よりも日の入りの時間が早くなるので、サマータイムとは逆の効果が出て、観光客の活動時間は短くなると思うんですが。

 あ、確かに。全然気付きませんでした。

KiDDYKiDDY 2005/08/25 19:12 〜/  ´・ω)ミ<要するに「(経済や政治的に)お荷物な地方は海外にうっちまえ」って発想なんだろうなぁ(滝汗)

…て考えると…

〜/  ´@ω)ミ<北海道はロシアに!
とか想像してしまう…

ついでに…
〜/    `ω)ミ<「竹島の日」作った島根は当然ウリナラに!
…まで行くと完全にネタですな(汗爆)

のぅのぅ 2005/08/25 20:41 民主党にしろ綿貫党にしろ、そろそろ思いつきで物を言うのは止めてもらいたい。
小泉の計算し尽くされた「演出」と比べ、あまりにも貧相すぎる。

まあ、ジャスコ岡田の発言を聞く限り、彼は一刻も早く党首を辞めたがっているようだが。

super_hakasuper_haka 2005/08/25 23:35 ぬぅ

|ヽ。) <小泉さんの場合は「計算し尽くされた」と云うか、

|)ミ  <「並みの政治家的計算(方程式)の埒外」って気が・・・

|。)  <他の多くの政治家が並み以下の可能性も(何

江洲江洲 2005/08/26 00:14 民主のビジョンはどうでも良いです。夢は夜見るもので、日の高いうちから見るものではありませぬ。

政局は首相と執行部の手腕が見事すぎて目が離せません。こんなに面白い政局は、ここ二十年はなかつたですねえ。

kagamikagami 2005/08/26 04:20 民主党がぶちあげているヴィジョンには実に驚嘆しました。このような日本の舵取りとして難易度トリプルAクラスの超施策をどうどうとぶちあげるその様にはある意味においてはただものではないと感じさせてくれます(^^;

栽培員栽培員 2005/08/26 21:41 稚拙な政策・・・無能な党員・・・無様ですね

と某マイナーゲーの名言を改変してみるテスト

cio_lunacycio_lunacy 2005/08/26 22:40 |ω・`)こそっ
|ω・`)つhttp://www.geocities.jp/kokiminsinto/index.html
|ミ サッ

J2kawaJ2kawa 2005/08/27 12:53 自分も伊東正義好きだったなー
電通臭ワロス
これからは民主党もbizドメインですな

BaatarismBaatarism 2005/08/27 12:55 綿貫太陽大人気ですなあ。

plummetplummet 2005/08/29 18:15 正直な話、郵政民営化そのものについては、問題点も把握しきってないし経済的金融的に知識がないので難しい議論はついてけなかったりするのです。
 .vWv
  ´||゜  †
( ゜∀゜)ノ もっとスピリチュアルな話題だったら良かったのに(政治なのに

それにしても綿貫氏盛り上がりすぎててワロスw
個人的には今更ながらマイアヒにはまってたりする(*´Д`)フラッシュかわえー

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