2009年5月20日23時5分
競泳の入江陵介(近大)が10日に男子200メートル背泳ぎで従来の世界記録を上回る1分52秒86をマークした際に着たデサント社製の水着が国際水泳連盟(FINA)に認可されなかった問題で、日本水連の泉正文専務理事は20日、入江の記録が世界記録として公認されなくても、日本記録から取り消さないと明言した。日本記録が世界記録を上回る事態も考えられるが「FINAとは立場が違う。整合性が保てないが、混乱期にありFINAと我々の基準を使い分けるしかない」と話した。
日本水連は水着について「重ね着禁止」「首、肩、足首を覆わないもの」としか定めておらず、素材や浮力などについての規定がないことを記録公認の理由にしている。4月の日本選手権などで今回認可されなかった水着で生まれた記録も同様に残す。今後の対応はFINAが今夏の世界選手権時に来年以降の規定を検討するのを受け考える。
一方、入江の水着を作ったデサント社は東京都内の本社で記者会見した。修正を求められた「水着に空気をため込む効果のある構造」について、田山英明アリーナマーケティング部長は「水着と体のすき間に空気がたまることを指していると思うが、同様の水着はこれまでも承認されていた。客観的な基準や検査方法が明記されておらず、きちんと開示してほしい」とFINAの対応に不満を示した。