民主党の新代表に鳩山由紀夫氏が決まった。注目の小沢一郎氏は代表代行で選挙担当、岡田克也氏は幹事長となり、菅直人代表代行らは再任で落ち着いた。
選挙期間が短く、“小沢院政”の仕掛けではないかと言われたが、土曜(5/16)の鳩山・岡田両氏の演説とその後の投票を見守る緊張感はなかなかのもので、おおむね成功だったのではないか。新聞各紙は、「小沢戦略に乗せられたのではないか」と書いたが、一般市民は自民党や新聞が書くほど悪くは見ていないのではないか。鳩山執行部・民主党の支持率は再び上がって行くような気がする。自民党幹部が自分たちのことをタナにあげて、小沢批判をすることばかりに血道をあげているようで、かえって墓穴を掘りそうだ。
鳩山民主党は、今後1~2週間以内に財源論をしっかり固めたうえで、“安心・安全”の将来展望、若い世代が将来にモチベーションを持てるビジョン、筋の通った農家への直接補償(バラまきでない直接農家手当など)、20世紀型を超えた21世紀型の成長戦略などを、説得力ある論理と数字、そしてサラリーマンが納得できるようなプレゼンテーションを行うことが必要だろう。
小沢問題がどこまで尾を引くか……。民主党が新体制で結束し、ケンカ割れの兆候さえみせなければ、野党政権の可能性が出てきたように見える。むしろ、麻生政権が再び自信を失い解散のタイミングを逸する懸念がある。
18日以降の動き次第だが、これで民主党がハズミをつけ支持率が上がってくると、自民党はますますぐらつく可能性がある。補正予算が通れば(6月12日)解散を打つのか、海賊対処法案、消費者庁などの法案可決まで待ち、サミット後、8月解散まで引き延ばすのか。民主党は結束ができ支持率が上昇してくれば、審議を早めて解散を迫ろう。そうなった時、自民党は引き延ばし戦略ができるのか。補正予算が可決したらサミット前解散の声も高まってこよう。
攻勢に出ていた自民党はまた受け身にまわることになるかもしれない。となると、麻生政権は、小沢問題でごたついている時期に解散したほうが良かったと舌打ちすることになろう。麻生政権は待つばかりで決断力が見えない、という評価が定着してしまうことを警戒すべきだろう。なんとなく“鳩山政権誕生”の可能性が強まった感じがする。ただし鳩山代表の言う“友愛”論は別の言葉に変えたほうがよい。他の人が“友愛”の言葉を使ってもしっくり来ない。17日のテレビで友愛の中見を説明していたが、家族や地域・友人たちとの“きずな”といったほうが受け入れられやすそうだ。
2009年5月18日