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「巨額損失、知らなかった」   駒大の大谷総長釈明

2008年12月2日

資産運用の失敗による巨額損失問題で揺れる駒沢大学の大谷哲夫総長と宮本延雄理事長が、十一月二十八日の永平寺系宗政会派「有道会」(鈴木秀一会長)の第二十三回全国大会に来場。一連の問題について謝罪と説明を行なった。

大谷総長は、一部週刊誌に自身が今回の問題を学内の派閥闘争に利用していると報じられた件について「ねつ造記事だ」と断言。問題のデリバティブ取引も「私はノータッチだった」と述べ、自身に一定以上の責任はないとの立場を強調した。

最初に説明に立った宮本理事長は「全国の曹洞宗寺院や檀信徒の方々に対し、本当に申し訳なく思っている。責任は私が一番重く受け止めねばならない。深くおわびしたい」と謝罪。また高橋正弘事務局長も登壇し、外資系証券会社と昨年七月からデリバティブ取引契約を結び、損失が百五十四億円に上っていることなど、十一月二十日の総持寺系宗政会派「総和会」(宮前正道会長)全国大会での説明と同内容の報告を行なった。

その後の質疑応答で、一部週刊誌に大谷総長が今回の問題を学内の派閥闘争に利用しているとの記事が載ったことへ説明を求める声が上がり、登壇した大谷総長は「その記事はねつ造。法的措置を取りたい」と全面否定した。

また大谷総長は「私は今まで副学長、学長、総長と、教学面の担当理事としてやってきた。資産運用などの経営面にはずっとノータッチだった」と説明。「常任理事としての責任はあるが」とした上で「今回のデリバティブ取引も、私はまったく知らなかった。巨額損失についての報告も(取引契約解除前日の)十月二十八日に初めて受けた」と釈明した。

大谷総長の発言は、今回のハイリスク投資が常任理事会に相談されず行なわれた可能性があることを示唆するもので、今後駒沢大の組織のあり方をめぐる議論にも発展しそうだ。


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このページの最終更新日 2008年12月02日