東京都と川崎市は20日、米国から帰国した女子高校生2人について、新型インフルエンザ感染が確認されたと発表した。成田空港での検疫で見つかったケースを除き、関西以外で感染者が確認されたのは初めて。この日は大阪府などでも感染者が増え、国内の感染者は成田空港で確認された高校生ら4人を含め267人。感染者が確認された自治体は5都府県に広がった。
都と川崎市などによると、2人は洗足学園高校(川崎市)の生徒で、今月11~18日、各国の生徒が集まる「模擬国連」に参加。教諭1人や他の生徒4人とともに米ニューヨークに滞在し、2人はホテルでは同じ部屋に宿泊した。ニューヨーク発コンチネンタル航空9便で19日午後1時55分に成田空港に到着した。
うち1人は同校2年の女子生徒(16)で東京都八王子市在住。機内で発症し、成田空港に到着した時点で39度の発熱があったが、検疫ではインフルエンザA型もB型も陰性との診断を受けていた。
しかし、20日朝も発熱が続いたため、市内の医療機関を受診。遺伝子検査で新型感染が判明した。八王子市内の感染症指定医療機関に入院している。
成田空港からは19日午後4時ごろに多摩センター(東京都多摩市)行きリムジンバスに乗り、京王線とJR横浜線を乗り継いで午後7時20分に帰宅。リムジンバスと電車内ではマスクを着けていた。帰国後は登校しておらず、家族にも異常はみられないという。
もう1人は同校2年の女子生徒(16)で川崎市在住。機内で発症し、成田空港到着時は38・5度の熱があったが、検疫ではインフルエンザA型もB型も陰性だったという。
その後はリムジンバスで、たまプラーザ(横浜市青葉区)に午後5時ごろ到着。東急田園都市線とタクシーを乗り継いで帰宅した。20日に発熱外来を受診、簡易検査でA型感染が判明し、川崎市衛生研究所で遺伝子検査を実施した結果、新型への感染が分かった。
生徒は川崎市内の感染症指定医療機関に入院中。家族には異常はない。
東京都や川崎市は現段階では、学校などの休校や集会の自粛要請の措置を取らない方針という。
毎日新聞 2009年5月20日 21時15分(最終更新 5月21日 1時07分)