ニックネーム:   パスワード:
| MyDoblogトップ | Doblogポータル | Doblogガイド | 使い方 | よくある質問 | ツールバー | サポート |
positive gamma -ヘッジファンド、RVトレード+雑感
Blog
[ 総Blog数:233件 ] [ このMyDoblogをブックマークする ] [ RSS0.91   RSS1.0   RSS2.0 ] [ ATOM ]
2008/11/05のBlog
アイスランドのランズバンキ(Landsbanki)のCDSの決済値段が決った。
シニア債=@1.25%、劣後債=@0.25%。。。政府が国有化してもおカネは払われないという評価。ま、紙屑ってやつですね(^^;。
(オークションの詳細情報はこちら
三大銀行の残り:
Glitnirの結果(11月5日) シニア債=@3.00%、劣後債=@0.125%
Kaupthingの結果(11月6日) シニア債=@6.625%、劣後債=@2.375%。

サムライ債投資家の皆様、お気の毒です。。。

LehmanやWaMuもこちらから見られる。
2008/11/04のBlog
[ 19:40 ] [ 金利RV戦略 ]
ヘッジファンドを含め市場参加者は十分痛めつけられている昨今だけど(^^;、皆様如何お過ごしですか。痛めつけられたのはJGB市場参加者とて例外ではない。3月の大量アンワインド、4月のVaRショック(投げ)に引き続き10月も酷かったんだよね。とうとうMTMの見直し議論の中で、わざわざ「変国(フローター)、物国(インフレ・リンカー)」が著しく市場実勢と乖離している金融商品として名前が入っていた。もともとは証券化商品の流動性の無さの話をしていたはずなんだけど、市場を眺めてみればFixed Incomeと名が付くものは転換社債(CB)も含め総崩れ。。。

いくら値段が飛んでるとはいえ、一番流動性があるはずの国債の一部がこうした議論に入ってしまう(入れざるを得ない金融機関の事情があるわけだけど)んなら、なんだって流動性がないことになっちゃうよね(苦笑)。ヘッジファンドはどうすんのかねー。全部何でもかんでもサイドポケットに入れマースっていうのは勘弁して欲しいが、金融機関がやろうと企んでるのは、マアそういうことです(^^;。とはいえ、MTMの負の連鎖が、不必要に金融機関の体力(リスクキャピタル)を奪っているのも事実なので、こうした措置はルールに透明性が確保されるのであれば、一定程度やむを得ないというのが筆者の言下の立場(ホントは望ましくないとおもうけど、短期間やむを得ないかなと)。

ま、とりあえず記録を。

最初のはJGBフローター30回債。昔(2004年)に出たやつだね。満期は2019年9月だが、クーポンが10年ものJGB-98bps(^^;。シャレになりませんねー。当然足下もnegative carry。
これは直近発行の48回。spreadはついに -20bpsまで縮まっている。それでもアンダーパー。
さっきのものが-98bps、残存が2019年9月までまだ約11年あるから、単純にみてクーポン・スプレッド分だけでも(0.98%-0.20%)x11=8.58%は30回債はやられてそうだよね(^^;。ただクーポンはゼロ以下にはならないので、クーポンに内蔵されている金利オプション(CMTフロアー:constant maturity treasury floor)の価値は結構あるとおもう。でもこういうアービトラージを真面目にやる人がもういなくなっちゃってるってことだよね。
コメント欄でかおるさんと四方山話していた物価連動国債(略称:物国またはリンカー)の直近もの。あれよあれよの価格下落ぶり(^^;。価格下落=利回り上昇なのできれいに吹き上がっている。まあ絵だけでも上向いてないとね(笑)。
まあ、こういう有様というか物価連動国債は誰も見向きもしない状態なので、とうとう今年9月の新規発行は中止になってしまった(^^;。もう11月なのにあるべき2008年9月発行分が見当たらないでしょ?デフレの国にするのなら、こんな商品いらなかったんじゃないのかな。
最後は先進主要国のブレークイーブンスプレッド(注)

注:名目金利の普通国債利回りからリンカーの利回りを引いたもの。期待インフレ率の代替変数(proxy)とおもってよい。マイナスになっているのは、期待値としてデフレでございますと市場は言ってるということだ。

アメリカの短期の落ち込みはすごいね。デフレの足音は彼方にも忍び寄っている。たしかにこういう極端はリンカーというあまり流動性のない商品(市場)で、金融機関やヘッジファンドの強制ロスカットないし解約売りで生ずるのだが、デフレ圧力を市場が感じている証拠でもある。

JGB Blueeeesszzz Yeah!
2008/10/27のBlog
[ 21:28 ] [ ヘッジファンド全般・マクロ環境 ]
現在VOWの42.6%もってるポルシェが12月までに50%、来年中に75%まで増額するという発表受けて、VOWは再び昇天(^^;。またもや欧州最大の時価総額企業の地位を手に入れたね、こりゃ。ポルシェは時間かけてゆっくりやるから、ショートの皆さん節度をもって手仕舞ってねという意思表示らしい。でも市場はそんな配慮を無視して一挙にぶち上げた。おかげで今日の欧州市場の下落の中でDAXだけは底堅い。パッシブマネージャの皆さん、ご苦労様です。。

(追記)結局635ユーロの素っ高値まであったんですね。おそろしや。。。お茶の間御意見番のみのもんた大先生に、株式市場は博打場だと非難されちゃいますね(^^;。出来高つきのグラフに差し替え。
出来高もそれなりにできているが、さすがに2回連続して天国まで踏まれたひとはいないとおもうけどね(2回やられたらほんとに南無阿弥陀仏だとおもう)。でもVOWの株ってたしかドイツのザクセン州が持ってるんだよね。VOW法での拒否権にこだわってるより、公的資金で州立銀行とかの救済資金がたくさん必要になるんだから、こういう機会に冷やし玉で売却してしっかり利食えば、税金投入額も少なくなるし、言うことないとおもうけどねー。

(追記)二つ目の掲題図は昨日のVOWの取引の分布。さすがに天井近辺では出来高は少ないが、結構オファーをテイクしてるので、ほんとに血を流しながらというか泣きながら買戻しをさせられた連中がいるのが垣間見える。引け値が471ユーロだからこの絵を見る限り結構踏まれてるひとがいるね。

まあこんな滅茶苦茶はめったに見られないだろうから、記念に?キャプチャしておく。
(10月28日、29日追記):
VOWはついに一株1,000ユーロの未踏ゾーンに駆け上った。
天にも昇るとはまさにこのことか。
すごすぎる。。VOW神(^^)。
チャートを昨日引けベースの出来高入りに差し替える(29日)。

時価総額は瞬間風速だが、エクソン・モービルを抜いて世界一!

ポルシェはなんでこんな株買えるんだろう?どっからそんなおカネでるの?
→デリバティブ契約で既に取得済みなのね(^^;。しかし時価会計するとこの見かけ上の含み益がPLの利益項目か資本勘定の含み益増加に異常に寄与することになり、ポルシェの真の姿が却って見えなくなるような気がする。VOW分の利益がいくらなのか分別して開示すべきでしょうな、絵に描いた餅なんだから。(29日)

まさにお祭りだ!チューリップ球根と同じ馬鹿さ加減のユーフォリアと崩壊が、21世紀において(多分短期間に)見られようとは。。。明日の朝いくらで戻ってくるか期待しましょう(笑)。→(29日)918ユーロで引け。時価総額世界一維持(^^;。
(29日追加)昨日のVWAP分布グラフ。

取り組み高も多いし、こりゃしばらくオモチャにされるのが続きそうだな。。。
DAX構成比が24日時点で6.8%だったものが、27%構成比まで上昇してしまったこともあり、ドイチェ・ブルス(取引所)は構成比率を10%まで引き下げる措置を取った模様。これって今日からパッシブマネージャが比率調整で投げるってことかな?いづれにしても馬鹿げた動きだが見逃せませんねー。。
2008/10/25のBlog
[ 12:45 ] [ その他・ヘッジファンド関連 ]
しばらくお休みしてる間にマーケットはひどいことになっちゃいましたね(^^;。
金融機関間のシステミックリスクの危機がピークを超えたかと一安心していたら、今度はエマージング市場に波及しそうでちょっといやーな感じの週末になってしまいました。
為替もLTCM破綻のとき以来くらいの大きな値幅で動きました。来週はすこし利食いと打診買いが出るでしょうけどリスク資産からの逃避が終了した気配は残念ながらまだありません。

まあ自分自身のポートフォリオの成績やその他も含めて暗ーい話多き昨今ですが、やはり「百年に一度」の未曾有の危機なので自分が考えたことの備忘のための記録はすこしは残そうとおもい再開します(って別にこれまでもたいしたことメモってるわけじゃないけど(^^;)。

かつてのように読者の方がまた見てくださるのかどうかはわからないですが、考えることや情報の贈与交換がこのWeb空間でできればいいなあとおもっています。業界結構せまいので、これをお休みしたあと、ひょっとしてここを書いてたのはxxさんですよねと言われることも何度かあり返答に窮しましたが、まあその辺はうすうす分かったとしてもそっとしてやっておいてください(^^;。匿名とはいえ、僕は本来裏方で、黙っておカネ儲けするのが仕事です(今年は儲かってないですけど(溜息))。

裏方にいるものがあれこれオモテに書くのは躊躇があるのです。ここが商売ネタに使われることがあると知り(あのー、そんなバリューないっすから(^^;)先般はお休みしたのですが、やはりこれだけ混乱を極めている状況の中、Web2.0空間の自由な議論をしてみたいという気持ちが今は勝っています。更新頻度は従前以上にゆるーくなるでしょうけど、ヒマなときにまた見てやってください。m(_ _)m

pg
で、とりあえずは、記録。ドル3ヶ月物のLIBOR-OISスプレッド。
各国政府と中央銀行のなりふり構わぬ銀行間市場への梃入れによって落ち着きを見せ始めている。なので一段落かなーとおもったら木曜日のEM CDX10の急落。すさまじかったですね。。エマージングこんだけやばいなら、為替や株もただじゃすまないかなーといやーな予感がしてたら不幸にも的中(^^;、金曜日の為替市場は大荒れとなりました(まあUKGDPも予想してたとはいえあれほどひどいとはね)。。
二つ目は欧州圏のLIBOR-OIS。さすがに経済の悪さを反映してアメリカに比べるとスプレッドがもとに戻ってるというか高止まり。あのー、ここの読者は当然わかってるとおもうけど、円高だけみててドル安とおもってるひとがいたらそうじゃありませんから。ドルは相対的には強い。円はいまや世界最弱から世界最強の通貨(避難地)となりました。
最後は春山さんも取り上げられていたVolkswagen株(VOW)のその後。
リーマンの破綻で貸してた株券が返って来なくなったパッシブマネージャーの買い直しと(VOWはDAXやEUROSTOXXの指数構成銘柄)、ポルシェとの合併裁定ポジションでVOWのショートを組んでたヘッジファンドの買戻し等で株価は天まで昇った。一緒に昇天したヘッジファンドや瀕死の重傷を負ったファンドも数多(^^;。昇天後は地上に戻ってきました(まあこれでも高いけどね)。

なんせ時価総額でトヨタ、GE、マイクロソフトなんてみんな抜いて欧州最大の時価総額の株になってたからショートしたくなる気持ちはよく分かるけどね。。ほんとshort squeezeという名にふさわしい動きだった。今年の相場はロングオンリーも傷んでいるが、ロングショートマネージャやショートバイアストマネージャにとっても決して平坦な道ではないことがよくわかるとおもう。
2008/03/12のBlog
しばらくお休みをしていました。すぐにブログを復活するということでもないんだけど、暗い話ばかりだったところに明るいニュースというか、FRBが重要なアクションをとったので、たまに書く速報ということで(^^)。

FRBはTerm Securities Lending Facility(”TSLF”)のなかで、これまで以上の流動性供給手段として、政府機関債(エージェンシー債)や民間格付けでAAA格のモーゲージ担保証券(MBS)を担保として期間28日まで市中のプライマリーディーラー資格を持つ金融機関に2000億ドル(約20兆円強)の国債を貸し出す(=ファイナンスをつける)というプログラムを発動した(→FRBの発表文はこちら)。これまではオーバーナイトが主流だったが実質1ヶ月のタームファンディングを金融機関に保証してやったことになる。

えーと、我ながらグチャグチャ書いてるね(^^;。どういうことかというと、FRBが国債を貸し出すと、借りた側はレポ市場というマネーの市場を通じて担保付借入を行うことが出来る。これまでAAA格のMBSを持ってても、民間同士のレポ(マネーマーケット市場)では場合によってはAAA格のファニー・メイやフレディー・マックの債券ですら担保付借入市場の適格担保として取るのを嫌がっていた(ま、いまや格付け会社のAAAには何の意味も無いというか、たとえばモノラインの大手MBIAのAAA格は昨日L+650bpsで取引されてたぐらいで、AAAだからどうしたの?って話になってはいるのだが…)、それほど住宅ローン関連債券は毛嫌いされてたわけ(^^;。従いAAA格のMBSを持っててもそれでおカネを借りるのにかなり苦労してた人も結構多くいたわけ。ところが今回の措置で、持ってるMBSを中央銀行に差し出せば中央銀行が国債に変えてくれて、それをレポ市場にだせば資金調達が出来るようになったということなのだ。いざとなれば中央銀行が取ってくれることがわかったわけだから、民間同士でのレポにおいても国債じゃなくてもAAAのMBSならレポの担保で問題ないや、という判断になるだろう。つまりわざわざFEDにいかなくてもMBSでちゃんとおカネが回るようになることが期待される。この意味は大きい。

しかも発表文をよく読むと、それは銀行に限った話ではなくて、国債引き受けを行うプライマリーディーラー資格をもつもの、つまり最近資金繰りに困ってる一部の証券会社(broker-dealer)にも資金調達の途が開けたわけ。いわば血液が流れてないところの通りをよくする措置で、筆者は金利を下げるのよりも即効性があるとおもう。なぜならば、最近のカネ詰り問題は、いくらで借りられるか(matter of lending rate)ではなくて、そもそもおカネを借りられるのかどうか( availability of money)というところにきていたからだ。この現象は1990年代の日本でも起こった。いくら金利を下げてもおカネを貸すという行為が縮んでしまったのだ。ケインズがこれを「流動性の罠」と名づけたのを知っている読者も多いとおもう。このまま放っておけば、バナンキ議長がいくらおカネをヘリコプターでバラ撒いても(注)効果無しという同じ罠にアメリカも陥るリスクがあったと筆者はおもう。

(注)ヘリコプター・ベンの異名をとる(^^)現議長だけど、ヘリコプター・マネーという名称の発祥?はれっきとした正統経済学というか、マネタリストの大御所ミルトン・フリードマンにあるので、バナンキ議長のいってることが奇異すぎると揶揄したり非難するのは筋違いも甚だしい。

一昨日BSCなどは資金繰り不安の話が出て5年ものCDSは+630~650bpsとかいうとんでもない水準で取引されていたのだ。CitiとかMerrillは言うに及ばず生保最大手のAIGにいたるまで、大手金融機関が軒並みL+200bpsを超える水準で取引されるほど市場参加者はパニックしてたわけね(^^)。また先週欧州でもブンズ(ドイツ国債)以外の周辺の弱小国の国債(イタリアのBTP債など)は、まさに投売りという形容がふさわしいほど悲惨な状況に陥っていた。キャリー取引で死んだ連中も多いとおもう。流動性危機がおこると弱小国から破裂していくのは1998年のLTCM危機のときと同じ構造だ。

今回の措置は、お互い相手を信じられない、担保も国債以外は信じられない、少なくとも国債以外は長い(といっても1ヶ月とか3ヶ月なんだけどね(^^;)期間のレポなんてとんでもないという状態をある程度落ち着かせることが出来るのではないかと思う。流動性の供給手段の直接的確保という意味は大きい。ファニーやフレディーの政府「実質」(implicit)保証が、直接(explicit)保証(=税金投入をすぐには伴わない公的救済と同義)に一歩近づいたという意味で前進だとおもう。



市場はすぐさま反応している。為替は見れば明らかだから他の市場を見てみよう。まずは国債と銀行の信用リスクの差を表象する2年ものスワップスプレッド(銀行間金利と国債利回りの差)をみてみる。これを執筆している時点の2年スワップスプレッドは96.10bps近辺。
次はユーロダラー3ヶ月もの金利と3ヶ月短期国債(T-bill)利回りの差の推移(これは通常TEDスプレッドと呼ばれている。TreasuryとEuroDollarの差ということね)。年初来拡大路線を再び突っ走って150bpsを超えていたが、今日のアナウンスメントで140bps台まで戻った。
三つ目はジニーメイのように政府保証ではないが、「実質」保証といわれている民間金融機関ファニーメイ(FNMA:Federal National Mortgage Association米国連邦住宅抵当公庫)の国債に対するスプレッドの推移。格付けはAAAである。これも大幅買戻しが進行中なのがわかる。
最後は地方債(ミュニシパル債、通称ミュニボンドMuni-Bond)版のSIV発行CPとも言える(^^;、オークションレートセキュリティーズ(ARS)の1ヶ月もの金利の推移。この債券の利回りはまさに名前の通り1ヶ月ごとに投資家の入札形式(オークション)によって設定される。誰もいらないって話になれば金利が跳ね上がる。さきほどみたように、3ヶ月のT-bill金利は1.50%以下で取引され、1ヶ月のLIBORですら2.90%くらいしかないときに、5%を超える水準で取引されてるわけね。そもそもおカネを借りられるのかどうか(availability risk)という話があながち冗談ではないのが理解してもらえるだろうか。当然期間の長いミュニ債券はもっとひどいことに先週なっていた。まあ、価格暴落については某欧州の大手銀行が20億ドル近く投げたのが原因なんて言われてるけど、これではまった投資家はヘッジファンドに限らず結構いたとおもう。。。まあ耐えられればこんなおいしい投資はないだろうが、市場が機能不全に陥るときはえてしてそういう風になるものだよね。

ここは市場が他に比べて薄いのと、データ更新が遅いので実際どうなるかはまだわからない。FEDの思惑からすれば当然これも落ち着いてほしいということだろうしそうなるとはおもうけど、地方債やモノラインの話はかつて狂犬といわれたスピッツァーNY州知事の買春スキャンダル報道を見ても分かるように、相当ドロドロしてるみたいだね(^^;。

まあいづれにしてもやっと明るい材料が出たのはいいことだ。