メルヘン地獄 その五っぽい tomoタン作 週二回、実弾を撃つ訓練を受けることになった。 ミサトは最初渋ったが、僕があまりにしつこく頼み込むのに根負けしたのか、最後にはそれの便宜を図って貰えた。勿論、EOEを見越しての準備である。防弾チョッキの支給も頼んでおいた。帯銃の許可はまだ下りていないが、ゲンドウに直接電話で頼んでおいたので数日中には何とかなるだろう。ゲンドウは僕のチルドレン帯銃と言う提案を意外とあっさりと認めた。もうすぐ佳境となる最後の決戦が迫っているからかもしれない。あの男も、次の使徒を倒した後はゼーレとの決戦であることを知っているはずだ。僕が戦略自衛隊に殺されてしまうという事態は避けたいのだろう。その確率を減らす為にも、帯銃させるのは悪い選択肢では無いのだ。 僕は射撃訓練に真面目に取り組んだ。ミサトがこんなに真剣に訓練するシンジくんは初めて見たなんて揶揄するくらいに大真面目に項目を消化していった。銃の構造、仕組み、安全装置の扱いから弾奏の交換まで座学を受け、実際に分解した銃を組み立ててみたり、実弾を的に向かってぶっ放す訓練も何度も繰り返し行った。僕が扱った銃は口径の小さい拳銃で、反動がそれほどきつくないタイプのものだ。ミサトの話では、殺傷力はそれでも十分なのだそうだ。 パレットライフルと言うエヴァサイズの小銃を扱っていた僕はそれをほとんど違和感無く行うことができた。拳銃はずっしりと重く、コンピュータの補正が効かない生身での射撃はなかなか的に当たるものではなかったが、程なくして慣れることができた。手にできたマメが二回潰れる頃には、狙った地点の大体誤差数センチ以内に着弾を散らすようになっていた。ミサトは、頭を狙わずに腹を狙えば動いて無い相手に限っては当たるだろうと僕の腕に太鼓判を押した。 動いている的に当てるのは難しい。アスカは神懸り的にパンパンと人型の的の頭に弾を当てるが、僕は真似できそうにない。銃を発射した瞬間に起こる爆発のような衝撃が僕の肘をブレさせ、僕の狙った地点から数センチの誤差を生む。アスカやミサトが言うには、自分の発射した弾丸の着弾位置がどれだけ狙った地点とズレるのか把握しておいて、それを瞬時に判断し、計算に含めた上でトリガーを引けば良いだけの話だと言う。しかし僕の判断力はそこまでの瞬発力が無かった。 僕の親指の付け根が酷いことになる頃には、それも大体解決した。三発くらい一度に撃てばいいのだ。そのうちの一発は大抵、的のどこかに当たる。銃弾を受けた経験は無いが、加持に話を聞く限りは、どこに当たろうが戦闘不能になるのは間違い無いと言うことだった。鉛の弾丸が食い込む瞬間の衝撃はそのくらい大きく、全身から気力を含めてすべての力を奪い取るようだと、加持は語った。ミサトに三度撃たれている不死身の男が言うのだから説得力抜群だった。食らったら終わりだ。使徒と戦うのとはワケが違う。 拳銃に自信をつけてから、今度は自動小銃の訓練も行った。同じように座学を受け、実弾を発砲する。拳銃よりも目方があって銃身を抑えやすい上にフルオートで乱射するといい感じに着弾が散って命中しやすい。でも、あまりに大きすぎて帯銃には向かない。 ショットガンと大口径の拳銃の訓練は、今までの経験があった分早く終わった。ショットガンは痛い程の衝撃があるが、的を外れたことが無い。ある範囲に一定に着弾が散るようになっているのだから、有効射程内ではほとんど外れないのが特徴だとミサトは説明した。だが、僕やアスカの体力では、そう何度も何度も撃てないだろうし、弾奏の数が限られているので実際扱う機会は無いだろう。大口径の拳銃は反動が強すぎてまた僕はマメを潰す羽目になった。大口径の拳銃の場合は簡単だ。どこに当たっても大体相手は即死するので、一発目で一番相手の表面積が大きな箇所を狙えばいいのだそうだ。モデルガンでしか知らなかったデザートイーグルは重すぎて片手で長時間照準を定めることさえできなかった。 手榴弾の訓練は見送りになった。座学は受けたので扱いはわかっているのだが、こればかりは実際にやってみると言うことができないからだ。手榴弾の種類を学び、目の前に転がってくるのが見えたら逃げる間も無く死ぬので奇跡が起こるのを神様に祈れと言われた。それ以前に、この角張った円形のものが目の前に転がってこないことを祈りたい。 結局、帯銃の許可が下りたのは小さな拳銃だった。FN Five-seveNと言う拳銃で、5.7mm×28弾と言う脅威の装弾数を誇る怪物銃だ。数撃たないと当たらない僕にピッタリの銃だった。しかも、特殊な弾薬を使用しているらしく、防弾チョッキを貫通するライフル並のペネトレーションを持っているのだそうだ。有効射程は100メートル以上。僕の腕なら30メートル離れた時点で当てられないだろうが、実際試すわけにはいかないので使ってみるまでわからない。僕には過ぎた代物と言えるだろう。初めてそれに触ったときは手が震えた。 帯銃の許可は下りたものの、その発砲にはミサトの許可が必要で、無断で使用した場合は刑事罰が科せられると口を酸っぱくして注意されてしまった。本当はミサトは僕に銃を持たせることにも反対なのだ。それはそうだろう、この先何が起こるのかわかっている僕やゲンドウだからこそ、それはおかしい選択肢じゃないと思えるだけで、ミサトは知らないのだから。中学生が帯銃しているなんて世も末だ。 勿論、普段生活で発砲しなければならないような事態が来るとは思えないので、僕はそれに全く異存は無かった。最初に使う予定があるのは渚カヲルと対峙した時だ。僕を消してくれってセリフを吐くのだから、会ったその日に、情がわく前に仕留めたい。きっとカヲルは死を受け入れるだろう。相手は使徒だ、遠慮は要らない。僕はここ最近ずっとそれを自分の心に言い聞かせている。 本物の銃を持つ気分はなかなか良かった。自分の部屋でニヤニヤしながら自分の銃を手入れしていると、アスカが呆れた様子で「あんたも男の子ねー」なんて口走った。そう言うアスカも同じ銃を自分の部屋で磨いているのを僕は知っている。もう少し女の子らしくできないのかと一瞬思ったが、それはそれでアスカには似合わないので何も言わなかった。 綾波レイはこの一連の流れに無関心だった。元々、彼女は銃器の扱いを勉強していたそうだ。零号機は後方支援以外の任務が無い。格闘戦をするには綾波のシンクロ率は低すぎるのだ。だから綾波だけはずっと銃器のプロフェッショナルとなるべく、僕らとは別の訓練を受けつづけていた。だから今更なのだろう。帯銃の許可は下りたが、綾波だけは銃を持ち歩くことはしなかった。理由を問うと、必要無いからの一点張りである。多分、綾波はATフィールドを生身で発生させることができるから、必要無いと言ってるのだろう。原作ではカヲルがジオフロントのメインシャフトに降りたときに発生させていたように思う。確かにATフィールドがあるなら銃など全く必要無い。 僕は着々とEOEに向けての準備を整えた。と、言っても、最も短距離で格納庫に向かえるルートを複数確認することと、真面目に発砲の訓練をすることと、心の準備以外にそれ程やることがあるわけでは無いのだが。白いナマズだかウナギだかあのヌルんとした量産エヴァを、未だ地下に安置されたままのロンギヌスの槍とアスカの異常に強力なATフィールドで迎え撃ち、サードインパクトが始まる前にその前提条件を何もかも壊してやろうというプランが穴だらけの麻の目のような目論見であることは重々承知している。が、僕はただの中学生で、政治的に何か力を持っているわけでは無いのだから仕方無い。覚悟を決めるしかないのだ。 そして彼は遂にやってきた。 渚カヲルは、原作と同じセリフを吐きながら、にっこりと笑った。 「歌はいいねぇ」 「僕はクラシックより演歌のほうが好きだな」 ニっと笑う。僕も笑顔で応じた。声とセリフで僕はそいつが誰なのかすぐにわかった。こいつが渚カヲルなのだ。あからさまな美少年といった感じで、綾波レイに少し顔が似ていた。髪の色は白髪ではなく、薄いグレーで、一見その辺で歩いているホスト予備軍のようだ。学生服が全然似合っていない。アルマーニのスーツなんか着せても年頃的にあまり似合わないだろう。どちらかと言うとモード系のジャケットなんか着せると様になりそうな感じだ。 原作と違って僕と彼が会ったのはネルフの施設内だった。碇シンジが半グレてネルフ以外の場所をほっつき歩いていたからこそ、原作ではあんなわけのわからない場所で出会ったんだろう。僕はいつものように煙草を緑地公園で吸い、綾波レイが何をするわけでもなく隣でボケっとしていた。そこに彼は現れた。 綾波が怪訝そうにカヲルを見ているのがわかった。警戒感丸出しでカヲルを睨んでいる。僕は綾波を手で制して立ちあがった。カヲルはすぐに右手を差し出して握手を求めてくる。僕は右手をゴシゴシをズボンで拭き、煙草を揉み消してからその右手を掴んだ。上下に振る。 「久しぶり、意外と遅かったな」 「ネルフが悪いのさ。僕の身分を作るのに多少揉めてね」 「そりゃそうだろ。ゼーレから送られてくる奴なんて怪し過ぎるしな」 「まぁ、でも予定通りにここに来ることが出来たんだ。会いたかったよ、シンジくん」 「僕は会いたくなかったさ」 素早く懐から銃を取り出し、渚カヲルの眉間を照準する。この距離なら絶対に外さない自信がある。僕はゆっくりと安全装置を外した。 「おいおい、いきなりかい? 色々と段取りってものがあるだろうに」 「こっちも切羽詰っててね。精神的な負担は最小限に、だ」 僕は一瞬躊躇ったあと、思い切って引き金を引いた。衝撃が僕の腕を伝う。銃のブローバックがやけにゆっくりに見えた。 だが、必殺の弾丸は渚カヲルに届くことなく、カチンと言う音を立てて弾かれてしまう。一瞬見えたオレンジ色の障壁。ATフィールドだ。僕は続けて五回、トリガーを引いた。いずれも届く前にカチンカチンと音を立てて弾かれてしまう。僕は更に銃撃するかどうか迷ったが、辞めておくことにした。無駄のようだ。腕が痺れるような衝撃の残滓を感じながら、僕は銃を下ろした。刑事罰を覚悟してまで撃ったって言うのに、あんまりだ。ATフィールドなんか嫌いだ。UNの軍人の気持ちが少しわかる。何てインチキ。 「こら、生も死も等価値なんじゃないのかよ」 「…僕も生きたいさ」 「そう言うことを言うなよ、殺す覚悟が鈍るだろ」 「すまないね」 「…謝んなよ…」 僕はまたベンチに座って煙草を取り出した。なんとも夢心地で、手が震える。僕は今人の姿をしたものに向かって殺す気で発砲した。それは思った以上に僕にとって衝撃的な体験だったようで、心臓は荒れ狂う時化の海面ように跳ね上がっていた。カヲルの死体を見ることが無くて、今僕はホっとしている。心底安心している。震える手で煙草に火をつけ、一服する。一本吸い切るまで、カヲルも、突然の出来事にビックリしたらしい綾波も何も言わなかった。煙草を揉み消した時に、綾波がやっと口を開いて沈黙を切り裂いた。 「ATフィールド?」 「そう、コイツ使徒なんだよ」 「まぁ、そう言うことになるね」 なんとも呑気な調子の会話だが、内容は切迫している。よく考えたら今のカヲルのATフィールドの展開はMAGIに検知されているはずで、今頃発令所はごった返すような騒ぎになっているはずだ。ゼルエル以降一度も許していない本部侵攻がまた起こったのだから。 侵攻してきた使徒は僕の煙草をもの欲しそうに眺めている。僕は煙草を二本取り出して、一本をカヲルに渡した。カヲルがそれを口に挟むのを確認してから、ライターで火をつけてやる。綾波ももの欲しそうな顔をし出したが、僕はお前は駄目だと言って煙草を渡さなかった。綾波にまで煙草を覚えさせたとなったら後でミサトやリツコに何を言われるかわからない。 煙を吸い込むなり、カヲルは激しく咽せて顔を顰めた。 「ぐほ、げほ、よくこんなものを吸うことができるね」 「吸い方にコツがあんだよ。喉まで煙を入れずに吸って、口にたまった分だけ一気に肺に入れてみなよ」 カヲルは僕に言われた通りに試し始めた。二度ほどまた激しく咽たが、三度目で煙草を吸うコツがわかったらしく、煙を吸い込んで少し恍惚とした表情を浮かべた。 「美味いだろ?」 「…癖になりそうだね、これは」 「まぁ、一回吸ったら簡単には辞められないと思うよ」 再度綾波が僕に煙草をくれと訴えたが、僕はそれを却下した。すると綾波は拗ねたようにそっぽを向いてしまった。僕としてはそれ以前に渚カヲルが使徒なのだからそれに対するリアクションを起こして欲しいものだと思ったのだが、綾波は一向に気にしていない様子で、その事実に少し笑った。そりゃあそうだろう、同年代の男子中学生が使徒だなんて冗談も甚だしい。 携帯電話がけたたましく鳴り出したが、僕はその掛けている相手を見て、電源を切った。ミサトからだったからだ。召集命令だろうけど、当の使徒はここにいるのだし、今のところ侵攻の意志は無さそうだからいいのだ。少ししてから、ミサトが血相を変えて走ってきた。フル装備の保安部の一個小隊を引き連れての派手なご到着で、僕の無事を確かめるや否や腰砕けにその場に座り込んだ。 パターン青検出地点に僕がいるのだからそりゃ心配もするだろう。少し悪い気がして、先ほど電話に出なかったことを詫びた。ミサトは目に涙を浮かべて、大事に至らなかったのだからいいと言った。 「で、使徒はどこ? 何かこの辺、やけにホノボノしてるけど」 「信じられないかもしんないけど、そいつなんだよね」 僕がカヲルを指差すと、ミサトは口をあんぐり開けて渚カヲルをしげしげ眺めた。どうやら今日来る予定だった新しいチルドレンが、僕の指差す人物なのだと思い至ったらしく、さらに目を白黒させていた。でも、この時点でミサトはゼーレの存在に勘付き始めているはずだ。すぐに事情を汲み取ったミサトは何も言わずに保安部に解散を命じ、僕とカヲルと綾波に自分についてくるように指示した。 「詳しい事情は後で聞かせてもらうわ。とりあえず今は発令所まで行って騒ぎを静めなきゃね」 ミサトの言いたいことはわかる。僕はそれに異存なかった。カヲルも抵抗する意思は無いようで、すぐにその言葉に頷いた。 どうも事態は僕の想像していたものから、少しづつズレ始めていた。 リツコさんの言う推論に、カヲルは事も無げに頷いた。要するに使徒は前回の侵攻を反省する形で進化していること。そして前々回、前回の接触によって今の姿を獲得し、精神のようなものを得たこと。それでも、使徒であることに変わりは無いことなど。しらばっくれるかと思ったのだが、カヲルは実に素直にそれらを認めた。その後、ミサトが室内で銃を乱射し始め、ATフィールドに弾かれた兆弾で危うく重傷を負うところだったり、その兆弾から身を守る為に綾波までATフィールドを展開したりして事態はややこしくなるばかりだったが、アスカに張り倒されたミサトが静かになって初めて、みなの心に落ち着きが戻ってきているようだった。 この使徒との会談がカヲル、ミサト、リツコさん、それに僕とアスカと綾波だけで行われた密室の会議であったことが幸いして、防音防盗聴が保証された会議室以外の場所にまで混乱が伝播することが無かったのは不幸中の幸いだった。パターン青の検出はMAGIのバグであると処理された。リツコさんがそう言うのだから誰も反論はできなかった。ゲンドウや冬月がこの場にいないのは、ミサトが上にMAGIにバグが見つかったとしか報告していないからだ。ミサトはもう既にゲンドウ達に不信感を抱いているようだった。 カヲルがどう言うつもりなのか僕にはとんと見当もつかなかったが、僕はひたすら殺さないで済んだことに安心していた。油断すると膝が震える。人の姿をしたものに銃撃すると言うのは正気の沙汰ではないと強く思った。罪悪感だの後ろめたさだの、そんな甘っちょろい感覚ではない。自分が殺人者になるかもしれなかったと言う精神的な重圧は予想していたよりもずっと重かった。僕は40年生きたおっさんだが、所詮はサラリーマン稼業をしていたおっさんでしかなかった。僕は既にすっかりカヲルを殺す覚悟を失ってしまっていた。僕には無理だ。 リツコさんはどうするつもりだろうか興味があったが、ゲンドウの味方をされるのは困る。チルドレン新規加入によるレクチャーと既存要員とのコミュニケーションなどと題打ってここに篭ったのはいいが、リツコさんがここで行われる会話をゲンドウに盗聴させている可能性が無いとは言い切れなかった。だから僕はまた銃を取り出してリツコさんに付き付け、その可能性が無いことを証明させた。リツコさんが抵抗するか、それとも撃てるものなら撃ってみろなどと言う態度に出たら僕は当然撃て無いのだから、それはハッタリだったが、リツコさんは案外素直にそれに従ってくれた。きっとリツコさん自身もゲンドウに不信感があるのだ。一つ辛いのは、これで僕はリツコさんに嫌われただろうと言うことだけだった。 僕は渚カヲルを殺したくないのだ。それは彼を殺したくないと言うよりは、顔見知りを殺すなど狂気の沙汰だと言う僕自身の問題だった。碇シンジが受けたであろう精神的なショックは計り知れない。何しろ僕は渚カヲル殺害を企て、それが幸いにも未遂で終わった今でさえ、足が震えるほどの恐怖感を抱いてしまうのだから。実際、自分の身の保身の為にカヲルを殺した碇シンジが狂ってしまっていたとしても僕は驚かない。僕もそうなってしまいそうだ。また、だからと言ってアスカや綾波に代わりにやらせるのはもっと嫌だった。この重苦しく閉塞した感情をこの二人の少女に負わせて自分だけは助かるなど、大人の発想ではない。子供に負担を掛けてはならないのだ。それが大人である責任と言うものだ。どうせなら渚カヲルに自殺でもして欲しいものだが、それはそれで寝覚めが悪いことこの上無いだろう。全く、どうしようもない。 何とか使徒と共存する道は無いのだろうか。その為にも、渚カヲルの話は一言一句聞き逃さないようにしなければ。僕は真剣に、彼に話し掛けた。一体何を考えている? 渚カヲル。 私は碇シンジと言う少年を過小に評価していたことを認めねばならない。ここ数ヶ月における彼の変貌は驚いても驚き足りない程だ。彼は意図的に孤独を味合わされて、意図的に閉鎖的な人間として育て上げられているはずだった。そして、今回のこの使徒の侵攻によって致命的に自己の一部を欠けさせるはずだったのだ。それがあの人の望みをかなえる為の唯一の方策だった。 ところがどうだろう。彼はエヴァとの融合から戻ってすぐに一変した。瞬く間にセカンドチルドレンとの関係修復を図り、ファーストチルドレンを手なづけた。人間関係の調整に手馴れているとしか思えない言動を繰り返し、自ら積極的に提案し、必要とあらば司令に直接掛け合ってでも自分の目的を果たそうと努力し始める。最近ではミサトまでが彼に手玉に取られてしまっている。今さっきなど、私に銃を付きつけてまで安全の確認を取ろうとした。とても14歳の子供の態度だとは思えない。 私はここ数ヶ月間の彼の言動を逐一調査し、分析していたのだが、その結果は驚くべきものだ。まるでこの先に何が起こるのか大体把握しているかのような行動を取っている。人間に未来がわかるはずが無い。つまり、彼は恐ろしく鋭い洞察力を持って私達を観察し、分析し、何かしらのアクションを取っているのだ。これは驚くべきことだ。14歳の少年がそこまでの能力を身につけている例は過去聞いたことが無い。MAGIの全データを走査しても類似例は見つからないだろう。彼は稀有な存在である。私の研究意欲を刺激する程に。 彼の知能はけして高いものではない。IQテストもEQテストも結果としては平々凡々、目立って優秀な項目は一つも無い。運動能力が特に優れているわけでもない。ただ、まるで豊富な人生経験を積んでいるかのように先を予測し、判断する能力だけは異様に秀でている。同年代の軽く数倍は。もしかすれば私やミサトなどよりもずっと先を読む力は秀でているかもしれない。一般的に先天的な能力と経験を積むことで伸びてゆく能力は別に扱われる。経験を積むことでしか伸びない能力の最たるものが判断力と言うものなのだ。これだけは経験することでしか養われることは無い。その意味で、彼は異常で異様だった。経験したことの無いはずのことまで、まるで知っているかのように振舞える。 今、目の前に生きた使徒のサンプルがいる。先ほど、ATフィールドの展開を見せ付けられたのだ、それは信じると信じぬに関わらず事実なのだ。私の胸は高鳴る。同時に二つの魅力的な研究素材を与えられて、心躍らぬ研究者がいるだろうか。私はそいつは研究者ではないと断じる。 一方で、警鐘を鳴らす女としての自分がいることも、私は感じていた。その魅力的なサンプルは、両方とも危険極まりない存在なのだと。あの人の望みを叶えるのに邪魔となる存在だと、私自身が警告する。恐らく碇シンジ少年は既にこれが最後の使徒であることと、その後に待つ何か得体の知れない事態を予感しているのは間違いない。でなければ帯銃許可を申請したり格納庫への最短ルートを確認することなどしないはずだ。何かがあるのだと、それだけは確実にあの少年は勘付いている。そしてそれは恐らくは自分の不利益に繋がると判断しているのだ。 ミサトも加持もいいようにこの少年に誘導されている節がある。あの人はとるに足りぬと笑い飛ばすが、きっとこの少年こそ最大の障害となるだろうと、私の勘は何度も警鐘を発していた。 だが…それが何だと言うのだろう? 私は最近考える。あの人の望みは、世界の救済などではない。ただ、生き別れた亡き妻との邂逅の瞬間、それだけなのだ。それはもうずっと前に勘付いていたはずだ。私は私を誤魔化し、今の関係を続けようとしている。それは私の、私自身への欺瞞である。 どうして辛い、辛いと思いながらもそれを続ける必要があるのだろうか。あの女に似た綾波レイを憎む必要があるだろうか。私の感情は分裂し、様々に矛盾した思いを抱えている。もう、いいのではないか? 私はそう思うのだ。 綾波レイも変わった。碇シンジに何を吹き込まれたのかは大体想像がつく。綾波レイは恐らく自己が唯一無二であり、死はそれを終焉させるものであると気付いたのだ。死ねば無となり、自分の代わりは既に自分ではないことを意識したのだ。綾波レイが何かに対して執着し始めたのはその最たる傾向だろう。彼女は人となりつつある。 計画は失敗する。もう、あの人に綾波レイが従うことは無いだろう。他のどんな命令はともかく、私の為に消えてくれと言われて素直に死へと向かえる人間がどれだけいるのだろうか? 何かに執着し始めたレイでは絶対に無理だと思えて仕方が無い。私の努力は徒労だったのか? 違うのだ。これはチャンスなのだ。私は打算する。計画が水泡に帰した場合に、あの人が起こす次のアクションは何か。多分、彼の選択肢は二つ。自殺か、生きるか。その根源的な問いなのだ。もしも彼が生きることを選んだとしたら、私がそこに入り込む隙間は十分にあると思われた。永久に失われた死人との邂逅の瞬間は、彼に絶望をもたらすだろう。だが、そこにこそ付け入る隙があるのだ。 だから私はあの人へ報告しなかった。計画は失敗すれば良いのだ。あの少年の思う通りになれば良いのだ。例え計画が失敗し、ネルフの人間が皆殺しの憂き目にあったとしても、私は最後の瞬間に彼を手にすることができるだろう。私は道具ではないのだと心の底から叫ぶことができたとしたら…。 それは魅力的な選択肢だった。私にはそれにあがらうだけの理由が無い。 無論、死ぬ気は更々無い。生き残る為の方策を今は探るべきだ。あの人を手にする為ならば私は何だってやってやろうとずっと昔から決意していたではないか。一瞬で満足などできはしない。あの人を手に入れることができ、かつ生き残れるならそれに越したことは無いのだ。 私は着々と準備を進めた。あの人を裏切ること、それがあの人を手に入れる為の最後の手段だ。私は極秘に、碇シンジと渚カヲルを呼び出した。 僕は使徒と呼ばれる存在だ。 いつ発生したのか、どこで発生したのか、それは自分でもよくわからない。僕は僕自身について期待されるほど知らないのだ。意識を持った瞬間、僕は小さなビーカーの中で蠢く肉の塊だった。次に全長2メートル程の培養液に満たされたガラスの筒に移され、徐々に僕と言う形を成していった。 僕には発生当初から過去の記憶が存在していた。それはある禿頭の中年男性と語り合うシーンから始まる。その男性から、僕は自我と言うものを学んだらしく、彼の考えは手にとるようにわかったし、彼の思いは言わずして僕に伝わってきた。 人間と言うものは、僕の本能的な印象で語るなら豆粒のような石ころのような、そんなものだ。蠢く意思を持った肉の塊に過ぎない。僕と同じようにそこに居ることに何の理由も無く、ただ偶然に存在する。しかし彼から学んだ人間観では、それは醜く、汚く、有限で、不完全で、それでいて美しい「生物」だった。それは僕にとっては難し過ぎる価値観で、多分人間達が思うほどに僕は人間を理解しきれていない。 僕は羨ましかった。僕は無限に存続するある無価値な存在に過ぎないが、彼らは彼ら自身によって自らの価値を見出す術を持っているのだ。価値と言う概念そのものが彼らの創作物ですらあるのだから、僕のような無限であること以外に取り立てて何の意味も無い生物よりも余程高等に思える。こうして僕が思考する一切が、彼らの創作物で成り立っているくらいなのだから。 様々な概念を学び取り、実感し、理解すると僕はますます人間が羨ましくて仕方が無くなっていった。僕がこのような人間そっくりな形状をとったのは、きっとそれが羨ましくて仕方が無かったからだろう。僕は人間に成りたいと巨大な試験管の中でずっと考えつづけ、鄙びた枯れ木のような老人に意味不明な問答を仕掛けられる度にその思いを強くしていった。 僕には役目があるらしい。 アダムと呼ばれる存在と融合し、新しい生命を発生させる鍵がこの僕と言う無限で無価値な存在なのだそうだ。だから僕は無意味では無いのだと知って非常に嬉しかった。ある誰かにとっては有価値ですらあろう。僕は自己の存在の無益さに慄いていたから、その枯れ木のような老人の問答は正直な所嬉しいものだった。 しかしながら、今僕はもう少し欲張りとなっている。最も新しい記憶で、中年男性は人間として生きていくわけにはいかないのかと僕に問い掛けたのだ。僕は残念ながらそれは不可能だと語った。本当にそうだろうか? 僕はずっとその自分の言葉に疑念を持ちつづけた。確かに僕は人間と言うカテゴリからは外れた存在であることは確かだろう。本能はアダムとの接触を切望している。僕は鍵としての自分の意味をあまり好まない。そうなれば無限であったはずの僕は消え去り、新しい僕以外の何かとなってしまうからだ。 僕は中年男性からある一つの画期的な概念を学んでいたから、そう思うようになったのかもしれない。確かに本能はアダムを求める。これは僕の生理現象であってどうしようもないことだ。だが、そのアダムを壊してしまえばどうなるのだろうか。僕は今のこの肉体を失うまでは僕でありつづけるだろう。ならば、それは人として生きていくこととどのように違うのだろうか。僕は今、人間そっくりなのだ。生理現象から心的な動作まで。 僕が彼から学んだのは、疑念と言う名の、画期的なものだった。そして、運命と言う言葉を僕は疑念する。僕は人を滅ぼすか、それとも自分が滅びるか、二つに一つしか選び取れない運命なのか? 本当に? 僕は彼と同じように疑念する。 「ここは一切、盗聴できない場所よ。だから安心して本音を話せるわ」 リツコさんの第一声はそのような前置きだった。僕もカヲルもなぜ呼び出されたのか色々と推測していたが、その前置きは予想外だった。リツコさんは一体何を語ろうとしているのか全くわからずに困惑する。リツコさんは首を傾げて少し笑い、僕らに緊張をとくよう、煙草を吸うことを促した。 そこはリツコの仕事場とも言える中枢のマシン室だった。床はコード類で埋まっていて、部屋中にパーソナルコンピュータのような小さなものから、巨大な端末まで乱立している。マシンを冷やす為の冷房で、部屋は肌寒かった。リツコはその中央のテーブルに灰皿を起き、自分の煙草に火をつけた。 「本当は禁煙なのだけどね、この部屋は」 「コンピュータはデリケートだから、ですか」 「まぁ、多少は構わないわ。壊れたとしても直すのは私」 だからいいのよと言って僕が咥えた煙草に火をつけた。僕はカヲルの咥えている煙草に火をつけてやって、薦められた椅子に腰を下ろした。 「で、話って何ですか」 「少し聞いていいかしら」 「ええ、どうぞ」 「シンジくんに渚くん…二人とも、何を考えているのかしら?」 僕は緊張した。ゲンドウの命令で揺さぶりを掛けに来たのかもしれない。言葉は慎重に選ばなければならない。 「カヲルが使徒の癖にこんなとこでノホホンとしてるのは何故だか僕が知りたいです。僕自身は特に何も…」 カヲルは首をすくめて言った。 「だから何度も人間として生きてみたいからって言ってるじゃないか。シンジくんは本当に頑固だな」 「信じろってーのかよ。んなこと言ってそーっとメインシャフトの底に下りる気じゃねーの? 今回弐号機使え無いから油断させる作戦か? 大体な、使徒の癖に人間の姿してるなんて卑怯だよ卑怯。この卑怯者め」 「疑り深いなぁ、君は。老けるよ?」 呆れたようにカヲルが応じたが、僕は信じないぞ。コイツは常にニコニコしてるから顔色全く分からない分、本当に油断はできない。警戒し過ぎると言うことは無いのだ。僕としてもカヲルが心底そう思っていたとすればそれに越したことは無いのだが、原作ではシンジが心を許した途端に裏切った奴なのだ。僕は安易に心を許すわけにはいかない。 リツコさんは僕らのやりとりをあきれたような顔で見ていた。ちくしょう、ホノボノしてるけど僕は案外切羽詰ってるんだぞって叫びたくなった。 「そう、渚くんは人として生きてみたいと思っているのね? 人間に対する興味から、そう思うのかしら?」 「リツコさん騙されちゃ駄目ですよ。コイツは使徒ですよ使徒!」 さらに言い募ろうとする僕をリツコさんは目で制した。僕は不承不承黙ったが、カヲルのそれ見たことかと言う表情が気に食わなかったので思いっきり足をふんづけてやった。涼しい顔で受け流すカヲルが憎たらしい。 「興味深いのよ、あなた達は二人共。刺激的ですらあるわ。かたや生きた使徒。かたや中学生とは思えない振る舞いをする少年。シンジくん、あなたは特に面白いわ。あの人の計画の最も大きな障害はあなたでしょうね?」 「…え…は?」 「ふふ、わからなくてもいいわ。私はあなた達に期待しているの。計画も、あの人の望みも、何もかも壊してくれそうだから。ねぇ、もう一度聞くわ、一体何を考えているの?」 げ。…リツコさんが何を勘付いているのかさっぱりわからないが、僕が人類補完計画を阻止する気満々なのはとっくの昔にお見通しだったようだ。しかし、リツコさんは楽しげに笑うだけでそれに関して何かアクションを起こす気は無いようだった。大体、よく考えてみたら僕に対して計画のことを話すだろうか? リツコさんのセリフは非常に不自然じゃないか? よくわからない。僕はもう少しリツコとの会話を続ける必要があると感じた。すると、僕が再度口を開く前に、カヲルが首を竦めながら言った。 「計画…人類補完計画ですか。あれは今の僕の望みにはそぐいませんので、僕は協力する気にはなれませんね。ゼーレの老人方にはお気の毒ですが」 「やっぱり、あなたは知っていたのね、渚くん。じゃあ、シンジくんがそれを知っているような素振りをするのは、やっぱりあなたから話がまわっていたのね。ふふ、これはあの人にとっても十分想定外のことでしょうね」 「僕はシンジくんに話した覚えは…イぎッ」 僕は咄嗟にカヲルの足を思いっきり蹴りつけた。そうかそうか、そう言うことにしておけば話しやすいんじゃないか。なぜ気付かなかったのだろう? リツコさんの様子がおかしい。だが、僕にとって都合の良いおかしさなのだ。この機会を利用せずして、どうすると言うのだ。 「そうですよ。僕はもう人類補完計画のこと全部知ってます。ネルフが目論んでるもう一つの計画のほうもね。で、リツコさんはどうするんですか。父さんに報告しますか?」 「まさか」 リツコさんはおどけた調子で肩を竦めた。 「報告する気ならとっくにしてるわ。私はね、全部ご破算になってしまえばいいと思っていたわ。でも、よりもっと魅力的な選択肢があることに気付いたのよ。つまり、あなた達が計画を潰し、その上で生き残れたとしたら、私は私の望みを叶えるチャンスを得るわ」 「父さんから僕らに乗り換えってわけですか?」 「…よく知っているわね…、随分苦労して隠していたつもりだけど。まぁ、どのみち、もう計画は破綻し始めているもの、上手くはいかないわ」 「父さんを裏切るんですね」 「あなたは私を汚い女だと罵るかしら」 「いいえ、僕は妥当な判断だと思います」 リツコさんは、笑いながら右手を差し出して、僕と握手した。 それから数時間、リツコさんと僕とカヲルは情報を交換しあい、綿密に行動計画を練った。カヲルを信用はできなかったが、こうなれば一蓮托生である。殺さずに済んでホッとしている自分がいるのも確かだ。本当にカヲルが人として生きてみたいと思っているのかどうかは神ならぬ身では確かめようが無い。今後の彼の動向次第だろう。もしかすれば殺さなければならないかもしれない。そう思うと、やはり心を許す気にはなれなかったが、秘密を共有することで何らかの合意のようなものを形成するには至った。 リツコさんの案では、綾波を殺してしまえば端的に計画の発動は阻止できると言うことだったが、僕はそれに反対した。綾波レイは相変わらず無口で無愛想でかわいくない女だが、やっぱりまだ子供だと思うからだ。カヲルの口からエヴァ量産機の存在が明かされると、ますますリツコさんは難しい顔をしたが、僕は綾波暗殺にだけは強硬に反発した。それは大人のやることではない。 結局、量産エヴァを皆殺しにすることで物理的に計画続行を不可能にするしかないと言う結論に至った。その際に、カヲルは零号機で出撃し、アスカの弐号機と共に量産機を迎撃する計画を立てた。リツコさんのバックアップは非常にありがたい。MAGI経由で戦略自衛隊の動きは逐一わかるからだ。だから事前に職員を退避させたりトラップを仕掛けて侵攻を食い止めることだって不可能ではなくなった。この作戦はミサトに事情を話して協力してもらうことになるだろう。 ゼーレとの会戦は止むを得ないが、S2機関を積み込んだ初号機がある限り、負ける要素は一切無いのでそれに関しては安心していても大丈夫だろう。そもそも戦略自衛隊の侵攻を防ぎきった時点で他にまともな軍隊は残らないと言うリツコさんの太鼓判がある。 僕はリツコさんと共に計画に望むゲンドウと対峙する予定だった。リツコさんが言うには、綾波は以前の僕に執着しているから、僕が顔を出すことで決定的にゲンドウとの不和を起こすだろうということだった。僕も全く同じ考えだ。それから、リツコさんにゲンドウを生かすも殺すも自分に任せて欲しいと頼まれた。やはりリツコさんはゲンドウがまだ好きなのだと思うと少し悲しくなったが、それは仕方無いことだ。恋愛はロジックじゃないのだ。 僕はきっとこの懐の銃か初号機で大量の人間を殺すだろう。それは怖い。怖いことだ。でも、そうしなければ僕が望む未来は無くて、それどころかこちらが殺されるのだ。心の準備をしておかなければならない。 アスカにもすべてを話した。アスカは弐号機の中に自分の母親の魂がインストールされていると言う下りで泣き始めたが、最終的にはゼーレ許すまじと怒りを顕わにしていた。こいつは実に単純で真っ直ぐで、そう言う部分は気に入っている。子供はこうでなくちゃいけない。白いウナギエヴァとの戦いを何とか生き残って欲しいものだ。僕はまだ彼女に伝えきれていないことが沢山ある。 そして3日後、戦略自衛隊が動くだろうという情報が来た。カヲルも大人しいものだ。酒まで覚えやがったので、最近は毎晩のように彼とミサトと酒盛りをしている。僕とカヲルが一緒にいて話していると、アスカが相手をしてくれないと不機嫌そうに言うので、ここのところは酒盛りにアスカも混ぜて冗談半分に人類補完計画潰し作戦の成功に乾杯したりした。 事態は好転しつつある。僕は軽い興奮を覚えた。もしかすれば上手くいくかもしれない。 僕の正念場はこうして始まった。 後書き: 地味な話やね。長いけどあんまり動いて無い。カタルシスも無い。まぁ、EOEへの繋ぎで。 拳銃あたりはそんなにおかしなこと書いてないと思うがどうか。まぁおかしかったら降臨スレか批判スレか語らんかあたりで教えてちょうらい。 スペシャルサンクス:拳銃のこと教えてくれた2ch有志 |