自民党の野中広務元幹事長は9日、自民党本部で記者会見を開き、今期限りで政界を引退する意向を表明した。党総裁選で自ら擁立を主導した藤井孝男元運輸相が苦戦を強いられるなか、「反小泉」の戦いを貫くため、「自ら退路を断たずして、この戦いはできないと判断した」としている。また、小泉首相支持を表明した村岡兼造会長代理や青木幹雄参院幹事長らを強く批判し、「目先のポストに踊らされる政界への警告でもある」などと語った。
会見で野中氏は「私としては手順を踏んで、藤井さんを擁立しようということをみんなで決めたと思っているのに、村岡会長代理が、橋本会長(元首相)や我々仲間に報告することなく、小泉支持を打ち出された」と、分裂状態となった総裁選への派閥の対応に強い不満を表明した。
また、同じく小泉支持を表明している青木氏について「政策も反対。私どもに約束した竹中さん(経済財政・金融相)を含む内閣の改造、山崎さん(自民党幹事長)を含む党三役の改造、政策転換も見えないままに、参院選の選挙の顔というだけで、理念・哲学なくして支持するということを悲しく思う」と批判。「私の情熱と志を、小泉政権を否定するための最大の戦いに燃焼し尽くしたい」と強調した。
(09/09 17:32)
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