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野良猫多すぎ「猫非常事態宣言」 三重・尾鷲(1/2ページ)

2009年5月20日16時13分

写真:行野浦漁港の近くのダイビングショップにも野良猫が集まる。店主は「おしっこのにおいがきついんです」=三重県尾鷲市行野浦、小泉写す行野浦漁港の近くのダイビングショップにも野良猫が集まる。店主は「おしっこのにおいがきついんです」=三重県尾鷲市行野浦、小泉写す

 「猫非常事態宣言」が、三重県尾鷲市と紀北町に発令中だ。保健所に持ち込まれる野良猫の数は、人口比で全国平均の9倍。理由は「漁師町で海の近くには魚が多い」「エサをやる市民が多い」など諸説ある。見かねた県尾鷲保健福祉事務所が結核の流行時を模して異例の宣言をし、住民への啓発活動に乗り出している。

 両市町を管轄する同事務所が07年度に処分した猫は559匹で、人口72人につき1匹。全国の647人につき1匹、県の523人につき1匹を大きく上回る。

 同事務所の獣医師が、赴任早々の05年8月、一人暮らしの男性宅の猫約50匹を引き取った。猫が増えすぎて男性は別の場所に引っ越し、猫を放置していた。

 獣医師が「猫非常事態宣言」を提案。8月の発令後は、動物病院に去勢・避妊手術を促すポスターを張ったり、市の広報誌やケーブルテーブルで「えさをやらないで」と呼びかけたり、自治会役員に野良猫対策の講習会を開いたりするなど、啓発活動を始めたが、同年度の処分数は過去最多の726匹だった。

 同事務所によると、野良猫は年に2、3回妊娠し、1回の出産で4〜8匹の子猫を産む。人口減で尾鷲市中心部でも空き家が増え、猫の「安全・安心度」が高まっているうえ、飼い猫を放し飼いする人が多いのも増える要因という。「市民の側に、エサをやることが、処分猫を増やすとの認識がない」と指摘する。

 同市の若林淑子さん(75)は「古くからネズミ駆除のために猫を飼う習慣があった」と話す。多くの家が軒先で魚を干し、猫が「拝借」することもある。今も朝の魚市場には猫が群がる。

 前市議の端無(はなし)徹也さん(36)は4年前、同市に引っ越してきた。猫があちこちにいる風景が絵になると思い、写真に収めるようになった。だが、処分数が多いと知り、市議会で去勢・避妊手術の助成充実を訴えてきた。

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