中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

わいせつ防止策に疑問の声 '09/4/15

 尾道市立中の男性教諭(25)が女子生徒に対し、わいせつな行為をしたとして懲戒免職となった14日、広島県教委や市教委はあらためて校長らに服務規律の徹底を指導した。だが、過去5年間のわいせつ・セクハラによる懲戒処分は33件に上る。教育の専門家からは、再発防止に対する取り組みや効果に疑問の声も出ている。

 「校長自ら校内を巡回して感性を磨き、指導、指示をしてほしい」。この日、広島市中区での県立学校長会議で、榎田好一教育長は約100人の校長を前に力説した。尾道市教委も臨時の小中学校校長会を開き、生徒の心のケアを指示した。

 県内では教諭によるわいせつ・セクハラ行為が後を絶たない。昨年5月には、小学校教諭の男性が女子児童への強制わいせつ容疑で逮捕される事件が発生。任命権者の榎田教育長も懲戒処分の戒告となる異例の事態となった。

 県教委教職員課の篠田智志課長は、再発防止に向け「あらゆる機会を通じて服務規律の確保を訴え、学校でも過去の具体的な処分の事案を参考に研修をしてきた」と説明する。

 しかし、昨年5月以降も女子生徒の太ももをさわったり、卒業した教え子にストーカー行為をしたりするなどの不祥事が相次いで発覚。昨年度のわいせつ・セクハラによる懲戒処分は計6件になった。

 広島大大学院教育学研究科の児玉憲一教授(臨床心理学)は「いくら研修しても教員に当事者意識が薄いのではないか」と指摘する。県教委は以前から、教師と生徒が携帯電話で連絡を取り合わないよう研修で指導していきたというが、今回の尾道市の事案でも、男性教諭が女子生徒と携帯電話で連絡をしていた事実が分かっている。

 繰り返される不祥事を受け県教委は3月末、全公立学校に対し、体罰やセクハラ専用の相談窓口の設置するよう通知した。ただ、児玉教授は「相談窓口も学校内だけでなく生徒が相談しやすい学校外に充実させるべきだ」と強調する。また、県教委の通知にもかかわらず、10日現在、県立高では15校が対応できていない現状もある。


  1. 原爆症認定が23倍に激増
  2. 被爆認定の新指針策定で合意
  3. 循環取引に3人目の主導者
  4. 「ひろしまカレッジ」来月開講
  5. 3月の生活保護最多 広島市
  6. シリコンの多色発光法を開発
  7. 広島6区、対決構図に困惑も
  8. 海外からの資料館訪問が最高
  9. 西飛行場はヘリか小型機用に
  10. 尾道のわいせつ教諭を懲戒免
  11. 「室内ビオトープ」お宅にも
  12. 広島の復興を中東の高官学ぶ
  13. 魯山人展で飲食割引や新菓子
  14. 福山内港またぐ入江大橋着工
  15. 潜水艇沈没100年で慰霊祭
  16. 浜田漁港でナマコ1トン密漁
  17. 米軍住宅地に過去5地区候補
  18. FMハムスターが20日始動
  19. 愛媛の市長が劇場PR 福山
  20. 下松の潮干狩り4年連続中止
  21. 久喜・大林銀山で遺跡ツアー
  22. 甘露醤油プリンは柳井新土産
  23. 世羅の花 パネルも見ごろ
  24. 中広選手が古里三次で防衛戦
  25. サッカー優勝争いは山口が軸
  26. 保命酒じっくり仕込み 福山
  27. 赤いラーメンでカープ応援


MenuTopBackNextLast
安全安心