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【コラム】日本の近代史に目を背ける韓国(下)

 日本が開国してからの150年間、東アジアの近現代史の中心は、中国よりも日本だったと考えるのが現実に即している。だが、韓国の中学・高校の世界史の教科書を見ると、日本の近代史は東南アジア諸国と共に、「中国の周辺国の歴史」として記述されているだけだ。韓国は近代以降、日本の文物や技術はもとより、学術用語も受け入れてきたが、日本史に対する世界史、あるいは東洋史的な視点からのアプローチをしてこなかった。その一方で、「中体西用(伝統的な思想や制度を守りつつ、西洋の技術・文明を受け入れる)」と「変法自強(議会政治を基礎とした立憲君主制を樹立する)」の間で揺れ動いた末、半植民地状態に陥った中国の「失敗した近代史」はこれでもかというほど羅列されている。

 訪問団と共に奈良の東大寺を訪れたところ、修学旅行で来た日本の小学生たちから「アンニョンハセヨ」と韓国語であいさつされた。横にいた旅行会社のガイドは「韓国を訪れる日本人たちが、円高の恩恵にあずかり、ただソウルで金を使うだけ使い、大衆文化に関心を寄せているわけではない。日本文化の源流を学ぶため、扶余や公州を訪れるケースも多い」と話した。

 キジはタカの攻撃を避けられなくなったとき、頭を地面に突っ込み、自分が置かれた現実から目を背けて最後を迎えるという。もしかして韓国は、つらい記憶に目を背け、キジのようになろうとしているのではないだろうか。

キム・テフン記者(文化部次長待遇)

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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