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【コラム】日本の近代史に目を背ける韓国(上)

 本紙が1987年から開催してきた教員研修プログラム「日本の中の韓民族史探訪」は、日本の歴史や文化の中に残された韓国文化の足跡を探るもので、今年で24回目を迎えた。記者は訪問団に同行し、今月9日から15日まで、日本の主な史跡を訪ねる機会を得た。訪問団は奈良・飛鳥・京都など、韓国と密接な交流があった地域を訪れた。しかし、記者は訪問団に同行して日本の土を踏んだとき、「1500年も前の遠い昔の韓日両国の交流を知ったところで、21世紀に生きるわれわれにとって、果たして何の意味があるのだろうか」という疑念をぬぐい去ることはできなかった。日本の一人当たりの国民所得が韓国の2倍に達している現実を考えれば、韓国が日本に先進的な文化を伝えたという事実も、「古き良き時代の追憶」としか感じられなかったためだ。

 だが、6泊7日にわたる旅を取材して、「日本の中の韓民族史探訪」が、遠い昔の歴史を懐かしむだけの退行的で自慰的な行動では決してない、という証拠を見つけた。同行した教授陣から、百済や高句麗の人たちが奈良・飛鳥地域に残した足跡についての講義を聞いた教師たちの反応からしてそうだった。釜山中央女子中のキム・ウンスン教諭(45)は「これまでは、われわれが文化を伝えたという自負心を抱いているだけだったが、文化が一方からもう一方へ伝わった上で、それが受け入れた側によって発展していくという事実についても知ることができた」と語った。また、東莱中のパク・ドソン教諭(46)も「遺跡を訪ねてみて、韓国から伝わった文化がいかにして現在の日本に根付いていったか、興味深く感じた」と話した。このような感想は、「韓国が日本よりも進んでいた」という内向的な自負心ではなく、「隣国・日本の歴史をもっと知ることができた」という未来志向的な関心に基づくものだといえる。

 だとすれば、韓国の学界は、こうした関心にどれだけ応えようとしているのだろうか。訪問団に同行した江原大史学科の孫承喆(ソン・スンチョル)教授は、意外な事実を口にした。「韓国の歴史学界で、日本へ行って日本史をきちんと学び、韓国で教壇に立っている学者は30人もいないのが現実だ」というのだ。さらに孫教授は「日本史を学んで帰ってきて、大学の教壇に立てなかった学者たちもかなり多い」と付け加えた。「東洋史=中国史」という韓国の歴史学界の伝統的な認識が、日本史の研究を空白領域にしてきたというわけだ。また、公州大のソ・ジョンソク教授は「とりわけ日本の近代史は、韓国が植民地支配の被害を受けてきた歴史と重なるため、これまで十分な研究が行われず、それどころか顔を背けてきた側面も大きい」と指摘した。

キム・テフン記者(文化部次長待遇)

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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