2009年5月20日14時16分
朝の大阪駅の周辺はマスクをして通勤する人の姿が目立った=20日午前、大阪市北区、南部泰博撮影
品切れは近畿圏にとどまらず、18日ごろには全国に拡大。売り切れで入荷のめどが立たない福井市の薬局は「石油ショックでトイレットペーパーがなくなったときのような騒ぎ」。秋田県で店舗展開する佐野薬局も「入荷してもすぐ売れてしまう」という。
マスクは手に入るのか。
大手ドラッグストアチェーンの店舗は、しばらくの間は少量でも入荷があるようだ。多くが海外で新型インフルが話題になり始めた4月から大量に仕入れ、各店舗に少なくとも週に数回、数十個ずつは出荷できている。入荷予定は各店に問い合わせればわかるが、予約は受け付けないところが多い。
大手コンビニエンスストアも在庫を確保しており、今のところ商品が回転している。入荷は少量だが、問い合わせれば予定を教えてくれる店もある。
インターネットはどうか。「楽天」では、在庫がある店舗でも、高価なマスクしか残っていないことが多い。ヤフーオークションでは「新型インフルエンザに有効」などとアピールする品に入札が集中。16日夜に出品された「医療用マスク」50枚1箱は64件の入札があり、開始価格1980円が1万7千円で落札された。神奈川、千葉、札幌など、感染が広がっていない地域からの出品がめだつ。
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滋賀県立大の山田明教授(臨床ウイルス学)の話 マスクは、感染者がせきをしてウイルスを周囲にまき散らすのを防ぐという点で一定の効果がある。外からの感染を防げるかどうかは意見がわかれている。手に入らないからとあわてる必要はない。手洗い、うがいの励行のほか、肝心なのは人ごみに出ないこと。外出時は自家用車で移動する、ラッシュの電車・バスに乗らない、時差通勤をするなどの対策が有効だ。