福島県立病院事業 本年度赤字26億円に

 医師不足によって、福島県の県立病院事業の本年度赤字が当初の18億円から26億円に拡大する見通しであることが、19日分かった。2012年度までの累積の資金不足も41億円になる見込み。6県立病院の本年度の常勤医は3月時点の見込みで67人だったが、実際に確保できたのは56人。満足な診療体制が取れないために患者が減少、診療報酬にも響いている。

 県病院局が、県立病院改革プランを審議する県立病院事業経営評価委員会で明らかにした。常勤医は3月時点で63人おり、4月には4人増える予定だった。その後も増えて11年4月に75人と見込んでいたが、71人に引き下げた。

 県立病院では常勤医1人あたり年間1億―1億5000万円の診療報酬があり、医師不足は収益悪化に直結するが、県病院局は依然として収支均衡の見通しを提示。

 対策として基金取り崩しで9億円、職員削減で5億円を生み出すほか、国の地域医療再生交付金も活用する。13年度に収支均衡を図り、累積の資金不足も11年度に解消すると説明。こうした取り組みによって、本年度赤字も当初予想の18億円に圧縮するという。

 委員からは「3月からの2カ月間でこれだけ急転したのに数年後をどうして予想できるのか」「最悪のシナリオも準備しておくべきだ」との厳しい意見も出たが、改革プランを了承、来週にも国に提出される。

 県立病院改革プランでは(1)大野病院(大熊町)を県厚生農協連合会に移譲する(2)会津総合(会津若松市)と喜多方の両病院を統合し県立医大付属にする―ことで13年度に3病院にする。県は3月の策定を目指していたが、大野についての地元合意が遅れ、ずれ込んでいた。


2009年05月20日水曜日

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