神戸市は、新型インフルエンザの感染拡大を受け、20日から発熱外来以外の診療所約1300施設でも患者を診察する。19日、市医師会と合意した。市は感染の現状を、国が定める「まん延期」に近い状態と判断。発熱外来の受け入れ能力が限界に達しているため、厚生労働省に弾力的な運用を求め、了承された。
神戸市は市立医療センター中央市民病院(中央区)など9病院に発熱外来を設置、感染の疑いがある患者は発熱外来に限って診察しているが、感染拡大に伴い受診者は増え、16日以降の受診者は441人に達している。
20日以降も、感染を疑う患者は発熱相談センターに連絡することは従来通りで、軽症や感染の可能性が低いとセンターが判断した場合、かかりつけの診療所で診察する。重症患者は発熱外来が対応する。診療所は、感染すれば重症化の恐れがある一般の慢性疾患患者などへ配慮し、一般患者と診察時間を分けるなどして対応する。
一般医療機関で受診した患者の遺伝子検査は、診療所側が必要と判断した人のみ実施する。【藤原崇志、村上正、野田武】
毎日新聞 2009年5月20日 東京朝刊