頼近美津子さん死去！食道がん闘病２年…早すぎる５３歳

「小川宏ショー」の新アシスタント発表時の頼近美津子さんと小川さん（１９８１年）

　テレビのニュース番組などで活躍した元アナウンサーの頼近美津子（よりちか・みつこ＝本名・鹿内キャサリーン美津子）さんが１７日午後１時４６分、心不全のため千葉県内の病院で死去した。享年５３歳。２年前から食道がんの診断を受け、４月１３日に体調を崩して入院していた。１９日、都内で近親者のみで葬儀が営まれた。喪主は長男・鹿内雅雄（しかない・まさお）さん。後日、お別れの会を開く。

　所属事務所によると、２年前に食道がんと診断された頼近さんは、先月１３日に体調を崩して入院。今月１５日に肺炎を併発したことで容体が急変し、２人の息子やフジテレビ時代の関係者ら、親交の深かった人たちに見守られる中、帰らぬ人となった。本人の希望で、延命治療は行わなかった。

　がんと闘病しながら、頼近さんは体調を崩す３日前の先月１０日まで仕事をしていた。連載を持つピアノの専門誌「ムジカ　ノーヴァ」（２０日発売）で、音楽教育家との対談が最後の仕事だった。対談に立ち会った関係者によると、頼近さんは、普段と変わらず元気な様子だったという。

　最近はクラシックコンサートの司会や企画・プロデュースなども手掛け、幅広く活動していた。３月１６日には、東京オペラシティで行われたアフラックのチャリティーコンサートでも司会をするなど、精力的に取り組んでいた。

　頼近さんは７８年、ＮＨＫに入局。８０年には「ニュースワイド」の司会者に抜てきされ、このころから“美人キャスター”として人気を集めるようになったが、８１年にフジテレビに契約キャスターとして移籍。このとき、年収は３００万円から１２００万円に跳ね上がったと言われ、現在のフリー転向の流れの先駆け的存在でもあった。

　フジテレビでは「小川宏ショー」やニュース番組のキャスターなどを担当。８４年、当時フジテレビ副社長だった鹿内春雄氏と電撃結婚。そのまま引退し、話題となった。

　８８年に春雄氏が亡くなった後、古巣のＮＨＫの番組「名曲音楽館」の司会者として復帰。９６年にはＮＨＫ大河「秀吉」で女優デビューするなど、話題になった。

　◆頼近　美津子（よりちか・みつこ＝本名・鹿内キャサリーン美津子）１９５５年８月１日、広島・府中生まれ。祖父・祖母が在米日系１世で父・健二さんも米国生まれのため、ミドルネームが付けられた。東京外語大英米語学科卒。７８年、競争率６００倍の難関を突破してＮＨＫ入局。８１年、フジテレビに移籍。結婚後に引退したが、９２年に活動を再開した。